女装子愛好クラブ

女装小説、女装ビデオ、女装動画、女装記事などを紹介していきます。

『セーラー服下着調べ』①

2024年10月22日 | 女装小説
絶版になっていた館淳一先生の『セーラー服下着調べ』を入手しました。
このなかには中学生・春樹クンが女装して女子高校生になり、姉の母校・白萩女学園に入っていくシーンがあります。
両性具有的な美少年・春樹を館先生は丁寧に描いています。
春樹クンの部分をご紹介してまいります。

 春樹は、姉のミドリとは一つ違いの十三歳。今は近所の区立中学に通っている中学二年生だ。
 彼の悩みは、自分が体格といい筋肉のつきかたといい、いつまでたっても男らしくならず、なよなよと女っぽいことだった。目がパッチリして頬も唇もふくよかで、それこそ「紅顔の美少年」といった感じなので、小さいときから「お人形みたい」と少女たちに人気はあったのだが、本人はそんな自分が好きではなかった。やはり逞しい男らしさに憧れていたのだ。
 一番問題だったのは、中一になった春、胸が女の子のようにふくらんできたことだ。
 男の子の場合、声変わり、陰部発毛、精通などの第二次性徴が始まる時期に、男性ホルモンの分泌が増える。それに刺激される形で女性ホルモンの分泌量も増えるため、三人に一人ぐらいのわりで乳腺がふくらむ。
 たいていの場合、乳首を中心とした直径ニセンチ程度の範囲がポツッとふくらむだけで、本人もまわりも気がつかないうちに消滅してしまうのがふつうだ。ところが、まれに「女性化乳房」といって、思春期の少女のように、もっと広い範囲で胸がふくらんでくるケースがある。内分泌系統の異常が原因のものもあるが、ほとんどが自然に消滅するものだ。春樹の場合もそれだった。
 医者も「発育過程でのホルモンバランスが狂っただけだから心配ない」と言ってくれたのだが、身体検査のときに目ざとくそれを見つけたクラスの悪童たちが、春樹のことを「オカマ」とか「おっぱい坊や」などとあだ名をつけて、ことあるごとに嘲笑した。それが感受性の強い少年の心をいたく傷つけて、間もなく胸はもとどおりになったのに、登校を拒否するようになった。
 なんとか二年には進学させてもらったものの、悪いことに一年のときの悪ガキのリーダーがまた同じクラスだった。彼は、先天的に少女っぽい外見の春樹をからかいつづけた。そのせいで、春樹は二年になってから数日しか登校していない。
出所 『セーラー服下着調べ』 館淳一著  マドンナ社 1991年刊
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする