日々の生活から

毎日の生活で感じたこと・考えたこと

お坊さんはなぜ夜お寺を抜け出すのか?/虚空山彼岸寺著/現代書館

2024-09-25 22:05:24 | 
COTEN RADIOを聞いていると、仏教は哲学だと言う。とても頭の良い人が、とても考え抜いたロジックで、人が生きる苦しみから解放される考え方が示されているとのこと。

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ひとつの考え方として、仏教には「命の事実」とでも言うべき理論が描かれていると見るのはどうだろう。経典には、ブッダが瞑想を通じて徹底的に自己と世界を掘り下げた結果えられたありのままの事実について、人間がりかいできるようにさまざまな表現で語られている。正しい選択肢を教えてくれるのではなく、正しい選択肢を選べるような判断力を身に付ける術をそこから読み取ることができる。というよりは、心身ともに自己と世界に対する洞察力を高めることによって、結果としてさまざまな判断力も身につくようになるといったほうがよいだろうか。だからこそ、仏教に関する知識だけでなく瞑想の方法などもともに発達してきた歴史がある。

近年、宗教が関係した事件が時々起こる。私も普段、宗教的な活動はしていないが、人が生きる時、自分の考えだけでは足りないことがある。身近な人の死、自分の大病、理不尽な事故、事件、災害。そうした時に、宗教は人を支えてくれる。
田中慶子さんのVoicyで対談で出ていた松本紹圭さんに興味を持った。毎日の生活が仏堂であり、掃除は修行であるという。生活が修行であり、自分を高め整える、というお坊さんの生活が素敵だと覆う。
私は毎日を丁寧に生きたい。食器を片づける時は、取り出しやすいような位置に置く。
その松本さんを含む4人のお坊さんが書いたのが本書。葬式仏教と言われる現代にあって、お寺やお坊さんがどう仏道と向き合いながら、社会に影響を与えるのか。頼れる仏教が、そばに居てくれる。そうした活動をしている人達がいる。頼もしい。