「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

シリアの独裁者はダマスカスを去り消えた、シリアは今後どうなるのか❓<2024・12・08

2025-01-12 01:11:34 | アフリカと中東

☆詳しい記事
BBC
2024年12月8日 11:53
『シリア反政府勢力、大統領が逃亡国は「自由になった」と主張 首都ダマスカス掌握と』
https://www.bbc.com/japanese/articles/cp833759120o
※これが最新の記事で、詳しく書いています。(16:35追記)

メデイアは、アサド政権の危機を報道していますが、既に独裁者であるアサド大統領は首都ダマスカスから脱出したようです。
家族や政権幹部の弟は、ロシアとカタールに脱出したとの情報もあります。
つまり、アサド政権は崩壊しました。

航空万能論の昨日の記事を見ると・・・
「反政府勢力はダマスカスに到着していないものの市民らはアサドの肖像画を破壊している」
「治安当局も市民の暴動を阻止する様子はない」
これが、ロシア側軍事ブロガーのRUBARの報告です。
既に昨日の段階でアサド氏は脱出していたようです。もっと早いかもしれません。
政権不在になったダマスカスの治安当局は、市民の反政府的行動を放置しているようです。

そして今日、ダマスカス近郊は反政府組織が制圧し、市内にも一部の部隊が進出しているようです。
ダマスカスのすぐ南まで進撃しているのは、南部ダルアー県を制圧した自由ロシア軍の別派です。
市内に入ったのは、この部隊ではないかと思われます。
アメリカ軍支配地方面から急激に進撃を開始した自由シリア軍は、ホムスの東まで進撃した後、三方向に別れ、その一部が西南方向のダマスカス方面に進撃中です。と言っても政府軍が、ほぼ無抵抗状態ですので反政府軍は、1日に30~40km進撃しており、既にこの部隊もダマスカス郊外まで進出しているかもしれません。

また航空万能論の記事の中に、このような記述があります。
「シャーム機構は、ダマスカスのラジオ局とテレビ局を制圧したと発表」

ここまで来ると昨日の段階で、反政府勢力がダマスカス市内の主要な部分を制圧していたのかもしれません。だから治安当局も何もしないのでしょうね。うっかり市民を弾圧すると「反逆者」にされてしまいます。こんな調子では、多少はいたはずのヒズボラの部隊も、すぐ西のレバノン領に逃亡しているでしょう。
と言うわけで事実上、アサド政権は崩壊しました。
メデイアの記事は、数日前の状況を報道しているケースが多いです。
ピンボケ新聞は、今日になっても政府軍のホムス防衛を伝えています。
もう、とっくにシャーム機構が制圧しています。(今日の話)

一応、補足情報
アサド政権の中枢を担ってきた勢力
西部地中海沿岸に多いイスラム教アラウイ派
アラウイ派は様々な宗教が入り混じった独特の教義を持つようです。
一応、シーア派に属すると認識されているようです。
ウイキペデイアの「アラウイー派」の記述の中に説明があり、更にフランス統治時代の地図が添付されています。
この地図の中の紫のエリアが、アラウイー派の居住区です。今もそれほど変わらないでしょう。恐怖の独裁者のアサド一族の根拠地と言えます。
大体、今の勢力図と重なる部分も多いです。
(イ)フランス統治時代の地図
①State of Aleppo
②State of Damascus
③Alawite State
Greater Lebanon
④Jabar al-Druse State

最新の戦況図
航空万能論 2024・12・8
『シリアの首都を反政府組織が3方向から包囲、アサド政権崩壊は時間の問題』

①が、アル・シャーム機構、トルコ系反政府組織、クルド人
②が、自由シリア軍とダルアー県の別派
③が、アサド派 現在のラタキアやバニヤース、タルトウースなどの都市のある地中海岸

これを無理やり恐怖政治で支配していたのが③のアサド派である構図が見えます。
1963年シリア・バース党がクーデターで政権を握ります。
その権力闘争の中から1966年、再度クーデターが起きます。
権力闘争を繰り返すうちに台頭したのが、恐怖の独裁者ハーフィズ・アル=アサドです。
これが1972年で、以後シリアでは苛烈な独裁政権が政治を握ってきました。
2000年初代アサドが死去した後、跡を継いだのがバッシャール・アル=アサドです。

色々な記述を見ても、シリアの政権抗争は主義主張の部分から記述されています。
歴史的経緯や宗教、部族社会の部分から記述したものは、見ていません。
しかし、こうしてフランス統治時代の地図を見て、現在の戦況図を見ると、かなり重なる部分が多いです。

つまりシリア内戦の本質は、宗教と部族社会(地縁・血縁)に大きく影響されていることが見えてきます。
と言うことは、(イ)フランス統治時代の地図にある地縁血縁関係を踏まえた権力バランスを考えなければ、上手くいかないと思います。
「血は争えない」
今、昔の地縁・血縁関係に似た勢力図が出来つつあります。
①アレッポ・エリア②ダマスカス・エリア③アラウイー・エリア
④を入れるなら、今のスワイダー県でしょう。

現在の勢力関係なら・・・
アル・シャーム機構、トルコ系反政府組織、クルド系組織、南部の自由シリア軍連合
ここにこれまでの支配層だと思われる③アラウイー・エリアの代表を参加させた政権樹立協議会(のような会議)を持つことが出来るかどうか・です。

