今はお取り寄せで各地から様々な食品を手に入れる事が出来る。
昔は勿論違う。
だからこそ地域差があった。これがスタンダードだと思っていたのが実は超ローカル、そんな経験を長じてするのであるな。
よく言われるのがうどんだ。
西日本の人間にとってはうどん出汁は半透明の澄んだもの。
それが上京して初めて富士そばへ入った時の驚きと恐怖、何だこれは!!真っ黒のイカ墨出汁か??うどんが黒く見えるぞ!!
強烈な異文化体験をまさか立ち食いでするとは思わないからねえ。
関東と関西のウナギの捌き方の相違ってのもあるがウナギなんて食べないから単なるうんちくショーのたわ言だ。
やっぱり庶民は麺類だよ。
本来地域性が出るのは粉もんなんだ。
何故そうなるのかというと小麦は各地で作られる。その小麦を粉にする専門の店が各地にはあった。
それが製粉所だ。小さな店が殆どで近所の人が小麦を持ち込む。製粉した1割か2割をその店が手間賃としてもらいそれを他へ売る。
そんな地域経済が成り立っていたんだねえ。
勿論今はほぼ無くなった商売であるよ。
この製粉所が大きくなったのが各地の製麺所となる。
九州ならはがくれ、五木、そしてマルタイ、マルタイは九州最大のメーカーである。
関西ではやはり徳島製粉で、有名な商品は金ちゃんヌードルだ。
カップヌードルと違いプラスチック製の容器が何となく怪しかった。
味はオーソドックスな醤油で関西のみならず中国地方にも広く出回っていたのである。