美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

コロナ禍の中の1学期 2020

2020-06-21 18:26:00 | 日記
コロナ禍の中、春は予定していた日常を失いましたが、徐々にそれが戻ってきました。
授業は通常通り。グループ活動は5分程度で終える。時には換気を。
コロナ患者が市内に出なかったことや、行事を削ったことなどにより、授業時数もそこそこ。作品制作は年間計画よりやや遅れ気味程度で進んでいます。

他の市町村、都道府県の先生方の様子を伺うに、リモートなどで沢山の工夫をされながら、新しい題材、新しい授業実践の仕方を作り出している様子。
…なんだか自分は代わり映えのなさに少し嫌気が差したりもします。
いずれ弘前市にもコロナ禍は来るだろうと考えたので、広がる前に少しでも予定していたことを進めねば!と急いだ結果、特に新しい工夫はせずに急ぎ足で昨年度同様な授業を進め、…結果影響少なく今に至るためです。
また、久しぶりにひと学年を2人の美術教師で分けて授業担当することになったので、好き勝手にはできず気を遣いますね。当該学年が昨年度担当してない生徒たちということもあり。

そんなこんなでまた例年通り「生徒会テーマを自分なりに解釈して絵に表す」題材を進行中。
後に文化祭のポスター原画になります。
…少しマンネリ化してきました。

今年新たに参考資料に取り入れたのは、「ポスターカラーで簡単に描けるスタジオジブリ調の空」。YouTubeで見つけて、真似して描いてみたものを示し、真似したければ描き方教えるよー。って教卓に置いておく。
理由は、
・生徒たちの図案に空が多かったこと
・ポスターカラーセットを全生徒が所持していること

タイムラプスで撮影。求められれば過程も見せることができます。





ちょっとコテコテし過ぎましたが、青と白だけ10分程度でこれだけになればお手頃です。空を描く予定の子たちは興味をもってくれたようです。

「そういえば美術の先生なんだなーって思いました。」とか翌日の日記に書かれる。
…なるほど。最近はこういうドヤって見せることしてなかったなー。




卒業生への黒板アート2020

2020-03-14 10:47:00 | 日記
2020年3月13日(金)、卒業式でした。
新型コロナウィルスによる休校の影響により、参加生徒は卒業生と送辞の生徒と新生徒会生のみ。保護者は全員参加。
そんな状況ですが、式歌も披露することができ、余計な長さを感じないスッキリとした、でも達成感が残る良い式でした。生徒のみんなも先生方も晴々とした良い表情。とっても良かったです。
4月で46歳になりますが、こんな歳でも学級担任を任せてくれた方々、ありがとうございました。
生徒の皆さん、毎日頼りにしてくれてありがとう。
毎日慕ってくれてありがとう。
3年間美術の授業ではどんな題材にも一生懸命取り組んでくれてありがとう。たくさんの表現から感動や刺激をもらいました。
学級活動も道徳の授業も学校行事も、いつも豊かな発想で楽しませてくれてありがとう。

そんな皆さんへ、感謝・お礼の意味を込めて贈りました。
絵が得意な子、好きな子が多く、生徒間や生徒と教師間で絵をリクエストして描いてもらいプレゼントする文化が根づいていたクラス。
であれば最後もこれに限りますね。
それなりに喜んでくれた様子です。

あと何回卒業生を担任することができるか?
年齢的にも今年が最後かもしれないので、今できる最大限の力で描いてみました。

全体像。左の半紙は6クラス全担任で、休校中に仲良く美術室で墨や絵具で思い思いに書いたメッセージ。

今回はこの炭治郎の顔中心に精度重視で制作。人気アニメですから、似てるからどうかで評価が分かれそうだったので…。

なんだか流行りに乗っかってる感はありますが、ここは抗わず鬼滅の刃で攻めた方が生徒も喜ぶだろう!と信じました。
これまで卒業式の日に描いたものは3回目。一番上手くできたかな。自己満足。

卒業生のみんな、いい顔で学校を去って行きましたね。本当に本当に卒業おめでとう!
これまで3年間ありがとう!

スキマ題材2020

2020-03-01 08:46:00 | 日記
3年生で実践。
後期から作り続けてきた卒業制作的な作品を制作し終えた生徒へ提案したスキマ題材の第2弾。
「こんなところに一中生」

こちらは参考作品。「綱渡りしている一中生と失敗して落ちそうになってる一中生」。

田中達也さんの作品をいくつか写真で見せた後に、コップのフチ子さん的なイメージで良いことをこれまた写真を見せながら伝え、既に作って設置しておいた参考作品(上記)を見せてから取り組んでもらう。

粘土は卒業制作的題材で余った粘土。
クオリティーにばらつきが出ないようにと、使用する粘土もこちらで用意して、それだけを使ってもらう。

生徒作第一号。
天井に糸で吊り下げてます。
生徒作第二弾。
黒板上に寝転がってます。

生徒作第三弾。
スピーカーの上で組体操してます。

と、こんな感じに増殖中。

あえて黒粘土で個性が出過ぎないように。
統一感が出た方が面白い雰囲気になるはずと思い、服装は白T・学校指定のジャージズボンに統一。

もう少し増殖するかな?と思っていたのですが、これより前に提案していたスキマ題材第1弾
の「デザインあ」の「みんなのあ」に挑戦していた生徒もいましたし、何より受験勉強していた生徒が多かったのは事実です。…そして臨時休校による授業打ち止めで制作も終了。
ですが、一般教室を使用している第2美術室が少しユニークな空間になったかな?と思います。

青森県中学校選抜美術展日記2020

2020-01-14 20:31:00 | 日記





第33回青森県中学校選抜美術展。
2020年1月10日〜12日の会期で青森県立美術館で開催されました。

一昨年この在り方について、賞のことを中心に大改革を提案したものの、あと一歩詰めが甘く、却下される苦い思い出があります。
この時は新学習指導要領をある程度でも理解した上で授業改善の必要性を感じている先生方が、思っていた以上に少なかったことが要因だったと思います。
しかし、今年は夏に県内で東北造形研が開催されました。ここには県内から研修に参加された方々も多かったので、さすがに「これはどうなの?」と気づく人が増えたのでしょう。
今年になりようやく新しい風が吹き込んできた感があります。
美術展の前日は、展示中、最終打ち合わせ、夜の懇親会でも「授業時間で何を学ばせた作品なのか?それがわかる作品を出すべき、そんな作品展にすべき。」「審査会をどうするか?賞もどうするか?」の声が大きく大きく広がった1日となりました。

おそらく来年度は何かを変えられそうです。
これまで騒いできたこと、夏の東北造形研八戸で問題提起したりしてもらったりしてきたことが実り始めた手応えを感じています。
出来ることから少しずつ変えていく、声を上げていくことの意味を実感。
ただ愚痴ってるだけじゃ駄目です。

来年度に向けて、今回気づいたことや上がった声を記録しておかねば。
気持ちが冷めて忘れてしまう前にパソコンに向かってみると、提案したい賞や審査の仕組みまでポンポンと浮かんできたので、これは手順を間違わないように、しっかり来年度に繋げます。間違って埋もれちゃったり、潰されないように気をつけて。

さて、今年度の自分の展示に関わるひと手間はこれ。

立体作品には色々解説やら、作者の言葉が増えてきましたが、平面作品ってなかなか少ないんですよ。でも何描いてるんだかわからない作品ってたくさんあるんです。
だからこれ。
平面作品の紙のサイズは、授業時間数に応じて小さくしたので、下には作者の言葉、横には題材説明。これ地区のみんなに広げたいです。
色々付けずとも、ひと手間で済みますから。
因みに前のブログ記事でも書いてますね…。

というわけで、今日は冬休み最終日。
明日から3学期で、3学年担任としては締めくくりの大事な2ヶ月となります。
美術の授業はもちろん、学級・学年の経営もしっかりやり切ろうと思います。

2学期の振り返り 2019

2020-01-01 23:02:00 | 日記
今年度もようやく長い2学期終了です。
お疲れ様でした。
久々の受験生担任の業務で、楽しみつつも仕事量の多さと、ミスができないプレッシャーで胃が若干痛みがちな12月でした。

さて、今学期の美術の授業を振り返り、まとめておきます。

学校事情…とでも言いますか、頼まれて実践し続けている「文化祭ポスター原画制作」ですが、昨年の作品展で気づいた反省を生かし、今年は完成後の台紙への貼り方を工夫しました。

題材の解説箇所ですが、A3のコピー用紙に収めたかったので、やや窮屈になってしまいました。が、これで作品展の平面作品にも一人一人の生徒の言葉・解説、題材の説明を加えることができました。青森県内の美術展に出品する平面作品の完成形かなと思います。

他は主に昨年同様の立体作品制作。
2年生の「咲かせよう日本の花」は、やや時間不足になってしまいました。昨年同様なのでこれは反省です。10時間題材ですが、発想・構想に時間をかけ過ぎてる点と、完成度の高さにこだわってしまう良くない傾向のせい。
今後またやる場合は、この2点に気をつけて計画せねば。
3年生は卒業制作と位置付けての「これが私の進む道」。こちらは順調に進んでいるかと思います。
この3年生は3年間育ててきた生徒たち。この題材に取り組んでもらう前提でこれまで計画的に育ててきたつもりなので、完成が楽しみです。

もちろん作品展には全てお披露目できないので、何らかの機会で大事にお披露目できる機会を作りたいと思います。

さて、2020年です。
今年はどんな1年にできるでしょうか。
ひとまず今の生徒たちに有意義な授業を提供できるよう、教師も勉強したり考えたりしながら工夫し続けて頑張っていこうと思います。
今年もよろしくお願いします。