「北の山・じろう」日記

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南ドネツク方面のウクライナ軍が総崩れの様相<ウクライナ紛争2024/10/30

2025-01-10 23:16:56 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

航空万能論
2024.10.30
『ウクライナ軍はヴフレダル喪失の代償を支払う、南ドネツクの防衛ラインが崩壊』

https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-army-pays-price-for-loss-of-vhledal-southern-donetsk-defense-line-collapses/

(1)ポクロウシク方面のセリダブの市街地は、ロシア軍がほぼ制圧しました。
(2)マリンカ西のクラホベは、東西に長い市街地の東端までロシア軍が進撃したようです。

(3)南ドネツク方面です。
戦況略図の2枚目です。
ヴフレダルからルートT-0509沿いに(西に)プレステイフカ~ゾロア・ニヴァとロシア軍が制圧した拠点があります。
その北方向(5~7km位)に東から順にボホヤヴレンカ~ノボウクラインカ~シャフタールと3つのウクライナ軍の拠点があり、ヴフレダル陥落後、次のウクライナ軍の防衛拠点があると見られていました。

別々の三方向からロシア軍が一気に各拠点に迫ったのが数日前です。今日の報告では、全部ロシア軍が制圧しました。

ルートT-0509から拠点まで進撃した速度と各拠点をロシア軍が制圧した速度を考えると、事実上ウクライナ軍が、この方面の防衛を放棄した(止めた)ものと思われます。

もう南ドネツクの東半分位の地域に補給物資を送る(兵站)事が困難になったのが理由だと思います。
この方面の主要補給拠点は(2)のクラホベです。
クラホベは、既に1か月以上前からロシア軍の砲爆撃が行われており補給拠点としての機能を失っています。
ザポリージャ市方面から細々と補給路に使われていたのが、今回ロシア軍が制圧したシャフタールを経由するルートO-0510だろうと思います。
ここをロシア軍が制圧すると南ドネツク東部の補給は、ほぼ無理です。

無理やり補給しようとすれば、クラフベの西から幹線道路N-15を利用して出来なくもありませんが、相当迂回しますし途中に補給拠点がありません。新規に補給拠点を建設するなどは急場では間に合いません。
このためクラホベから南のヴフレダルに線を引いた東側のエリアへの補給は、非常に少ないか無いかどちらかだろうと思います。

このような南ドネツクの東側の補給が可能であったのは、ヴフレダル要塞の一帯でロシア軍の進出を阻止していたからです。ヴフレダル要塞が陥落したため、この付近の広範囲の補給路が失われました。
そしてヴフレダル要塞は、やや高地にあり高層建築物の高さと合わせると圧倒的な電波の有利を得るそうです。最大40km先まで電波が届くそうです。
つまり、砲撃管制とドローンの戦いでロシア軍は圧倒的な優位を得ました。(砲撃管制もドローンで行います)
これまでは、この優位がウクライナ軍にありロシア軍の進撃を阻止してきました。

これらを考え合わせるとロシア軍は、ゾロタ・ニヴァからシャフタールに進撃しました。現在そのすぐ北のヤスナ・ポリアナを攻撃中です。
ここに南北に枝道のC-050450が通っています。
これを北上する過程に集落は、ありません。
ほぼフリーパスで進撃できると思います。
その先に北側の幹線道路のN-15が東西に通っています。
クラホベのかなり西側です。
この交差路付近にあるコステイアンテイノビル、その直ぐ北のアンドリイフカなどの集落を制圧すると、ドネツク南部方面の東部は、完全に遮断されます。

その交差路までの距離の3分の1以上を、ロシア軍は急激に進撃しました。残りの3分の2程度の距離を進撃するのに、それほど時間はかからないと思います。

このような補給困難な事情によりロシア軍が進撃した3拠点のウクライナ軍は撤退したのであろうと思います。
弾薬や砲弾もそうですが、食料や燃料がなければ戦いようがありません。
このような状況が、南ドネツクの東部で広範囲に起きると思います。地図を見ると既に起きているでしょうね。

ウクライナ軍の事実上の撤退が、参謀本部の命令なのか現地部隊の判断なのかは不明です。

実際に戦況略図を見ると良く分かります。
南(地図下)の一番西(地図左)で突出したロシア軍が、黄色で示された幹線道路のN-20まで到達すると、その東側にいるウクライナ軍は、全部撤退するしかありません。
撤退しなければ大きく包囲されます。
包囲されてしまえば、日干しか全滅か降伏です。
三択のどれを選ぶかの問題です。

かなり広い地域をロシア軍が制圧する事になります。
南ドネツクの3分の2以上です。

馬鹿げたクルスク侵攻作戦の代償は、大きなものになります。既に大分、なっていますが。
結果として一段落すれば中部ドネツクと南部ドネツクをロシア軍が制圧する事になると思います。
これは、既に何回か書いた通りです。
それが現実に起きつつあります。

 

※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑦
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


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