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これから起こることが怖いから無視しているのか❓
無知だから無視しているのか❓
2014年ドンバス紛争が発生してからこれまで、かなり長い期間が経過しています。多少の押したり引いたりはありましたが、ほぼ現在の境界線が形成されてどちらも進撃できない状況が継続してきました。
ウクライナ軍のドネツク州の守りは堅固でロシア軍も攻略することは出来ませんでした。他では領土を失ったウクライナ軍はドネツク州では、ほぼ領土を失っていません。
元々ドネツク州にはウクライナ軍の最大の部隊が配置されていますし、鉄壁の防御ラインが形成されていました。
バフムト~ゴルロフカの西側~アウデイーイウカ~マリンカ~ノボミハイリフカ~ウーレダーに至る防御ラインです。ロシア軍の攻撃を跳ね返し続けてきました。
ところが今年の10月以降、この拠点の中で無事なのはゴルロフカの西側とウーレダーだけです。
バフムトは市街西側郊外の一部を残すだけでほぼロシア軍が制圧して、夏にかけてウクライナ軍が若干反撃したものの反撃は止められて、現在はロシア軍が押し返しつつあります。
アウデイーイウカは市街南側で市街戦が始まっており郊外西側では、ロシア軍に包囲される寸前です。
マリンカは、これまでの防御拠点はほぼ全部制圧されました。
ノボミハイリフカは、ロシア軍が三方向から市街地の防御拠点に迫りつつあります。
つまり、これまでロシア軍の攻撃を跳ね返してきた強力な防御ラインの4か所で突破されつつあります。突破されてしまえば、ドネツク州の西側は徐々にロシア軍が進出すると思います。
そればかりではなく、バフムトで西に進撃されるとコンスタンチノフカКостянтинівкаやクラマトルスクКраматорськに圧力をかけられるようになります。
バフムトから北上するとスラビャンスクСлов'янськに圧力をかけることが出来ます。
仮にスラビャンスクСлов'янськをロシア軍が制圧すれば、リマンЛиманが際どい状況になります。リマンЛиманのすぐ先は、ハルキウ州です。
つまり今、ウクライナ軍は余計な軍事行動は止めてドネツク州の守りを固めないと冬の間にロシア軍は、有利な体制を作り上げると思います。
ウクライナ軍に出来ることは、現在の戦場の西側にもう一度防御ラインを作り直すことです。現在の防御ラインは、ほぼ破られているからです。
支援目当ての無駄な攻撃は即座に止めて、ドネツク州の西側に突貫工事で新しい防御ラインを建設しないと、徐々に進撃するであろうロシア軍を支えることは難しいように見えます。
そもそも今のウクライナの大統領府は基本的な考え方を間違えていると思います。攻めることを考えています。もうそれは無理で固く守るしかありません。
ウクライナ軍の参謀本部も同じです。果たして現状を正しく認識しているのかは疑問があります。
どう足掻こうとロシア軍の進撃を止めて、その間に停戦交渉する以外にウクライナの取れる選択肢は、ありません。
それに失敗すると来年1年弱体化しながら、ロシア軍にドネツク州とハルキウ州を徐々に削られることになるであろうと思います。
2025年は、更にその西です。
ドニプロペトロウシク州、ポルタヴァ州、スームィ州などです。段々、ドニプロ川が近くなります。
どっちに転んでもロシアに削られます。
削られ方が多いか少ないかの問題です。
そして村や町、都市や社会インフラは破壊されます。ウクライナ国民の犠牲者も増えるでしょう。今のウクライナ政府を見ていると第2次世界大戦中の大日本帝国の戦時内閣と同じように見えます。それを無責任に煽りまくるアメリカとEU。アメリカとEUはウクライナ国民がどれほど死のうと国土がどれほど破壊され荒れようと大した気にしません。自分たちのことでは無いからです。
代理戦争は、そんなものです。
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑨
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