僕達の小さくて大きな森(5)

2019-10-10 06:33:28 | 童話
そして、僕達が3度目の植木探検をしようとしたが、植木の盆栽が無くなっていたので、おじいちゃんに聞いてみた。
『ねぇ、おじいちゃん。おじいちゃんが大切にしていた盆栽が無くなっているけれど、どうしたの?』
『そうなんじゃ。大事にしていたが古い木なので痛んできて、薬をやっていたが、枯れてしまったので燃やしてしまたんじゃ。残念だった。』
僕は友達と森の中の動物と若い木がどうなったのか心配になった。

『ねぇ、みんなどうしているのかなぁ。』
『森の中の動物達が引越しの準備をしていたので、今は新しい森で、みんな仲良くしていると思うよ。』
『そうしているといいんだけどね。』
『きっとそうだよ。』
『みんなに会えた小さくて大きな森は無くなったけれど、新しい森の場所を教えてくれる約束をしたので、きっと約束を守ってくれると思うよ。』

僕達はおじいちゃんが大事にしている盆栽がたくさん置かれている所で、エンピツを持って、小さくて大きな森を毎日探した。
『たくさんの動物達がきっと約束を守ってくれるよね。』
『そうだね、きっと約束を守ってくれるよね。』

おじいちゃんの大切な盆栽という植木が枯れてからずいぶん日にちが過ぎたが、僕達の小さくて大きな森で会った動物達からの連絡はまだ無い。
そして、僕も友達も動物達のことを忘れてしまっていた。