「北の山・じろう」日記

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南部ザポリージャ戦線でロシア軍が攻勢<ウクライナ紛争2024.2.20

2024-02-20 14:17:41 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024.02.19
ロボーティネの戦い、ロシア軍が2km以上前進して集落郊外に到達か
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/in-the-battle-of-robotine-russian-troops-advanced-more-than-2km-and-reached-the-outskirts-of-the-village/

アウディーイウカ市街の攻略戦が終了すると、ロシア軍は直ぐに南部ザポリージャ戦線で攻撃を開始しました。
予てからアウディーイウカ以上の部隊が集結していました。以上と言うことは、4万人以上です。

この方面を管轄するのはタブリア作戦軍と呼ばれる軍団です。アウディーイウカまでが管轄範囲に入っていますので一部の部隊は、増援で送り出してその分兵力が減っています。

一部ロシア人軍事ブロガーの報告では(正確かどうかは不明です)
「敵に防衛ラインを立て直す時間はない」
「敵の大砲は殆ど動いておらずクラスター砲弾も枯渇している」
「敵が使用するFPVドローンの強度は非常に弱く事実上存在しないと同じだ」
と主張しているようです。

東部戦線全域で砲弾やドローンが消費されていますから、十分な量は備蓄されていない可能性があります。

別のロシア人軍事ブロガーの報告では・・・
「ドニエプル川左岸の作戦に参加していない右岸の戦力をドネツク方面に移動させ始めた」
「これは前線の戦力が不足していることを示している」

戦況略図の信頼性は、不明です。(データの蓄積が乏しいからです)
しかし、従来の前線はかなり北側に押し上げられておりウクライナ軍がロシア軍の第1次防衛ラインを突破するときに激戦が行われたロボティネ村Robotyneの南側までロシア軍が到達しているようです。
東方(10km位)のベルボベVerboveで一時ウクライナ軍が防衛ラインの突破に成功しましたが、こちらでもかなり西方向に押し返されています。
ロシア軍の作戦は、ウクライナ軍がロシア側に突出している部分をまず押し返そうと言うことのようです。
もう去年の反撃作戦で回復した領土の3分の1程度は再びロシア軍が奪還しつつあるようです。

この辺りは元はロシア側の支配地域ですから一旦ウクライナ軍が後退し始めると軍事拠点らしき地域が見当たりません。やや北にあるノヴォダニリウカNovodanylivkaまで後退しないと陣地防御も難しいように見えます。
そうなると❓
去年3か月強かけてロシア側から奪い返した地域のほとんどを再びロシア軍が奪還することになります。
出発点が、ノヴォダニリウカNovodanylivkaのすぐ北のオレホボОріхівです。

つまり、悔しくとも反撃作戦が頓挫した以上、元の出発点まで戦術的撤退をするしかありません。攻めたまま敵の勢力圏に残っていたために、格好の反撃目標になっています。

更に気になる点は、あれほどゼレンスキー氏が拘り続けていたヘルソン市ドニプロ川東岸攻撃作戦に投入していた部隊はそのままのようですが、作戦に参加していない部隊をドネツク方面に移動させ始めている事をロシア人軍事ブロガーは主張しています。

それが本当であるなら東部戦線でのウクライナ軍の予備兵力は、ほぼ枯渇状態にあることになります。

砲弾やドローンの使用を管理して備蓄せず使いまくり、兵力不足が前線から言われているのに対応せず放置してきたツケが一気に出てきている気配があります。
これらは、全部ザルジニー参謀本部時代に起きていることです。私がザルジニー氏を無能で無責任だと言う理由が分かると思います。

兵力不足に関しては、後方にいるとされる戦闘に参加していない70万人のうちから大至急、部隊を編成して送り込むしかありません。砲弾は、なければどうしようもありません。砲弾なしの作戦を考えて防衛するしかないでしょう。

兵力や軍事資源を無駄に浪費し続ければ、いつかは全部不足します。
ロシア軍もそれを睨みながら作戦を考えていると思います。

しかも、ここだけではありません。
ハルキウ州クピャンスクКуп'янськ方面でもロシア軍の大部隊の終結が伝えられています。
厳寒の季節もピークを越えて、ロシア軍の軍事行動が活発化するのかもしれません。
バフムト方面でもロシア軍が、じりじりチャシブ・ヤールChasiv Yarに迫りつつあります。

もうこうなれば戦線の取捨選択が必要な段階かもしれません。どこかの戦場は捨てて後方の防御しやすい地点まで退却し、どこかの戦場では戦う・というような戦い方です。兵力や軍事資源が不足すれば、こうするしかありません。
しなければ❓
広い戦線でどこか崩壊する場所が複数出てくる可能性があります。
ロシア軍がハルキウ州で崩壊した時は、一気にハルキウ州バラクレヤБалакліяからドネツク州リマンЛиманまで退却(敗走)して、そこでも支えきれずその東のルハンシク州クレミンナKreminnaまで退却して、やっと前線の安定化に成功しました。
前線が崩壊すると酷ければ、こうなります。

ウクライナ戦線は、ロシア軍が動き始めました。それに対してウクライナ軍は、どのような準備をしてきたのか❓


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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