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講座やセミナーを組み立てること その3

2018-11-10 13:46:13 | 考える

その1で、「ドメイン」「マーケティング」「オペレーション」それぞれにポイントがあるとしましたが、今回は「マーケティング」について考えてみます。

書籍やWeb媒体などによる情報発信や、各種媒体により名前が売れるなど、自ら「情報や特技」について広く周知することによって、独自事業でも、依頼されても、2で取り上げた「ドメイン」が明らかなものとなり、マーケティングにも有利になり…ということではなく…、講師として情報提供した時に、その講座やセミナーに参加した方に満足を得てもらえるか…というサービス・マーケティングについて。

依頼された講座やセミナーの場合お客様は、依頼主なのでその関係も大切ですが、サービスを提供する相手の満足が、依頼主の満足につながるという考え方が大切だと思います。

さて、参加した方の満足を得るために、「みだしなみ」と「時間管理」という常識だけど大きく価値を左右することについて考えてみたいと思います。

① みだしなみ
「清潔感のある服装」という大前提に加え、参加してくださる方に話す内容を信頼して頂く服装・みだしなみが大切です。

職業生活の最初の頃にインストラクター研修を受講した時、講師をする時には、スーツを着ること、ブラウスを着ること、ボータイのブラウスでないときは、スカーフを巻くこと、あるいは、女性用のネクタイを着用することがきちんと見える身だしなみだと教えられました。
男性並みの服装という意味もあったのかもしれません。

だからという訳ではなく、私は必ず上下同じ生地のスーツを着ます。ファッションも進化し、女性のワークスタイルも多様になりました。けれども、見せたい自分を演出するために、多彩な服を着こなすのは私には負担です。自分のセンスがないことが分かる程度の感性は持ち合わせています…

自分の服装のセンスがないことは置いといて、服装について考えてみたいと思います。

ひとつは、話す内容に合っているかということです。
ライフスタイルを語る人が、リクルートスーツでは違和感があります。
料理人などの清潔でなければならない業種の人の爪が伸びていたら、ネイルが派手だったら、内容に信頼できないと考える人も多いのではないでしょうか。

もうひとつは、参加される方との関係です。
余暇時間に関することであれば、「楽しさ」や「安らぎ」など、テーマに沿った自分を演出することで、参加される方の満足を得られるかもしれません。
一方仕事に関することであれば、「知識の提供」が求められます。事例発表で自分の業務の話のみをするといった場合は、話す内容に合わせればよいのですが、テーマに沿った講演などであれば、きちんとした服装だと参加される方に感じてもらうことが大切です。
スティーブ・ジョブズならジーンズでも大丈夫かもしれませんが、多くの組織で喜ばれない服装を避けることで、印象を悪くしないことも心得ておきたいことです。

更に、今の自分を見せることも大切ですが、今後の仕事の展開をどのように描くか、ということも、考えておきたいことです。

② 時間管理
中小企業診断士の講座の講師をしている時にほめてもらったことがあります、内容をではなく5分か10分前に終わるのが良いと言われました。質問時間を残して時間前に終了し、質問が無ければそれで終わりということをほめて頂きました。皮肉なのかなと一瞬思いましたが、誠実な方が、「時間が決まっているのだから、その時間内にきちんと終わってほしい」と話してくださいました。

時間が長引いてしまうことは、依頼された講座であれば関係者すべてに迷惑をかけることになります。独自事業で予定の時間に終わらないことは、自分への負荷をかけること、それは頑張れば良いのかもしれないけど、他の仕事への影響が無いとは言い切れません。
自分が伝えたいことだけが参加される方にとって欲しい情報ではないこと、自分が用意したものを話し切ることではなく、講座構成の中での役割を認識して行動することが、最終的には参加されることの満足につながることを考えていかなければなりません。
(こんなこと書いていますが、時間が超過することも無いわけでもなく…反省しています)

サービス・マーケティングでは、サービスの提供側と受け手側の関係をどのように結ぶのかによって品質が決まってきます。
人と人の問題なので、個人的な好みや、相性に左右されます。見た目が〇割などとも。

だから、目指したいのは、「あなたのことは好きじゃないけど(と思われてもいいけど…もちろん、好きの方がいいけれど)、あなたの言っていることは納得できる」ということ。

つづく

・・・・・

写真は、はるな愛さん。今日参加したイベントで、すごいなあと。
イベントの目的に合ったテーマで、解りやすく、そして自らの立場をはっきり示し、それを生かすことの大切さを話されました。
みごとでした。


講座やセミナーを組み立てること その2

2018-11-10 00:56:53 | 考える

その1で、「ドメイン」「マーケティング」「オペレーション」それぞれにポイントがあるとしましたが、今回は「ドメイン」について考えてみます。

「ドメイン」とは、顧客層、顧客ニーズ、独自技術の組み合わせで事業領域を明らかにすることですが、これを講座やセミナーを組み立てることで考えていきたいと思います。

講座やセミナーでは、顧客層「このような方に」、顧客ニーズ「こんな情報や体験を欲しがっている」、独自技術「私の持っている特技や情報を提供する」のですが、この事業領域が大きければ、マーケティングとオペレーションに力点をおいて独自事業として伸ばせるものだと思います。

農業者の方に体験教室をお勧めする場合がありますが、その根拠は、この事業領域を大きく持てるかどうか見極めがついた時です。
食への関心を持つ方々は多く、多様なニーズがあり、そのニーズに対応できる経験や見識がある…。

さて、
このような独自事業や、あるいは「企画提案」などといった場合は、マーケティングとオペレーションに力点を置けば良いのですが、講座やセミナーの講師を依頼された場合、「参加される方」、「参加される方のニーズ」が読み切れない場合や、「期待されている情報や特技」とのギャップがある場合も。

「参加される方」や「参加される方のニーズ」については、
① 募集前に依頼されている場合が多いため、募集後の参加される方の状況などを知っておく。
② 依頼主が実施した過去の講座のコンセプト、内容等可能な限り把握し、自分以外に講師がいる場合は、その方々の過去の実績や考え方の基本などを知っておき、自分の立ち位置をはっきりさせる。
③ 過去の経験があれば、参加される方と参加される方のニーズの振れ幅の大きさを想定しておく。
など、いくつかの方法があります。

「期待されている情報や特技」とのギャップがある場合は、
① 自分の持っているものと、期待されているもののギャップを埋めるため、自分の持っている情報や特技の棚卸をする。そして、関連付けて体系化する、さらに合致する原理原則(フレームワークと呼ばれるものなど)を活用し組み立て直す。
② 依頼されたタイトルで、依頼者は何を成果にしたいかをきちんとヒアリングする。それでも、伝えられることと自分の持っている情報や特技にギャップが大きいと感じたらタイトルの変更を申し出る。
③ ギャップが埋められないときは、断る。
など、「自分には何ができて、何ができないのか」をきちんと伝えていくことが大切です。

「チャンスを生かしたい」と思う人がいます。
過大な要求にこたえることによって成長する方もいます。
でも…人に何かを伝えることは、自分の自己実現の欲求のためにすることではありません。

ただ、一方で、自分自身の能力を限定して考えてしまう人もいます。
「期待されている情報や特技」を期待されたのは、自分が見えていない能力を他の人が評価したからかもしれません。
最初からバリアを張り、自分の殻を割ることを恐れてはいけません。

つづく

・・・・・

写真は、東海道線で、横浜方面を見たときに見えた重たい雲を写したものです。
晴れた空だけを見たら、遠くの重い雲に気付かないかもしれません。
想定したように、戸塚を越えたあたりから、灰色の空、多摩川を越えたあたりから雨脚が激しくなり、荒川を越えると空が明るくなりました。
道のりの先のヒントに気付くと、これからのことが考えやすくなります。