今は、「アサド政権打破」で取り敢えず共同歩調を取っていますが、各勢力が好き勝手な主張を始めれば、また分裂して内戦が始まると思います。

例えば、イラクでは・・・・
南部シーア派親イラン・グループ
南部シーア派民族派(反イラン)
北部スンニ派(旧・政権派閥)
東部クルド人
大雑把にこの4グループが何とか妥協してイラク政府を形成しています。
4グループともイラクが分裂して自分たちが得をすることは無い・と認識しているからです。

シリアでも、この方式が成立するかどうか・です。
シリアの反政府勢力のバックにいるのは、トルコとアメリカです。
イランとロシアは、排除されたと言っていいと思います。

シリア内戦をこれほど残虐なものにし、長期化させたのは、大国のエゴです。
特にロシア・イランという独裁色の強い2国が、元から残虐なアサド政権を支えたのが事態を酷くしたと言えます。
アサド政権が崩壊し、ロシアとイランが事実上、排除された今は、トルコとアメリカが主導すれば、仮称シリア国民会議を創設することが可能だと思います。シリア国内の勢力だけでは、話し合いはまとまらないように思います。
トルコとアメリカが、シリアの平和を主導できるかどうか❓

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(情報操作の疑われる怪しい記事が混じっています。12月13日・追記)
☆シリアの独裁者はダマスカスを去り(消えました⇒動静不明)
AFPBB
(ア)『アサド政権崩壊か 反体制派「新たな時代」宣言ーシリア』
2024年12月8日 13:33
https://www.afpbb.com/articles/-/3552917

『シリアのジャラリ首相は、国民が選ぶ」いかなる指導者とも、またいかなる政権移譲プロセスにも「協力」する用意があると述べた』
『反政府勢力も同日、アサド氏が国外に逃亡したと主張。海外在住のシリア人に「自由なシリア」に帰還するよう呼びかけるとともに、ダマスカスは「暴君」から解放されたと宣言した』


既に旧シリア政府は崩壊し、以後のシリアの国政運営について旧政府を代表してジャラリ首相が、各勢力に話し合いを呼び掛けている模様です。
西部の地中海岸のアラウイー地域以外は、大体反政府勢力の傘下に収まるのではないかと思います。
そうなれば政府軍はいなくなり、後は戦後の話し合いです。
すんなりまとまるとは思えませんが、内戦続行は止めて欲しいと思います。

★独裁者は消えた(ここからが怪しいです)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ロイター 2024年12月8日
(イ)『シリアのアサド政権崩壊、反体制派がダマスカス掌握 大統領は首都離脱』
URK省略
文字通り消えました。
フライトレーダーのデータによると、首都ダマスカスが反体制派に制圧されたと伝えられる時刻に、シリア航空の飛行機がダマスカス空港を離陸。
アサド派の拠点のある地中海沿岸部に向かっていましたが、突如Uターンして数分間反対方向に飛行した後、(レーダーの)地図上から消えたと言うことです。
(ロイター)
このシリア航空の飛行機にアサド大統領が登場していたと確認された分けではありません。
一番、それらしいと言うことでしょうね。
問題は、消え方です。おそらくロシアの基地のあるラタキア方面を目的地にしていたと思います。
ロシアのフメイミム航空基地でしょう。
Uターンしたと言うことは、受け入れを拒否されたのだろうと思います。
その後、(機影が)地図上から消えたのは事故か撃墜かどちらかです。

アサド憎しの地元勢力が撃墜したのか❓
(反体制派も、地対空ミサイルを入手しています、進撃の途中で政府軍から分捕りました)
口封じと面倒解決に、●●●が撃墜したのか❓
それとも、偶然の単なる事故か❓

(ハ)BBC 2024年12月8日
『シリア反政府勢力の代表、首都で演説 大統領が首都を逃亡』

(イ)と(ハ)の両方を引用
①NGO「シリア人権監視団SOHR」
ダマスカス空港からプライベートジェットで空港を離陸

②ロイター シリア政府高官2人の話(又聞き)
8日午前3時59分 ダマスカス空港からシリア航空の貨物機L-76Tで出発、目的地不明
航空機追跡サイト「フライトレコーダー24」
午前4時39分ごろホムス上空・西約を飛行中トランスホルダー信号が失われた⇒行方不明

★BBCにないロイターの記事
「ロイターは搭乗者を確認できていないが、シリア情報筋の2人は、飛行機が事故にあった可能性が高いとし、撃墜された可能性もあると述べた」

★ロイターの記事が怪しいです。
ロイターの記事を読むと、アサド大統領の搭乗機は墜落した可能性が高いことになります。
実際には、アサド大統領はロシアに亡命したことをロシア外務省が8日に発表しています。

※関連記事
ブルームバーグ 2024年12月8日
『シリア政権崩壊、大統領はロシア亡命ー「暴力と混乱」警戒の声相次ぐ』
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-12-08/SO5QUTT1UM0W00
タス通信
ロ大統領府 アサド氏と家族にロシアが亡命認める

この記事によるとロシア外務省が、「アサド大統領の辞任とシリア出国」を声明で発表しています。
こうなると、ロイターの記事はすごく疑問でしょう❓
あえて、アサド氏死亡説を流しているのと同じです。


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