僕の電車のお客さん(2)

2016-05-06 21:27:34 | 童話
そして、蒸気機関車は「次の駅」に着きました。
お父さんとお母さんはこの駅で降ります。
『はい、ありがとうございました。切符はこの箱に入れてください。』

僕とシロが運転する蒸気機関車はもっと遠くの駅へ走って行きました。
『シュッ、シュッ、シュッ、シュッ。』
『ポッポ~ッ。』
『シュッシュッ、ポッポ、シュッシュッ、ポッポ。シュッシュッ、ポッポ。ポッポ~ッ。』

僕が起きると、お母さんが
『よく昼寝したわね。あら、お顔が黒くなっているわね。あらっ、シロの毛も黒く汚れているわね。どうしたのかしら?』
『蒸気機関車を運転してトンネルの中を走ったからだよ。』
『ええっ。』

次の土曜日に、僕はお父さんからトロッコ電車の旅行パンフレットを見せてもらった。
お母さんが
『あらっ、素敵ね、ここへ行きたいわね。』
と言ったので、次の日曜日に僕がトロッコ電車を運転して、お父さんとお母さんを乗せてあげることにした。