昨日から新しい男性職員が入った。
ササキさん。32歳。独身。
今日ササキさんは、私が担当する送迎に添乗した。
子ども達を学校に迎えに行く車の中で、
「ササキさんは、子どもは好きですか?」
と聞いてみた。
「ええ、好きですね」
とササキさん。
更にササキさんは続けてこう言った。
「たまに子どもが嫌いて人いますけど、自分だって昔は子どもだったのになんで嫌いなんだって思うんです」
…ん?
なんか微妙な論理。
ま、それよりも今から乗せるメンバーの中に、超ワガママなレナちゃんが居ることを教えておこう。
「今から乗るレナちゃんはすごくワガママな子で、結構大変かと思います。先日も私はレナちゃんを怒ってしまいました」
するとササキさんは言った。
「でも、そういう憎まれ役も必要ですよね」
は?
なんか微妙におかしい捉え方じゃないかい?
まあ気にしないでおく。
そして学校に到着し、案の定、早速レナちゃんのワガママが始まった。
今日の私の担当送迎は、後部座席に子どもを3人乗せて、助手席にササキさん。
後部座席に3人の時は、1番年下が真ん中に座ることになっていて、今回はレナちゃんが真ん中のはずだった。
しかし、真ん中は嫌だと言って、車に乗ろうとしなかった。
6年生のユウくんが呆れてため息をついていた。
「じゃあユウくん、今日は助手席に乗って。ササキさん、後ろの真ん中に座ってください」
と、席は予定変更にした。
私がそう言うと、ユウくんが前に来て、ササキさんが後ろの真ん中に座った。
するとレナちゃんはやっと車に乗ったのだが、今度はシートベルトをしようとしなかった。
「なんでシートベルトをしないの?」
と言うと、
「なんでもぉっ!」
とレナ。
「ササキさん、シートベルトしてやってください」
と言ったのだが、「ちゃんとシートベルトしようねぇ」と、ササキさん、ヘラヘラしながら言っている。
甘ーいっ!←私の心の叫び
「レナちゃん!シートベルトしないと発車できませーん!」
と私が怒ると、レナちゃんはササキさんの膝に乗ってササキさんに甘え始めた。
え?ササキさん、デレデレしてる?なんか顔が。
「ササキさん、走りますので強制的にシートベルトお願いします!」
もうこれ以上待てないので走り始めた。
運転してる時、後ろで5年生の女の子が「レナちゃん、シートベルトしてない」と教えてくれた。
なにぃ!?
何やってんだよササキ!←心の叫び
結局そのままウチの事業所に着いてしまった。
着いてからチョー甘々のササキさんにレナちゃんもミサコちゃんも他の子もベッタリだった。
ベタベタされて、目尻が下がりっぱなしのササキさん。
よろしいんじゃないですか?←私のややイヤミ混じりの冷めた心のささやき。
帰りの送迎も私の添乗のササキさん。
レナ含め数人を家に送り終わった後、事業所に戻りながら話をした。
「レナちゃんに叩かれたり蹴られたりしたら、遠慮なく注意してくださいね」
するとササキはこう言った。←もはや呼びすて
「いやできないですよ。子供ってハイテンションになればつい叩くでしょうから」
「まあそうかもしれませんが…」
~ここからまた心の叫び~
もっともらしいこと言ってんじゃなーい!注意ぐらいしろ!
キーッ!