美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

題材まとめ:文字とマークで伝えるデザイン 2021

2021-12-28 20:38:00 | 日記
停滞気味のブログですが、たまに題材についての記録を残しておこうと思う。
2021年 
今年度は1年生全6クラス担当。2年生は5クラス中、3クラス担当。3年生は久々にゼロ。
好きなように自分で考え、工夫しながら授業を作ることができるのは1年生のみ。

1年生では1学期、ポスターカラーを使うことを主にすべきと考えた題材で「文字とマークで伝えるデザイン」を開発。

ありきたりの題材かとは思いますが、
何のためにその題材?
何を学ばせたいか?
育てたい資質・能力は?
今学んでおいてほしい知識・技能は?
来年度、再来年度で、どんな表現技能ができるようになっていてほしいか?
と、考えていったところ、そんなに無理に斬新にしたり、こだわり過ぎない方が良いと判断。
1年生ですし、教科書も使えるなら使いたい。
色々考えてこの題材に取り組んでみました。






◼️改善点
発想段階で、ロゴマークとロゴタイプを完全に別に考えさせ、それぞれの持つ目的や性質を考えながらデザイン、制作させたかった教師側のねらいが、生徒に十分に伝わらず、マークもタイプもごっちゃごちゃなデザインが多々生まれそうになったこと。
→「マークとタイプのどちらから手をつけても良いよ」としたが、それでゴチャゴチャになった気がするので、別々に段階的に教えて、最終的には「どちらからデザインしてもいいよ」とすれば良かったのかな。

絵の具を使い始めると、余白を汚しまくってしまったこと。
→余白が汚れてしまった子には、きれいに切り抜かせて、別紙に貼らせた。しかし、切り抜き方が人それぞれ。最初から切り抜く前提で実践しても良いのかも。

次にまたやるとしたら、もうひと工夫が必要。
もっと軽く短時間で、小さく制作する感じでもいい題材かもしれません。

…夏休みに記し始めて、完結させるのを忘れていた記事でした。
2学期題材は、早めにまとめて記しておこうと思います。


2021/05/15

2021-05-22 13:44:00 | 日記
ゴールデンウィークも終わり、いよいよ学校業務も軌道に乗り始めてきた感があります。

今年度は3年生の授業から外れてしまったので、好きなように使っていた手狭の第2美術室は明け渡し、飾っていたものたちも第1美術室にお引越し。

せっかくだから、これまで主戦場じゃなかった感のある第1美術室を、少し環境整備し始めています。

校章を使って模様のようなものを簡単に作り、何でもかんでもそれを使って表示札をリニューアルしてみたり、水道下に長年放置されている段ボールを片付けたり、展示パネルでパーテーションを作って掲示物を貼ってみたり。
一人で使ってる教室ではないので、好き勝手にはできず、納得の状態にはできませんが、ちまちま整えていこうと思います。

さて、ここ数年校務分掌にある委員会で「コンピュータ委員長」なる役職を与えられています。
これまでは校内LANを整備したり、成績処理等のソフトを整備するのが役割だったのですが、昨年度末からGIGAスクール構想により、一気に大きな仕事が回ってきました。…大変。Chromebook、充電保管庫が納入され、全台充電は完了。
しかしログイン方法やら毎日の使い方、ルールなどなどがなかなか整わずほんとに大変…
職員の研修は7月に行われるので、本格運用は2学期からになりそうなので、それまでに色々進めておこうと毎日整備中です。
一番の問題は「生徒数」。
これ少人数だったら、とっくに運用できてるなーと日々感じます。
最大36台収容の保管庫ってのも大問題。それ以上の生徒数の学級が普通に複数ある学校なので、収容できないんですけど…。

とにかく自分でも授業で使いたいし、全国的には当たり前に毎日活用している話を見聞きするので、できるだけ早く使えるように先頭に立って進めちゃおうとは思ってます。
遅れていることを逆手にとって、他の方々の実践事例や、使用に関する問題点なども参考にさせていただきつつ頑張ろうと思います。








2021 1学期のスタート

2021-04-29 16:40:00 | 日記
新年度スタートです。

昨年度は休校、分散登校、時間制限などでまともに美術の授業はできていなかったので、久しぶりに4月からエンジン全開で仕事している感じがします。
…正直1年生担任、この1ヶ月は疲れました。

今年は3年ぶりに1年生の授業を担当することになりました。6クラス全部自分の計画・指導で担当するのは4年ぶりです。
中学に入学して最初に経験し味わう美術の授業を担当できることは責任を感じると同時に、やり甲斐を覚えます。
今年一年でどんな学びや成長を味わわせることができるか?
それ如何でこの後2年間…どころか下手をしたら今後の人生に与える影響が変わってくると思うのです。
大事ですね。1年生の授業は。

今年度、教科書が当市では初の光村図書のものに変わりました。
教科書に関しては人それぞれ思うところや考えが違います。
「使いやすい…使いづらい…」と、それぞれあって当たり前なので、あとはその学校、その生徒、その先生や環境によって「どう活用するか」が大事だと思います。
というわけで、僕は連日教科書の中身や指導書をじっくり見ながら年間計画指導計画を手直ししたり、活用や真似ができないかワークシートを見たり、DVDやホームページを見て参考資料を研究したり、掛図を広げて見て、美術室内の掲示物を張り替えたりしながら最初の1週間を過ごしました。
「自分独自」の授業の仕方や題材に固執し、凝り固まった授業にならぬよう気をつけねばなりませんね。
また、新学習指導要領の内容をしっかり把握し、GIGA構想によるタブレット端末の活用も視野に、年間指導計画も練り直してから提出。

