航空万能論
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2024.10.24
『ロシア軍がセリダブの防衛ラインを突破、市内中心部に一気に進撃』
しばらくセリダブ市街地を三方向から包囲して動きのなかったロシア軍ですが、一気に南と東から市街地に迫り東から肉薄した部隊が、市街地の中央部付近まで進撃したようです。
ロシア軍が進撃準備を整えて進撃を開始すると、ウクライナ軍は防衛が難しいようです。
時間の問題だったというべきでしょう。
記事のコメント欄のハンドルネーム「拓也さん」のコメントに事情が書いてあります。
やはり補給路がロシア軍の射撃管制下におかれ補給が困難になったのであろうと思います。
戦況略図で見るとセリダブの補給路は二本の道路によります。市街北西方向からルートE-50から分かれて市内に入る道。
それとソロナ川の南側で西から市街に入る道です。
どちらもロシア軍の先端位置から数kmの距離にあります。大隊の持つ迫撃砲の射程範囲ですから補給は、ほぼ無理だと思います。
ここまでロシア軍が迫ると撤退すら犠牲が出るでしょう。
ロシア軍が急激に進撃したというより、補給を失い包囲の危険が生じたため現地の指揮官の判断で撤退を始めたのでは、ないかと思います。
上級司令部からの撤退命令を待てば、ほぼ撤退が不可能で大きな犠牲者を出します。
南ドネツクのブフレダルでも司令部の撤退命令は、ロシア軍の包囲後でした。投降したウクライナ兵もいたようですが、撤退した兵士は相当数が戦死したと思います。
アウデイーイウカの撤退も同じような状況でした。
死守命令を守った部隊は全滅までは行かないまでも(おそらく)半数かそれ以上の犠牲が出ていると思います。
現地指揮官に部下を死なせたくない気持ちがあれば自分の降格や左遷を覚悟して包囲される前に撤退命令を出すと思います。
そのような理由により包囲されるまえに撤退命令を出したとしても現地指揮官には何の罪もないと思います。
随分、あちこちの戦場で無茶な死守命令で多くのウクライナ将兵が戦死していると思います。
(2)南ドネツクでは、ブフレダル制圧後しばらくロシア軍は小休止していましたが、また進撃を始めました。
北側にあるウクライナ軍の拠点のブホヤブレンカが次の目標です。
7~8km位あると思うのですが、もう1km地点まで進撃しました。
何回も書きますが強力な防衛ラインや要塞の内側に入り込んでしまうと守る方は、守りようがありません。
加えて兵力が不足しているウクライナ軍は戦えるだけ戦って、あとは全滅する前に退却するしかありません。
もう、ポクロウシク~マリンカ戦線や南ドネツクの東側のウクライナ軍は、長く戦える条件を失っています。それが実際の戦況に表れています。
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「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑦
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