副社長の知り合いということで、昨年の秋に正職員として入って来た男、ササキ。
今日帰りに、何かきっかけになって自分の好きなことや趣味の話をしてきたササキ。
声優に詳しいという話しと、音楽が好きでエレキギターの練習を一生懸命している話。はいはい。仕事も一生懸命しろ。
更には、
「俺、(有名バンド名)のギターの人の知り合いの知り合いが知り合いなんですよぉ」
と、得意気に話してきた。
ちょ、知り合いの知り合いが知り合いて、笑
めちゃ遠いだろ。何をえらそうに。
そもそもそのバンド、ワタシャ別に興味ないし、そんなハリキッて得意げに言われても。
一応、「へー、そーなんだー」と言いながら聞いてやったが、早くその話終われと思っていた。
それで私も言ってやった。
「ササキさん、私も知り合いに有名人居たよ。知り合いていうかいとこ」
「え?誰ですか?」
ササキ、どこか舐めたような聞き方。
「声優の○○○○」
昨年、若くして亡くなってしまったが、声優だったいとこの名前を教えた。
その瞬間、ササキが一瞬固まった。
そして、
「マジですか!?」
と我に返って驚いて聞いてきた。
「うん、マジだよ。いとこ」
「えええー!!」
声優大好きササキには、どうやら衝撃的だったようだ。ふふん。
優越感。
ササキ、目を丸くしてる。
ふふん。