「北の山・じろう」日記

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クルスク方面とクラフベ西方面の戦闘<ウクライナ紛争2025・02・13

2025-02-13 09:21:26 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

航空万能論
2025.02.11
ウクライナ軍はクルスクで後退、ロシア軍はポクロウシクで主要道路の遮断に成功
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-forces-suffer-major-setbacks-in-kursk-russian-forces-successfully-cut-off-main-road-in-pokrovsk/

(1)ロシア軍の軍事行動のパターンは決まっています。一定の期間攻勢に出て、その後一定の期間部隊の交代や休養、補充や占領地の整備などのために守りに入ります。今、その守りの期間であまり動きがありません。
ウクライナの方は、ミュンヘン安全保障会議(14ー16日)用の宣伝用だと思いますが、いくつかの場所で攻勢に出ています。これを、やっては大きな損失を出しています(過去の例)。支援を獲得するためのデモンストレーションと言えます。これまではバイデンさんだったから、これでも役に立ちましたが、シビアなトランプ氏が相手では、このような姑息な誤魔化しは無駄だろうと思います。それでも、やるのがゼレンスキーの性格です。

(2)クルスク方面
そのような意味と重要拠点への直接攻撃を防ぐ意味で、ウクライナ軍は、スジャСуджаの南で5km弱ロシア軍を押し返しました。その北にある重要拠点のマラヤ・ロクニャMalaya Loknyaでも西側のロシア軍を数km押し返しました。
一方、ロシア軍は西のダリノDar'ino方面から面的に東に少し進撃しました。特にルート38K-030沿いを進撃し、スヴェルドリコヴォSverdlikovoまで到達し市街地で戦闘中です。ルート38K-030沿いを南東沿いに進撃すると、その先がスジャСуджаです。
ウクライナ軍にスジャСуджа南とマラヤ・ロクニャMalaya Loknya西を攻めさせて、ロシア軍は別方面を攻撃しています。
ここを進撃されるとスジャСуджаへの補給路である幹線道路の38K-004が脅かされます。兵力不足のウクライナ軍は全部に対処することが出来ません。
このままロシア軍の進撃を許すとクルスク州のウクライナ軍は、全部補給不足に陥ります。幹線道路の38K-004はドローンの攻撃範囲に入っていますから、補給部隊にかなりの被害が出ているようです。クルスク州の占領地を維持するためにウクライナ軍が出している犠牲は大きなものがあります。そこまでしてクルスク州の占領地を維持する必要はないと思いますが、クルスク州侵攻作戦の成果とメリットを宣伝しまくってきたキエフ政府は、今更撤退することも出来ません。蟻地獄にはまった蟻と同じです。キエフ政府と参謀本部が、このような有様ですからウクライナ軍が勝てる道理がありません。

(2)クラホヴェ(Kurakhove)西方面
この戦場ではウクライナ軍も大きな損害を出していますが、攻めたロシア軍にもかなりの消耗が出ていると思います。クラホヴェ(Kurakhove)陥落後、一番動きが少ないのがこの戦場です。
しかし幹線道路N-15の北にあり多少は抵抗拠点になるかと思われていたアンドリイフカ(Andriivka)まで進撃して市街戦が始まっています。もう「市街地の半分くらいロシア軍が制圧しているようです。ここをロシア軍が制圧してしまうと南の幹線道路N-15沿いのウクライナ軍の拠点のウクラリー(Ulakly)とコンステイアンテイノビル(Kostyantynopil')が三方向から包囲されてしまいます。つまり、この辺りは守りようがなく守っても無駄です。拠点ごとに死守命令を出すから拠点ごとに各個撃破されて、その度に大きな損失を出しています。

大きく後方に後退して、後方のどこかに防衛ラインを建設して、そこで守るしかありません。拠点ごとに死守命令を出すから無意味にウクライナ軍が消耗していきます。ロシア軍にとってみれば、思う壺です。

(3)クルスク侵攻作戦で大きな兵力と武器を失ったウクライナ軍は、東部戦線では敗勢に近いような戦況が続いています。今はロシア軍が小休止に入っていますが、小休止が終わって再び攻勢が始まると、ポクロウシクPokrovskとデイミトロフМирноградを大きく包囲する攻撃が始まるでしょう。
コンスタンチノフカ(Костянтинівка)への攻撃も、やがて始まります。

早いうちに停戦交渉を始めて終戦にもっていかないと、ウクライナ領はロシア軍に削られるばかりです。ロシア兵をいくら殺そうと、それ以上にウクライナ兵が戦死しています。やがては、前線の崩壊が起きるでしょう。相当、ウクライナ軍の軍紀が乱れています。軍紀の乱れは士気の喪失になり、やがては兵士は戦わなくなります。その寸前にウクライナ軍があるように見えます。


※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


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