一年だけの友達(1)

2015-04-03 21:25:33 | 童話
私はこの家の玄関の横に生えている小さな草で、小さなお花をたくさん咲かせます。

だけれど、お花の本には私の名前は載っていません。

この家の女の子は私を大切にしてくれて、毎朝、学校へ行く時に
『小さなお花さん、おはよう。行ってきます。』
と言ってくれます。

そして、学校から帰ってくると
『小さなお花さん、ただいま。今お水をあげるからね。』
とお話しをして、お水をかけてくれます。

小さな草の私も夜になると眠るので、夢をみることがあります。