雲上快晴

プーさん爺じが、何の変哲もない日々を綴る

シロの思い出

2014年09月08日 | 徒然
 シロは、息子のために宇都宮動物園からもらってきた犬だったのです。

 息子は小さい時から動物を怖がっていて、ウサギを触ることもできない子だったので、自分の家で動物を飼えば「動物恐怖症」が治るかと思って、娘が小学校に上がったころに犬をもらってきたのですが、息子は触れなかったのです。

 その犬(チェン)が、阪神淡路大震災の日にいなくなってしまって、その次に「クロスケ」という犬を飼ったのですが、この犬も触れなかったので、息子が小6か中1になった時に「クロスケ」に加えて赤ちゃん犬をもらってきたのが「シロ」だったのです。

 さすがに息子も成長していて、やっと触れるようになった犬でした。

 その頃は、近くの田んぼまでリードに繋いで散歩に連れて行って、田んぼの中を流れる小川の所でリードを外して遊ばしていました。

 成犬になっていた「クロスケ」は、小川を飛び越えて向こう岸に行ってしまう、その「クロスケ」の真似をして付いて行った「シロ」は、ものの見事に川に落っこちて流されてしまいました。

 息子がすぐに川に飛び込んで「シロ」を助け上げました。

 それからは、息子が「シロ」の親代わり、外で飼っている犬なのに自分の部屋に入れ込んで、いつも一緒に寝ていました。

 大学に入ってからも、就職してからも、家に帰ってくる理由は、親である私たちに会うことではなく「シロ」に会うためでした。

 今回も仕事の都合をつけて、「シロ」の葬儀に駆けつけてきたのです。


 もう一度だけでいいから、あの小川の縁を「シロ」と散歩してみたいですね。