美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

変わる日常

2020-10-27 20:13:00 | 日記
全国一斉休校から7ヶ月。
弘前市は感染者ゼロを継続。
「いつか誰かは感染するだろう」とみんな思ってはいたのでしょうけど、どこか対岸の火事のような気の緩みがあったように思えます。
そんな中GoToトラベルなど人や経済を動かす流れが定着し始め、クラスター感染が突然やってきました。
県内でも既に春に危機対応を経験した市町村では、その対策も遠隔授業の準備もある程度整っていましたが、弘前市では未経験。
ディフェンスの弱いところに決定的なパス通されたみたいに崩れました…。
久々に校内研修の公開授業が当たっていました。職員の皆さんに美術の授業の面白さや有用性などを伝える授業にしたいと考え、少し意気込んで市のれんが倉庫美術館との連携を探ったり、それが時期早々で無理だったので、風神雷神図屏風の鑑賞の授業をアップデートして準備していました。
その授業の前日夕方に臨時休校のお知らせが届き、修復していたレプリカもお蔵入り。

「せっかく準備してきたんだから、指導主事来なくても校内だけで授業したら?」と言われても、不思議なもので一度気持ちが切れてしまってやる気も起こらず。
結果延期になったのですが、休校延長で今度こそ中止に。
…まぁ大人なので、これはしょうがないやと諦められるのですが、可哀想なのはやはり生徒たち。

合唱コンクールも練習が本格化してきたところでストップ、そして先日ついに中止が決定。

修学旅行がなくなり、中学総体が地区のみで終わり、文化祭は縮小、遂には合唱コンクールも中止。
この子たちはこの先大丈夫なんでしょうか?
せっかく練習しても、準備を頑張っても、楽しむ場も成果を発揮する場もなくなり、今は荒れることもふて腐れることもなく過ごしていますが、なんだか将来が心配になります。
将来何かこの影響が出るのではないでしょうか。悪い影響が少なければ良いのですが…。

さて、美術の授業もストップしております。
分散登校が始まり、ちょこちょこ美術の授業も入ってきましたが、登校を控えている生徒も多いので進めることは控えているため、作品制作はストップ。
今年度の作品展はなしになったので、急ぐ必要はないのですが、今後更なる休校もあり得るので、あまりゆっくりもしていられません。
…難しい1年になりました。

春までにまたこういうことが起こることを想定し、道具を共有しない、対話も必要ない、短時間でそれなりに学ぶことができる題材を考えておいた方が良いかもしれません。

美術館と連携した活動を視察

2020-08-08 13:32:00 | 日記
今日は弘前レンガ倉庫美術館で、弘前大学附属中学校さんの美術部の活動を視察させて頂きました。
自分でも美術館との連携は色々と考え、教育普及担当の方と話し合いを始めていたので、参考にさせていただきました。
附属中の美術部の皆さん、先生、お邪魔しました。ありがとうございました。

さて、今日の内容はワークショップ。
当美術館の「弘前エクスチェンジ」という企画の第一回参加アーティスト、潘逸舟(ハン・イシュ)さんがリモートで参加し、主旨やらこのワークショップに求める思いなどをお話しされて、その後もずっと観察・アドバイスしながら活動するものでした。
フェイスシールドを使って鬼のお面のようなものを作り、そこに色々なエピソードを付けたり、名前を付けたり。
会場の都合や、新しい生活様式の都合で、参加生徒は限定12名でしたが、楽しそうに活動していました。


フェイスシールドってのが今時で面白いですよね。
残念ながら最後の完成したところまでは見ることが出来ませんでしたが、完成してこれをかぶりながら、この鬼のエピソードを発表しているところは見たかったです。


今後、弘前でもこういった活動が試行錯誤しながら広がり、市民からも愛される、地域に根ざした素敵な美術館になってくれたら良いなと思いました。

今後は僕も美術教師としての立場から、当美術館と人を繋ぐ活動に関わっていこうと思います。


2020 1学期振り返り

2020-08-07 12:08:00 | 日記
リモート授業やら、新しい生活様式が学校現場でも進んだ世の中でしたが、弘前市ではコロナ発症者が一人も出ないまま、ゆるりと日常が戻り、気付けば授業時数も例年通りに近い十分な状態で8月1日に夏休みに入りました。

予想外の2年連続3年生担任でスタートした新年度でしたが、4月予定の修学旅行は9月に延期。しかし結局は先月中旬に中止が決定。
文化祭は予定通り9月初旬実施が決まり、規模縮小で準備スタート。
合唱コンクールも予定通り動き始める。
修学旅行中止に伴い、9月末に炊事遠足復活。
1年生の宿泊体験学習は中止。2年生の職場体験学習や1年生の郷土学習も中止なのでしょうか?これから決まるようです。
中学総体は地区大会のみ分散で実施。9月の新人戦は予定通り実施予定。県大会もあるのかな。

