2024.05.20
止まらないウクライナ軍の後退、ハルキウ、ドネツク、ザポリージャでロシア軍が前進
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/unstoppable-retreat-of-ukrainian-troops-russian-troops-advance-in-kharkiv-donetsk-zaporizhia/
詳しくは記事を読んでください。
(1)ハルキウ北部戦線
やっとウクライナ軍の防衛ラインが機能してロシア軍の進撃が止まり激戦中です。
西側のリプシLyptsi方面。
リプシLyptsi北東方向に高台があり、ここがリプシLyptsi防衛の要のようです。
ライボケHlybokeとルクヤンツイLuk'yantsi方向から南下してきたロシア軍がこの高台地域に迫りつつあり戦闘地域に入りました。
もしこの高台地域をロシア軍が制圧したなら、リプシLyptsiをウクライナ軍が防衛するのは、かなり難しそうです。
ウクライナ側の発表では、このエリアが第1次防衛ラインとのことですので、どこにあるか不明な第2防御ラインまでウクライナ軍は後退を迫られるかもしれません。
ゼレンスキー氏の発言が本当かどうか、これから試されます。
東のボルチャンスクВовчанськ方面。
市街地での戦闘は、同じ状況です。
まだ北の市街地の一部でウクライナ軍が防衛戦を続けているようです。
新たにロシア軍の制圧が確認されたのが西の方にあるブフルヴァトカBuhruvatkaです。ここがロシアの支配下になるとヴォブチャ川Vovcha Riverをロシア軍が渡るのは、より簡単になると思います。
そうなるとボルチャンスクВовчанськの南市街の天然の要害となっているヴォブチャ川Vovcha Riverの南側にロシア軍が入り込みます。
ブフルヴァトカBuhruvatkaから川を渡ったロシア軍は、ボルチャンスクВовчанськの南市街の西方向から迫ることが出来ます。
どれだけ防衛を続けられるかは、やや疑問です。
リプシLyptsiもそうですが、重要拠点の周辺の要塞化が全然進んでいなかったようです。周辺が弱ければ結局包囲されてしまい、ウクライナ軍は撤退するしかないように思います。
ゼレンスキー氏が主張する通りウクライナ軍が防衛に成功してロシア軍を排除できるのかどうか❓
ボルチャンスクВовчанськとリプシLyptsiで防衛戦を持久戦に持ち込むのは、無理なように思います。
ウクライナ軍がロシア軍の排除に成功するか、後退するか・どちらかでしょうね❓
(2)ドネツク州チャシブ・ヤールChasiv Yar
航空万能論の記事では少ししか触れていませんがロシア軍が攻撃を開始したようです。
これはロシア側の情報です。
戦況略図
2024.05.12
ロシア軍がクラスノホリフカの工場地帯を制圧、チャシブ・ヤール方向にも前進
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-take-control-of-the-krasnokhorivka-factory-area-and-advance-towards-chassiv-yar/
チャシブ・ヤールの主要な市街地の東に運河が南北に流れています。この東に小さな飛び地の市街地があります。小運河地区と呼ばれています。
ここは滑空爆弾と砲撃でほぼ廃墟になっています。
しかしロシア軍は積極的な攻撃は休んでいました。
もうルートT-0504沿いでは運河まで進出しています。
北のボタニフカ方向からも運河と小運河地区北側を圧迫していました。
どうやらルートO-0506から小運河地区を攻撃し始めたようです。
http://hara.livedoor.biz/archives/52339144.html
この記事の中にチャシブ・ヤール攻撃に関する投稿があります。これによると小運河地区の北側をロシア軍がかなり占領したようです。
これは、ロシア側の情報です。
ハルキウ北部戦線でウクライナ軍の注意を北に引き付けておいて、チャシブ・ヤールでの本格的な攻撃を開始したのかもしれません。
ハルキウ北部戦線は陽動で、本当の攻撃目標は別に設定している可能性の方が強いと思います。なぜならベルゴロド州のロシア軍は、見えているだけでは最大5万人です。それほど大規模な作戦が出来る人数ではありません。
もっと別の作戦を考えている可能性もあります。
ハルキウ北部戦線だけで済まないのは、確かです。
※それにしても戦況略図を見ていて、うんざりする事もあります。どの戦線でもロシア軍が、畑を耕す農夫のようにコツコツとウクライナ領を削っています。
急ぎもせずに、のんびりと毎日削ります。
はっきり言ってウクライナ軍は、もう無理だと思います。
ドニプロ川に到達するのは、確かに大分先だとは思いますが❓
ウクライナの参謀本部もちゃんと地図に書き込んでいれば、何かを覚悟しているでしょうね❓
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27