運転手さんはヒーロー(2)

2016-02-18 21:05:16 | 童話
船の運転手さんはね、えっ、船は船長さんて言うの。

小さい船は船長さん一人で運転できるけれど、外国へ行くような大きい船は、エンジンを動かす人や、進む方角を決める人や、遠くの場所とお話しをする人や、乗っている人の食事を作る人や、多くの人が一緒になって船を動かしているんだね。

それでは、船長さん以外の人も全員がヒーローだね。

消防自動車の運転手さんは、すごいよね。
火事で燃えている所へ行って、みんなで火事を消すんだね。
熱いから大変だと思うんだ。

そうか、消防自動車は、運転手さん以外もみんなで火事を消すから、みんながヒーローだね。

運転手さんはヒーロー(1)

2016-02-17 21:43:40 | 童話
僕は、運転手さんはヒーローだと思う。
電車の運転手さん、船の運転手さん、消防自動車の運転手さん、救急車の運転手さん、バスの運転手さん、トラックの運転手さん、いっぱい運転手さんがいるんだね。

電車の運転手さんはね、僕の友達は新幹線の運転手さんがカッコいいと言っている。
スピードが速いし、あんなにいっぱいくっつけた新幹線を一人で運転しているから、カッコいいよね。

だけれど、僕の田舎では一両で走っているんだよ。
田舎ではお年寄りが多いから、運転手さんはお年寄りが電車から降りる時に、荷物を持ってあげたり、手を引いてあげたりするんだよ。
僕はこの運転手さんもカッコいいと思う。
みんなのヒーローだと思う。

山の上のロックの永~い旅(9)

2016-02-16 21:22:15 | 童話
段々川が広くなって、魚も多くなってきた。
人間が川下りする船とも出会った。

『僕はロック、君達は?』
『ぼくは鯉。』
『わたしはアユ。』
『ぼくはイワナで、あそこにウナギも居るよ。』
『ロックは何処へ行くの。』
『海へ行くんだよ。』
『海はまだ遠いよ。』
『この川を転がって行くと海へ行けるよね。』
『うん、海の少し前まで行った事があるけれど、遠いよ。』
『ありがとう、頑張って行ってくるからね。』
そして、何年か転がって海の入口にやって来た。『水が少し塩辛くなったね。』

遠くに大きな船が見えてきた。
『海だ、海だ、海に着いたのだ。』

僕の上を大きな波がザブン、ザブン。
『ここは、波でユラユラと楽しいな。』
『やぁ、僕たちよりも前に来た石達もみんな丸くなっているね。』
『お父さん、お母さん、僕は海に着いたよ。お姉ちゃん、弟、海で待っているからね。気を付けて来るんだよ。』

何年もかかったけれど楽しい旅だったと、僕は思った。

        おしまい

山の上のロックの永~い旅(8)

2016-02-15 21:04:03 | 童話
何年か経った時に台風が来た。
山にたくさんの雨が降り、小川の水量が増えて、僕はまた動き出した。

そして、もっと広い川まで滑って来た時、急に水の流れが激しくなってきた。
あっちこっちぶつけながらすこしずつ進んだ。

その時、前の方の川岸や木が見えなくなり、空が見えてきて、急に体がふぁっと浮かんだ。
次の一瞬、下へ下へと体が落ちて行った。

それは、お父さんやお母さんから聞いていた滝だ。
初めて見たし、初めて下へ落ちて行った。

ドボーン、ドスン。

僕は滝壺に落ちてお尻をぶつけた。
その衝撃で体が半分くらいになってしまい、滝壺から飛び出した。
そして、僕の体の仲間がたくさんできたのだ。

『みんな大丈夫かい?』
『大丈夫だよ。』
『大丈夫。』
『元気だよ。』
『一緒に居るよ。』
『僕も元気だよ。』
『良かった、良かった。みんな無事でよかった。』
『この滝壺から出るのに何年かかるかわからないけれど、みんなで海に向かっていこうね。』

今度は広い川の中なので、僕は転がりだして、大きな岩にぶつかった。

『痛いっ。岩にぶつかったので、頭とお尻の角が取れちゃった。』

僕は次々と岩にぶつかりながら転がって行った。
『あれっ、あっちこっちの角が取れちゃったので、段々丸くなってきた。』

そして、取れた角の小石も川の中でコロコロと転がっていた。
『お~い、みんな大丈夫かい?』
『大丈夫だよ。一緒に転がっているからね。』
『だけど、君達の方が小さいから転がるのが速いね。』

山の上のロックの永~い旅(7)

2016-02-14 09:58:06 | 童話
『あっ、小鳥が来た。』
すぐ近くでウグイスが鳴き始めた。

『僕の名前はロック、いい声だね。』
『褒めてくれてありがとう。』
『いつも、こんなにいい声で鳴いているの。』
『違うよ、お嫁さんを探す時だけこうして鳴くんだよ。』
『今、君は鳴いているからお嫁さんはまだなんだね。』
『うん、まだ鳴き方が上手くないから仕方ないんだ。』
『僕は上手いと思うけれどね。』
『みんな、もっと上手いよ。』

『頑張ってね。そしてお嫁さんが見つかったら教えてよ。』
『少し時間がかかるよ。』
『暫くここに居るからいいよ。』

『素敵なお嫁さんが見つかるといいね。』
『もっともっと頑張るよ。』
『応援してるからね。お嫁さんが見つかったらプレゼントは何がいい?』
『そうだね、玄関に飾る花輪の飾りがいいかなぁ。』
『いいよ、僕は作れないけれど、リス君に作って貰おう。』
『リス君は手が器用だから、きっと素晴らしい花飾りができると思うね。』
『うん、楽しみにしているね。』