「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

(モルドバ)EU加盟国民投票と大統領選挙の行方<2024/10/21

2025-01-10 21:48:08 | ヨーロッパ

産経新聞
https://www.sankei.com
2024・10・21
『モルドバ、国民投票でEU加盟「否決」も 大統領選は決選投票の公算』
https://www.sankei.com/article/20241021-N7AUGL4UJJIAPFPKDUDFJZAHQ4/

ロイター

https://jp.reuters.com/world/russia/JU6SNGH4TVL65MKX6CKOXPSOX4-2024-10-21/


ここでも西側とロシアの鬩ぎあいがあります。
東欧諸国の運命でしょうね。
民主化勢力が、正しいように西側のメデイアは報道します。
しかし、その国が中立を志向する場合は「外国の代理人」にすぎません。ロシアよりの国にとっても同じです。
「外国の代理人」の活動を制限する法律を制定してEUから猛烈な批判を浴びているのが、ジョージアです。

ウクライナでは、2014年に西ウクライナの過激民族主義者が政権を乗っ取ったあと(2014暴力クーデター)、過激民族主義者が(国民投票はなかったと思います)議会で徐々にNATO加盟を憲法に盛り込んでいきました。今は憲法でNATO加盟が国是になっています。
そうするためにクーデターで政府を乗っ取りました。
ウクライナの例が、一番極端で悪質です。

ベラルーシでは、「民主派=外国の代理人」が相当国内で権力を握ろうと画策しましたが、政権が排除に成功して独裁体制を守りました。
政権側からすると西側の内政干渉を排除したことになります。西側からすると自分たちの傀儡が排除されて、内政干渉が失敗したことになります。

ベラルーシやジョージアが、西側から批判されるのにはこのような裏側の事情があります。
民主化要求と言うのは西側の代理人が、その国で権力を握るための方便にすぎません。

ここでは詳しく書きませんが、アルメニアも同じです。
ニコル・パシャン首相は、親EU派の代表です。
長年、ロシアの支援を受けてきたにもかかわらずEUの代理人が権力を握った例です。
ロシアがアルメニアを見限ったのは、これが一番大きな理由でしょうね。こうしてアルメニアは長いアゼルバイジャンとの戦争に敗北しました。
しかし、アルメニア国内には親ロシア派も半分くらいいると思います。そしてロシアの支援がなくなれば貧しくなっているでしょう。すんなりとは、親EU政策を遂行することは出来ません。

モルドバも同じように西側とロシアの狭間で翻弄される国です。そもそもアルメニアは、第2次大戦後スターリンがルーマニアから奪った土地です。モルドバは人口427万人程度の小国ですから、本来ならルーマニアに復帰するべきだったと思います。
しかし、そうはならず独立しました。
反発したロシア系住民の多いトランスリトアニア地方は、沿ドニエストル共和国として独立しました。人口47万人程度の狭い地域です。

多民族国家のヨーロッパでは、国の政治を間違えるとすぐ民族独立運動が起きます。
ジョージアでもロシアの後援を受けた小さな独立地域があります。

今回、モルドバを取り上げたのは興味深い点があったからです。
大統領選と併せてEU加盟の国民投票が実施されました。
過半数に達せず否決されました。
西側のメデイアが報道しているようにモルドバ国民がEU加盟を熱望しているなら、今回の国民投票は、賛成多数でEU加盟を決定したはずです。
それが反対多数(53%)で怪しくなってきました。
今回の国民投票は、「EU加盟を国家目標として憲法に明記する」是非を問うものです。

クーデター後のウクライナで行われた手法と同じです。
モルドバ国民の投票動向を見る限り、EU加盟は賛否同数で国民の意思を決めるのは無理だと思います。
それを憲法に明記することで強引にEU加盟を推し進めようという意図が露骨に見えます。

だから強硬な親EU・NATO路線をとる現大統領のサンドウ氏は、相当西側の支援と意思を代弁していると言えます。
つまり民主化を言いながら西側は、こうやって中立や親ロシアの国を自陣営に取り込んできたわけです。
サンドウ氏は、西側の代理人とも言えます。

ジョージアのズラビシヴィリ大統領も同じです。
こちらはフランス人でジョージアとの二重国籍者でした。
ジョージアで政府の重職についた後もフランス人でフランス外務省の職員でした。

西側のメデイアの報道を更に歪めて報道する日本のメデイアの報道をそのまま受け取ると、特に西側とロシアの狭間にある国々の本当の姿が分からないと思います。

ジョージアの場合は、西側からもロシアからも独立して干渉を受けたくないと考える国民が多いから、現在の政権が誕生して中立政策を取っています。
中立であろうとするだけで西側はロシア寄りだとして猛烈に批判します。ジョージアでも民主化勢力なる西側の代理人が、かなりの勢力を持っています。何しろ大統領が西側の代理人です。

このようにモルドバ、ジョージア、アルメニアなどの小国は、大体親ロシアと親EUが半々なので政治のかじ取りは、非常に難しいものがあります。

このような複雑な事情を理解してほしいと思います。

EUに加盟した東ヨーロッパの小国は、貧しいまま放置され過疎化が進行している国もあります。
むしろEUに加盟せずロシア経済圏にとどまった方が、その国のためには良い国もあります。
ジョージア、ベラルーシ、ウクライナ、モルドバ、アルメニアなどは、その典型だと思います。
国のサイズの大きなウクライナは、西側の傭兵にされて将来、借金の方に食い物にされるでしょうね❓

世界の民主主義を守るため!
と言いながら実際にやっていることは、ろくなものではありません。

 

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