女装子愛好クラブ

女装小説、女装ビデオ、女装動画、女装記事などを紹介していきます。

小さな一歩。その勇気をほめたい。

2020年11月11日 | 私的東京女装史
たまにお会いすMちゃんは美人女装子さん。
しかし残念なことに室内女装だけ。

「部屋の外に出たことないの?」
「うん」
「外を歩きたいと思ったこと、ない?」
「ないんです」
まあ、人が嫌だということを無理矢理やらせるのは私の趣味ではない。

いつも彼女とデートする場所は品川の巨大ホテル。
ある日、約束した時間に彼女の指定した部屋を訪ねるといつも通りの美人の彼女がいる。
「あの、飲み物、買うの忘れちゃった..」
「じゃ、自販機で買ってこようか?」
「うん、私も一緒に行く」
といって大きなマスクをつけだした。
その姿を見て、ピンとくる。
彼女、女装外出にチャレンジしようとしているんだと。
一人では怖いから、エスコートを私に依頼してきたということ。

ドアを開ける。
廊下に人は歩いていない。
彼女は私の後を慎重についてくる。
初めて、女装して室外を歩く彼女の心のなかはどのようなものか。

巨大ホテルだから自販機コーナーまで行くのは結構な距離がある。
静かな廊下を緊張感バリバリで歩く彼女。
小さな一歩だが、これは彼女にとっては女装外出という大きな一歩となったはず。

やっと自販機コーナーにたどりつく。
ややほっとする彼女。
廊下の角を曲がろうとすると、向こうからやってきた男女のカップルと鉢合わせ。
あちらさんもなにか「忍ぶ風情」がある。
OLと上司の不倫とみたが当たっているか。

相手も女装子と男性のカップルを見て驚いたようだが、彼女も驚く。

このささやかな女装外出は人と会わないことが前提だったが、それが不倫カップルとの遭遇で崩れてしまった。
「はやく、戻りましょう...」
小さな声で囁く彼女。
やや早足になって部屋に向かうしかなかった。

その後、彼女が女装外出をしているかどうか、私は知ることがない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする