ミクロもマクロも

心理カウンセラーが気ままに書き続ける当たり前

靖国神社・明治神宮・日本神話伝承館

2005-08-15 23:39:00 | Weblog
地下鉄を降りて地上に。その途中にいた大勢の機動隊の人達にビックリ。機動
隊員を間近にしたのは初めてだったのでね。それにしても多かったわ。

この10日ほど前から、行こうかなあって、思っていた靖国神社。
戦後60年。これは「本卦帰り」にあたる年。人でいうなら60才還暦、新たな
スタートの年。
私達の父は、シベリアに抑留されたまま戦病死。遺髪1本帰ってこなかった。
父は私を見ることもなく、敬虔なクリスチャンとして神の元へ。そして、英霊と
して靖国神社に祀られているのよ。
けれど、正直言って実感は何もない、父という存在とその死。

かまびすしい靖国論。宗教・国際問題からめて政治問題へ。
大鳥居を前に、思わずコウベを垂れたわ。その向こうにある武士らしき姿の大き
な立像は誰かしら?と思いつつ。
ものすごい人の波。行く人帰る人。老若男女、外国人。軍服をまとった人。右翼
の制服の若者。20万人参加を提唱の団体。他にも色々と。12時黙祷。

様々な人たちのスピーチがあり、「海行かば」の合唱。もう、涙が止まらない。
「〇〇聖人」と言われていたらしい敬虔なクリスチャンだった父が、どのような
思いで戦地へ赴き、極寒のシベリアの地で、何を神に祈ったのか、等などを思って。
  
 海ゆかば水漬く屍、山ゆかば草むす屍、
      おおきみの辺にこそ死め、かえりみはせり  作・・・大伴家持

今、静かに歌われていると言うこの歌。戦場に赴く武人の決意を歌った長歌に曲
をつけた昭和12年に発表。 しみじみと胸に迫る歌詞・メロディは、涙を誘う。

大灯篭の台座に腰を下ろし、弾くはサンシン。かって蛇皮線と言われた沖縄の三
味線で、軍歌を弾きまくる男性は、昭和7年生まれ。去年から、3日に1度はこ
の靖国で、沖縄で、多くの地で命を落とした人々、への鎮魂のサンシン弾きとの
由。リズムよく弾かれる曲に、「花」や「東京音頭」もまじえながら。見事なバ
チさばきに、しばし耳を傾けた。

英霊は、皆祀られていると聞いていたので、父のことを調べてもらう事に。
なるべく詳しく書いて、と巫女さんに言われるけれど、これは当たり前の父の名
前、ただシベリアという地名、死去年月日しか知らない私は、縁薄き親子だった
と改めて思われた今日だったわ。靖国に祀られているかどうか、書面で知らせて
くれるそうなので、待ちましょう。

神道の社に祀られて不愉快? いいえ、ありがたいと思ってるわ。
『右の頬を打たれれば、左の頬も差し出せ』や、『上着を取られれば、追
って下着も与えよ』と、キリストは説く。その教義に深く感じ入った父であった
はずだから、『愛』を知るクリスチャンは、怒ろう筈もないことでしょう。

サンシン弾きの男性の隣りにかけて聞き惚れていた男性は、東京にあるお墓参り
の度に靖国神社に奥さんと見える茨城県にお住まいの方。お正月はもちろん、お
盆のお参りの帰りの2日前にも訪れていらしたそう。

その彼の奥さんは、フィリピン女性。日本に住んで、もう30年以上になると言
う彼女と、フィリピンはスペイン語を話す人もいることを思い出して、それで話
し掛ければ、それで戻ってきて、にわかスペイン語交換。もちろん彼女は、私達と
変わらない日本語をお遣いだから、私へのサービス。
まさか靖国神社でスペイン語を遣うなんて、想像外の事だったわ。

フィリピンも哀しい国。国民が、英語もスペイン語も話せるって事は、侵略され
た証ですもの。今では、他のアジアの国々人々の英語のお勉強、留学先に、フィリ
ピンを選ぶ人達が多いそうよ。わざわざイギリス・アメリカまで行かなくて済むっ
て。兎角アングロサクソン優勢って思いがちな日本人から比べたら、目的が明確、
実践的な選択だわね。

そこに、日本に帰化して、当然日本人名を持つ元・ベトナム男性。せっせせっせと、
そのあたりのゴミを片付けていられる。
日本の神様は、清めた所におわしますのよ、こんな汚くしてたら、神様は居場所
がないわね。恥ずかしいわって。

電車の中の光景。
隣りの女の子は、ゴム草履の足を組んで、靴底が反対側に坐る乗客の足に触りそ
うなのに、無頓着、お化粧に余念がない。
私のおなかの中では
「いくらで寝るの?」
もう、腹立たしい。食後、平気でその場所で口紅を引く大人達が大人達だから、も
う何をか言わんやの、女全員娼婦時代の今だから、見ざる、言わざる、ジッと我慢。

真正面の女の子は、ジーパンだけど、大きく脚を開いて靴を半分脱いで、足先を
ハの字の逆にして、だらしなく坐っている。
斜め前に立っている女の子は、コミックの登場人物か?コスプレって言うの?
可愛い可愛い格好よ。2段ヒラヒラ短い白のスカートに、うっすらピンクがかった
白いブーツ姿。少し異様な雰囲気。ようするにオタクといわれる人なのかしら?

そんな子達に混じって、かなりの大人達は文庫本片手に読書に余念がない。
時々乗る電車でよく見た光景。いい大人が漫画本に夢中。けれども今日は目にし
なかったわね、ホッよ。日本のコミック(漫画)は、もう世界を席巻しているの
は事実だけど、公衆の中で、それを広げる事に抵抗がない、その感覚が情けなか
ったので、その光景がなかったことは嬉しかったわね。

思い切って出てきたついでに、「日本神話館」なる所へ足を伸ばそうと。
明治神宮側だった、ただそれだけのうろ覚えで、千代田線の神宮前で下車。駅員に
聞けば、明治神宮で聞いてみたら?
そこで聞けば、交番で聞いて下さい。そして、交番。とうとう出版社へ電話。やっ
とタクシーへ乗って、そのビルへ。そしてその名は「日本神話伝承館」。
出雲井晶(いずもい あき)日本画家、作家、古事記研究者が主宰するそこは、彼
女の筆による、一連の古事記に由来する大きな絵、およそ40枚が掲げられ、無人
の部屋に、その解説のテープがまわる。彼女の「日本の神様のおはなし」なる絵本
を、子供達へ読みきかせをしていた関係で、一度お目にかかっている。70代の彼
女は、精力的に日本中をめぐり、今、精神の支柱を失った日本人へ、これからの日
本を支える子供達へ、古事記を噛み砕いてお話をしていらっしゃる女性。

明治神宮の森の中の出入りは、多くの外国人。ここは、お正月の初詣客が、群を抜
いて多い所。時間がなかったので、神宮橋を渡って、案内所の係りの人とチラッと
お話しただけで辞去よ。
その係りの人のお話では、外国人には巨大木造建物が興味深いらしいって。

原宿、表参道、あのあたりの若者達の多さに、これまたビックリ。
最早、こちらは立派なオノボリサン。ファッション、女性雑誌のグラビアの風景が
そこにある。
代々木は外人が多い事は知っていたけれど、きょうも大勢の外国人達が、駅へ向か
う。あるビルから出てきた彼らは、日本語学校の帰りだったわ。
本当に、日本にも外国人が増えて、良し悪し、好き嫌いでは論ずる事がナンセンス。
これからは彼らとの交流は避けられなくなるのでしょうね。

靖国神社の建物も、圧巻だったわ。こんもりとした森の中にある建物は、それぞれ
に、歴史を物語っている風で、思い切って訪ねて本当に良かったって思ったわね。
そうそう、サムライらしき立像は「大村益次郎」。維新の時に踊り出て来た人物よ。

石原慎太郎都知事も、つのだじろう も、他にもね。けれども彼らの演説も歌も聞
きそびれてしまったわ。だからって、すごく残念という事もなかったのよ。
1神教ではない、ほとんどが無宗教という国民が住む日本という国だから、靖国神
社も明治神宮もあり、各町々にお寺があり、教会がある。今やモスクもあるこの国。
1神教の人々は、血みどろの戦いが好き。(としか思えない)愛という名のもとに
平然と行われる殺戮が。

なぜか、この日は例年暑い。
他者への礼儀でもある、少し改まった服装で訪れて、色々な考えもあるでしょうけ
れど、日本人なら誰もが1度は訪れて見てもいいと思ったわ。コンクリートが我が
物顔をして、今やこの国土を覆いそうな勢いの、あじもそっけもない現代の建物。
そんな中にドーンといる、長い時間を経てきた木造建造物は、誇るべき存在。
一見の価値はあるって思った、靖国神社でした。ここでも多くの外国人がいたわ。
彼らの考えを聞いてみればよかったわ、靖国神社の存在についてね。

サンシン弾きの男性は、アルジャジーラ(中東のマスコミ)の記者から靖国神社は
どういうものだ?って質問を受けた事がおありなのですって。それへの返答が
「あなた方が、モスクを大事にする、それと同じですよ」
って。これ以上でも、これ以下でもないわね。
外国人に対して、スラーッとこういう風に言える人が何人いるかしら?
生まれて初めての靖国詣で、で経験した事は、色々な意味で貴重だったわね。
来て良かった、そんな暑い1日でした。
誰と行ったかって? 父の御霊に会うためと、大人ですから一人でよ。

ついに旗揚げ

2005-08-15 00:07:42 | Weblog
 セニョール・ダンは、始発で広島行き。
4時半に駅まで車でお見送りよ。日の出がかなり遅くなってきて、この時間、
外はまだ暗い。けれどもこの横浜のはずれの町は、どこもかしこも煌々と電
灯が灯っていたのには、少し驚いたわね。
2酸化炭素削減だって? 地球の資源には限りがあるって?ウソでしょう。
どうしてここまで明るくしてなきゃいけないのかしら?って、しみじみ思っ
たものよ。もう、無駄遣いの何者でもないでしょう。今、かなりのお家で、
動くものに反応して、明かるくなる防犯灯。そういうものに替えたらいいん
じゃないの?そんな所につけっぱなしになっている電灯が一杯よ。
いやー、本当に今朝は驚いたわね。

帰ってきて、さっさとマリリンとお散歩。今朝は、彼女は違う道へ私をいざなう。
何か考える?感じる?何かがあるのでしょうねえ。それが、おかしな事に、いつ
も土曜日か日曜日って、決まっているのよ。彼女の気の向くまま、短足の向くま
まのお散歩も済んで、私は朝食。

そして、そして、セニョール・ダンのいないことをもっけの幸いとばかりに、本
日の家事は、最小限に済ませ、昨日、メキシコ版ドラマのビデオ3巻目を借りて
きたのを、観出して。けれど、相変わらずほとんどわからないセリフ。
次?その後は1日中、本に淫して。
♪めでに~ちがた~な、ゆんで~に~た~ず~な~♪
じゃない、めで(右手)にマリリン(犬)、ゆんで(左手)にジョディ(猫)で、
薄縁(うすべり)を敷いて、今日ばかりはエアコンつけて、腹這って「新・平家
物語」に夢中。
昨日作った「かき揚げ」の残りを乗せた天ぷらうどんで昼食。大汗かいて、続き
続きで、また本へ。やめられない所なのよ。
いよいよ、以仁(もちひと)王という、天皇でも上皇でも法皇でもない一皇族
が発した令旨(りょうじ)を受けた源氏が、頼朝が旗揚げするシーンにかかった
のですもの。
アッチチ、アッチチで高熱でのた打ち回って死んでしまう清盛のシーンにはまだ
だけどね。苦節20年。配所から世に踊り出た頼朝、のちに尼将軍と呼ばれた、
北条政子のお腹には、鎌倉幕府の2代目?(このお子は流れちゃったけれど)。
そんな佳境に入った7巻目よ。
そのうち木曾義仲の従弟も登場してくるし、共に戦うんだって、義仲の愛妾(あ
いしょう)巴も。そうそう、義経の愛妾は、静だったわね。

学生時代は、日本史が嫌いだったのに、
この本で、やっと私も日本人になったような気がした本なのよ。今は亡き母に
「新・平家物語」くらい読まないでどうするの?って、ずっとずっと言われ続けた
本よ。ええ、30年前に初めて読んだわ。ウチの宇宙人が言うんだけど、
「いいねえ、いっつも新鮮な感動が得られて」
そうなのよ。だから、何回も読んでみるのよ。その都度感動よ。でも、彼が言う
のは、「なんも覚えちゃないんでしょう」の裏返しなのよ。我が次男坊は、そん
な甘くはないってね。

昭和が生んだ偉大な作家・吉川英治。いやあいやあ読ます読ますです。
ちなみに、白旗を掲げるって、降参の印でしょう?源平合戦で言えば、平家が赤。
源氏が白だったのよ。そのままできたら、もしかしたら、負けは赤になっていた
かも知れないわね日本では。