美術の先生は考える

中学美術の授業の実践を中心に、美術について考えたイロイロを紹介できればと思います。

グルーガンの使用を考える

2014-12-15 00:24:13 | 日記

グルーガン。

美術の先生なら誰もが知っているだろうし、いくらかは作品制作に生かしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

一時期流行った『スイーツデコ』っていうのかな?あれに使いやすいというので出回るようになり、スティックの色も増えました。

近年は100均にも売られていますし、使いやすい便利な接着剤の一種ですね。

 

私もかなり以前から私的に使用し、授業でも部分的に使用させてさせていましたが、今年はもうちょっと思い切って作品制作に積極的に活用させてみました。

色の種類を増やして、それに伴いガンも増やし。そうなると電源確保及び専用の作業スペースも必要となるため工夫して確保し。

 

で、3年生の彫刻作品に使用することを許可しました。

『許可』『解禁』というのが自分の授業の場合しっくりくるかなと。これまでもケースバイケースで使用はさせてきましたがほぼ透明のみでしたし、ここまで大々的に使わせるのは今年が初めてなので。

 

これまではグルーガンって…

『楽しいだろうけど、そればっかりになるのでは?』

『楽しいからって、使わなくていい部分にまで使う子が増えるのでは?』

という思いから、使用を制限していました。

そして一番危惧していたのが

『作品がおもちゃっぽくなるんじゃないか?』という心配。

 

でも…これって勝手に僕自身が決めつけてるだけだよな…。

やらせてみなきゃわからない。

美術ってそういうもので、挑戦して、工夫して、失敗したなら失敗してそこから考えて…美術じゃなくてもそうだ。

そういう姿勢は生きる上で大切にしたい、させたい姿勢です。

うん、美術の勉強してるのにそこのクリエイティブな興味を、こちらのはっきりとした根拠がない心配で削いでしまっては違うなと思うようになったんですね。

 

生徒たちは以前から興味を持って使いたがっている様子…

そこで解禁となったわけです。

実際にグルーガンで作品を制作している作家は存在します。美術大学の学生さんが使っているのも何かで見たことがある。 

そういう方々にはかなわないだろうけど、なかなか面白い表現方法が日々生み出されています。”楽しみながら”。

仕上がりはオモチャっぽくなるかもしれないし、やりすぎちゃうかもしれないし、他校の美術教師の皆さんからどう思われるかわからないです。

でもいいんです。

「やりたいことをどんどん、とことん、表現しまくってくれ!」

今はそう話し、グルーガンに凝っている生徒にもどんどん凝らせています。

3年生の最後の作品制作です。これまで身に着けた技能や感覚をフル動員し、美術表現の楽しさを存分に味わってほしいと思う。

 

 さて、

作品展の審査会が近づき「放課後美術」をしてから帰路につく生徒が増えました。

最近はテストの直前を除いては、放課後毎日欠かさず数名~10数名の生徒たちが熱心に制作しています。

「無理してこんなに毎日頑張らなくていいんだよ。」などと声をかければ、「楽しいので大丈夫です!」と答えてくれたりする生徒もいます。

よって、”やらされている感”は全然ないです。私の都合で美術室前に『本日定休日』の看板を出す日があれば、「明日はやっていいですか?」と聞いてくるし。…ここ3週は土曜日も数名来て制作しているし。

ほんと感心してしまいます。

楽しみながら、趣味のように毎日制作に向かい、美術を愛好する。

そんな生徒がいる場所で美術教師として働くことができるのは、とっても幸せなことだなと実感する毎日です。

 

よし明日は月曜日。今週も頑張ろう!

自分にできる支援や助言、協力はどんどんしてあげようと思う。