女装子愛好クラブ

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「消えた性の違和感」~2001年に朝日新聞に掲載された記事が出てきました

2023年02月19日 | ★女装の本・雑誌
おはようございます。
いつもより暖かい日曜日の朝ですね。
昨日はお鍋でしたが、少し焼酎を飲みすぎました。
(浦和が負けたからヤケ酒でしたが...)

さて、ハードディスクを整理していたら、2001年の朝日新聞埼玉版の記事がでてきました・
このケイさん、『くぃーん』や『インナーTV』にも登場していました。
そのケイさんが新聞に取り上げられるんだと思い、切り抜いておいて、OCRしたものです。

「消えた性の違和感」  (2001.1.9 朝日)
 一九九三年一月。所沢市の一級建築士ケイ(三六)は東京都内の病院を訪ねた。女性ホルモンが注射針を通して腕から体内に入ってくるのがわかった。これで何かか変わる。そんな期待と安とで胸がいっぱいだった。
食べ物や色の好みがだんだん変わった。濃い味から薄味、見た目の鮮やかな食べ物にひかれるようになった。体臭も男臭くない。注射が効く体質と言われた。副作用の体の火照りや吐き気に悩まされた。途中でやめると効果がない。十日にー回の注射を三年間続けた。

 性同一性障害。生まれながらの性に違和感を待ち、別の性になることを望む症状だ。同性愛や服装倒錯症とは区別される。性に違和感を持つ人は五万人に一人といわれる。毛呂山町の埼玉医大はー九九八年十月、学内の手続きを踏んだ上で国内初の性転換手術を実施し、昨年までに八回の手術例がある。

 ケイは小学校高学年のころ、スカートに興味を持った。手芸も好きだった。男らしくしろ。外で元気よく遊べ。責任感をより強く持て。先生や両親は口癖のように言う。周りから与えられる男らしさのイメージに違和感
を感じるようになった。いたずらすると男の先生に殴られた。この先生は女子児童には手を出さない。男だからか。外見も女になれば、男のように暴力を受けず、自分が暴力を振るうこともない。女になりたいと願う自分。「変態か、オカマか」と悩みながら、変身願望は持ち続けた。

 「秋の穏やかな日差しを浴びながら、のんびりと広くて青い海を眺めていたいな、なんて思ってます」
 アマチュア女装交際誌「QUEEN」の文通コーナー。九二年、ケイは仲間を求めて紹介文を掲載した。きれいに女装した写真が効果的だったのか、手紙が数通きた。 その中に川崎市の会社員(三八)の手紙があった。手紙はニ週間にー回ほどの割合でまめに送られてくる。ケイはそれに押し切られて会うことにした。

 ケイがコウを恋人と意識し始めたのは出会ってからニ年後。千葉のペンションに初めてニ人で泊まったときた。一緒だと互いに安心できることがわかってきた。ケイとコウは95年6月、結婚を誓う。もちろん、法律上は結婚できないし、子供も産めない。結婚式はテレビ番組の企画のーつとして挙げ、タレントたちが見守った。東京・市谷の結婚式場でタキシードとウエディングドレス姿の写真を撮った。

「男のくせに。恥すかしいったらありやしない」
 母(70)は女になったケイに厳しい。テレビ出演がきっかけで大けんかした。ケイは一人っ子で孫の顔を見るのを楽しみにしていた母は裏切られた思いだった。せめて名前や性は変えないでほしいと母は訴えた。それがケイに性転換手術を思いとどまらせている。同じように反対した父は三年前に七十一歳で病死した。高校の美術講師。株や競馬にはまり、それがもとでケイとつかみ合いのけんかをしたこともある。ケイは自分の中にある凶暴さに驚き、「キレる」子供たちの気持ちがわかった。男のままでいるのがさらに怖くなった。

 ケイは八七年に東京の美大を卒業後、住宅販売会社、設計事務所、専門学校講師、建築確認申請書の代行手続き業、ガーデニング会社のアルバイトと職を転々とする。九七年末にはガーデニング会社のイベント案内係に、初めて女性アルバイトとして採用された。定職はいまもない。

 先月十五日、川崎市に鉄骨造三階建ての新築住宅が完成した。ケイが設計したコウの家で、将来はここで住みたい。でも、ケイは年老いて病気がちの母を放ってはおけない。就職活動のかたわら、母の食事を毎日作る。

 コウは女装趣味があるだけで、ホルモン注射や性転換手術までは望んでいない。女装趣味は家族にも知られてはいないし、ケイとの関係も隠している。何も知らずに女性との結婚を迫る親に、いつかは事情を打ち明ける時がくると感じている。ケイはその言葉を信じて、コウの家族に紹介される日を心待ちにしている。
=文中仮名、敬称略


この記事から22年経ちました。
ケイさん、いまはどうされているのでしょうか。
コメント (2)
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