一年だけの友達(5)

2015-04-07 21:22:58 | 童話
そして夏が過ぎて、私のたくさんの花は種となって風に乗って遠くに飛んで行きました。

私は1年で枯れてしまう一年草なので、秋には枯れてしまうことを女の子に話しました。

『今まで大切にしてくれて、ありがとう。
私はたくさんの種を残したので、私と同じ小さな草が生えてきたら、私と同じように大切にしてね。
そして、散歩やサイクリングに連れて行ってね。』

『ええ、わかったわ。今まで楽しくしてくれて、ありがとう。』

『今日は、あなたが学校から帰ってきた時には、もう枯れて生きていないと思うの。
私の種をお願いね、さようなら。』

『わかったわ、さようなら。』