教師も日々アップデートが必要です。
生徒の成長をサポートするだけではなく、僕自身も成長できるよう今年度も頑張ります。

…しかし、逆に3年生の授業から外れてしまったので、それは心残り…。
昨年度担当した3クラスの生徒には申し訳なく思います。
なんとか昨年度の経験や学びが今年の活動に生きることを願い、陰ながら見守っていきたいと思います。


卒業生への黒板アート2021

2021-03-11 20:10:00 | 日記


2年連続卒業生担任。
ゆえに今年も制作。
与えられたスペースは昨年より狭かったので、そこに合わせて描かせてもらいました。
今年はやっぱり煉獄さんでしょう!…と個人的には考えました。
黒板中央にはクラスの生徒の文化祭時のカラフルな笑顔溢れる集合写真、右には生徒の手による黒板(…の予定だったのですが、当日朝断念。急きょ私がささっと桜やらクラス表記をデザインして描きました💧)。
少しでも自分のクラスの生徒たちの卒業に花を添えることができたかな。
玄関前の看板も劣化してたので、技能主事さんにご協力いただきリニューアル。
今まで超シンプルな白地に黒の文字だけだったので、思い切って桜や校章を使ってデザインしてみました。
式終了後、たくさんの生徒、保護者の皆さんがここで記念写真を撮ってくれていたので、良かったなーと実感。

昨年に続き、今年も制限だらけの卒業式。
しかし感動的な良い式でした。
朝、クラスの男子生徒8名がお揃いのピンク色のマスクをしていたので、「いいねー!そういうの!」と言ったところ「先生もつけましょうよ!1枚ありますよ!」ということで、急きょ僕もピンクマスクで式へ。
ただピンクマスクを装着しただけで、大いに盛り上がってくれたクラスの子たちが可愛いかったなー。

昨年は
 式ができただけで良かった!
 やり切った!
 悲しくない!晴れ晴れとした気持ち。
という感覚で、爽やかな笑顔で学校を去っていく生徒が多かったのですが、今年は涙が多かったのが印象的。
やはりこの一年は特別だったのでしょう。
修学旅行、中学総体、合唱コンクールといった、生徒たちにとって大きな行事が軒並み中止になったことで、不完全燃焼だったかな…。
昨年できなかった卒業生を送る会は無事開催できたことは唯一救いだったかな?

さて、明日は県立高校の合格発表。
少しでも多くの子が桜を咲かせることができますように祈ってます。
卒業おめでとう!

今年度2020のまとめ①

2021-03-08 21:55:00 | 日記
またもや久々の投稿です。

年度末。
今年度は県の中学校美術展も市の小中美術展も中止になったので,授業の成果をお披露目できる機会がありません。
「何もできないかな…」「仕方ないかな…」と思っていましたが,授業が進み作品が仕上がってくると,やっぱりなんだか黙っていられなくなるものです。
2年生は「咲かせよう日本の花」,3年生は「これが私の歩く道」の題材。
ここ数年の自分の定番題材です。
少しずつアップデートをしながら作り上げてきた題材ですが,やはりまだまだ改善点は見つかるものです。

▪️2年生「咲かせよう日本の花」

【成果】
終盤に作ったパーツを組み立てるような工程が出てくる子がおり,「どうやって組み立てようか?」で悩み,無理矢理瞬間接着剤で組み立てようとし,汚くなる子が出てしまうのだが,今年はそれを見越して早くから指導し,計画的に制作させることができた。他にも,用意した材料をそのまま使うだけになりがちだった箇所も自分なりに工夫して,意図に応じた表現に活用させることができた。
【課題】
グループ活動をかなり制限したこともあり,構想をじっくり効果的に煮詰めることができなかった。また,この題材では初めてワークシートを用意して構想を練らせたのだが,評価のタイミングを上手く設定できず,イメージより遅く少ない評価となってしまい慌てた。評価をもう少し考えたワークシートにアップデートすべき。





▪️3年生「これが私の歩く道」

学年の共同学習室を借りてミニ作品展。面接練習の場所として使用されていたので,全面は使えなかったが,反面のみ使用。

作品数は少ない。時数不足でなかなか仕上がらず…。

作品カードも全員は間に合わなかった。
【成果】
この学校でも4年目の実践なので,狭い部屋の使い方や,材料の活用方法の指導,苦手な子や消極的な子など個に応じた指導は割とできていると思う。
【課題】
やはりグループ活動が制限され,構想を熟成させきれなかった。
構想完了から制作スタートの辺りに時間をかけさせ過ぎか。やはり作品完成までの時間がかかり過ぎる。中だるみさせてしまう感じ。
授業形態を変えたり,各工程を時間で区切って緊張感を与えたりしても良いと思った。
…しかしここまで時間が足りなくなったのは初めて。このままではヤバい!と気づくのが遅くなってしまったのが一番のミス。

さて、3年生の授業は先日終わってしまいました。
まともに3年間受け持つ感じにはならなかった学年なので、この子たちの授業の様子や作品の写真がそれほど充実しておらず、今年は振り返りのムービー作成は断念。
最後の授業は、3年間使ったクロッキー帳の最後のページを作成する内容をメインにしました。
次回はその内容を中心にまとめてアップしようと思います。