と、できたことやできなかったことを記してみると、比較的できたことが多い気がします。
修学旅行中止は大きい。中学総体の県大会、東北大会、全国大会の中止も大きい。
きっとどこもそうですが、中学・高校の3年生がかわいそうでならない。
しかしどうしようもない…。

個人的にできたこと、できなかったことも今後のためにまとめておく。
■できなかったこと
・今後も続くであろうコロナ対応の授業開発
・修学旅行での美術館訪問with生徒
・美術室環境づくり完了
・れんが倉庫美術館に仲間と集う

■できたこと
・美術室の環境づくり進行
・れんが倉庫美術館との繋がり
・今後の美術展の在り方をじっくり協議
・割と普通の授業…。

比較的普通にできてしまったことが多く、「今後もこれくらい簡易形式で実施できるのでは?」と話になった行事や授業計画も多かったです。改めて考えさせられることが色々ありました。
コロナが落ち着いたら、また元どおり同じ計画、同じ内容で教育活動が進むことはないように思えます。

美術展の在り方について随分と協議を進めることができたのは大きいです。
今年度は市の美術展も、県の美術展も開催を取りやめました。市の協議ではこの際と思い、言いたいことを遠慮なく言いまくってきましたが、ほぼ思っていた方向に話が進んでホッとしました。まだ決定ではありませんが、賞の在り方、審査会の在り方も変わりそう。
今後作品展ありきの大作作りの授業を取りやめる方が多くなることを願います。

2学期は8月24日から。
これも予定通り。
夏休みはたいしたこともできませんが、宿題のような自分の課題にしっかり取り組み、どんな状況にも対応していけるような自分になっておこうと思います。

…しかし、自分の娘には昨年と同じ風景画の宿題が出た模様。自分で景色見つけて四つ切り画用紙に好きな絵具で絵を描いて完成させておくのだそうな。何のための宿題なんだろう?もう意味不明。娘の学校は美術の授業そんなにやってないし、夏休みも短いのに!!
今年はどう争っていくべきか娘と検討中…もういい加減にして欲しい。腹が立ちます。

弘前れんが倉庫美術館初訪問

2020-06-27 22:10:00 | 日記
お久しぶり!に、感動。わんちゃんはピカピカになってエントランスで出迎えてくれます。
お誘いいただき「弘前れんが倉庫美術館」に行ってきました。
じっくり鑑賞したり、学芸員の方々からお話を聞かせていただいたり、今後の美術館と学校との連携について語らう場を与えていただきました。
これから良い関係を築いて行けたらと思います。
早く県外の皆さんともツアーしたいですね!
7月11日(土)グランドオープンです。

パンフレットで見たような光景。

AtoZメモリアルドッグ。エントランスで出迎えてくれます。土台も新たにこのために酒樽から作ったそうです。

開館記念展。本来展示予定だったのに、コロナの影響でできない作品もあるのだそうです。

これら全てリモートで作家さんの指示を聞きながら展示したそうです。こういった裏話も楽しかったです。

ライブラリーの椅子。深澤直人さんデザインのヒロシマチェア。

案内されて扉が開いてビックリ!エレベーターの床までれんがです。

美術館のトイレ見るの好きです。ここもれんがでした!

こういうのかっこいいですね!デザインが素敵です。


たまには研修でアップデートを

2020-06-24 19:31:00 | 日記
4月、久しぶりに県の学校教育センターの講座に申し込みをしました。
長いこと自主的に研修講座に参加してなかったので、たまに勉強せねばなと思い立った訳です。
本日研修して来ました。
「芸術系教科の資質・能力を育む授業づくり講座」。
新しいことを学ぶ機会ではなく、これからの授業計画を整理する良い機会となりました。

たまには思い切って現場を離れ、日常と違う場所で自分や自分の取組を見直してみることは大事だと思います。
「休めない…。」「授業や学級に穴を開けられない…。」という声も身近なところでたまに耳にしますが、果たして本当にそう?
生徒に学びを提供する身として、教師も時々アップデートしなきゃ駄目だと思います

✳︎どっかで見たことある人の実践資料も配布されてました。

メモ帳を開いて研修スタート。
色んなお話を聞いたり、自分の模擬授業を考えているだけで、ふと今後の授業アイディアや改善箇所が浮かぶのでメモメモ。
うん。有意義でした。

今年度は東北造形研in岩手がなくなってしまったので、大きな刺激を受ける場がひとつ減ってしまいました。
県や市の作品展もまず無理でしょう。
他のちょっとした機会を大切に、小規模でも自分をアップデートし続けることができる自分でありたいと思います。