とんげらけ(8)

2015-04-02 21:04:45 | 童話
タヌキ、キツネ、ウサギ、リス、イノシシそして、鳥たちは、今年も雪の積もった中でエサを探します。

小さなリスとウサギは、雪の上をピョンピョンピョン。

タヌキとキツネとイノシシは、重いので、雪の中に足がズボッズボッズボッと入って、うまく歩けません。

冬の間は食べ物が少ないので、みんなで仲良く分けて、少しずつ食べています。

『早く暖かくならないかなぁ。』
『そうだね、暖かくなったら、お腹いっぱい、おいしい物を食べたいね。』
『そうだね、いっぱい、いっぱい食べようね。』

こうして、今年も暖かい春がくるのを、みんなで楽しみに待っているのです。

また春がきて、雪が溶けて暖かくなったので、クマは冬眠から目をさまして来て
『やあ、みんな、とんげらけ。ずっと長いあいだ冬眠していたので腹ペコだよ。』
と言ってエサを探して歩いて行きました。

おしまい