北極のペンギン(7)

2016-05-29 10:06:15 | 童話
どんどん泳いで行くと、海の水は急に冷たくなって遠くに氷が見え始めました。

「あっ、北極はもうすぐだ。」

小さな氷の間を泳いで行くと、氷が大きくなってきました。

シロクマさんはどこかなあ?
あそこのアザラシさんに聞いてみよう。

「ねぇアザラシさん、シロクマさんはいないの?」
「今、お昼ご飯を食べに出掛けているので、もう少しすると帰って来るよ。」
「それでは、この大きな氷の上で待っているね。」
「そうだね。」

「あっ、シロクマさんが帰って来た。」
「やぁ、ペンギンさん、会うのは初めてだね。遠い南極から泳いで来たの?」
「そうだよ。北極は遠いね。それから、シロクマさんは大きいね。」
「そうだね、この北極では一番大きいよ。」

「ねえ、シロクマさん、北極の氷が溶けて北極が小さくなっているって本当なの?」
「ああ、小さくなっているのであまり遠くへ行けなくなってしまったよ。」
「大変だね。」
「そうだよ。」

「どうやれば北極の氷が溶けるのを少なくすることができるのかね?」
「人間がたくさんの石油を燃やして電気を作っているんだけれど、それを少なくして、石油を燃やした時に出る炭酸ガスを少なくするといいんだよ。」

「そうだね、遠くへ行くときは、僕のように泳いだり、シロクマさんのように歩いて行けばいいんだよね。」