※日経・読売の6/24の参院選世論調査は、選択肢の中から無所属や諸派の候補者名を省いたものだった。
=ねつ造記事に等しいのでは!!
日経・読売 捏造記事で世論誘導?
選挙情勢調査で無所属候補ら省いて質問
2016年7月 4日 09:00
日経、読売両紙が参院選の情勢分析のため実施した世論調査で、一部候補者の名前を省いて投票先を聞き出していたことが分かった。
事前の見立てで不必要と判断した候補者の名前を外したものとみられる。
調査に参加した複数の関係者によれば、両紙から調査業務を委託された日経のグループ企業「日経リサーチ」が、コールセンターを持つ別の会社に実務を再委託。実務を受け持った会社の電話調査では、立候補者を列挙して投票先を答えてもらう際に、選択肢の中から無所属や諸派の候補者名を省略していた。
既成政党の候補者の中から投票先を選ぶよう仕向けた形で、主要候補のポイントが上がるよう調査方法をねじ曲げて数字を操作した疑いがある。
新聞社側の指示で行われたものなら、両紙の記事は信頼度ゼロ。捏造や世論誘導さえ疑われる事態だ。
委託された情勢調査を再委託
6月24日に両紙の朝刊トップで報じられたのは、22日に公示された参院選の序盤情勢で、自公が改選過半数を超える勢いになっているという現状。この中で両紙は、裏付けとなった電話調査を「日経リサーチ」に委託したことを明記していた。
HUNTERの取材によれば、日経リサーチは、実際の調査をITを活用したマーケティングやアウトソーシング事業を行っている「トランスコスモス」に再委託。トランスコスモスは、複数ある自社のコールセンターに別の派遣会社から来た電話調査要員を集めて調査実務を行っていた。
コールセンター内での電話調査は朝9時開始。コンピューターが無作為に抽出した固定電話に架電し、その世帯の有権者のなかの1人に(該当者不在の場合はアポイントをとって再度架電)比例区や選挙区の投票先、重視する政策などを答えてもらう方法。質問は10項目ほどで、すべて選択式だった。有権者5万943人の内、2万7,640人が回答したことになっている。
公平性の担保なし 選挙妨害の疑いも
不適切だったと見られるのが選挙区の投票先を聞く調査の手法。立候補者名を列挙し誰に投票するかを聞く際、複数の選挙区で無所属や諸派の候補者を省いて伝え、答えを引き出していた。2番目の設問がそれで、「あなたは ◯◯県の選挙区選挙では誰に投票しますか? 候補者を読みあげるので1人お答えください」とした上で、既成政党所属の候補者だけを読み上げていた。無所属候補に投票したいと考えていた人が、やむなく既成政党所属の候補者に流れた可能性がある。日経、読売の情勢調査は、公平性や正確さが担保されていない状況だ。
世論調査には一定の時間がかかるため、電話を受けた有権者が嫌がる場合も少なくない。とくに調査が長時間に及ぶようなケースではなおさら。立候補者が31人もいる東京都選挙区では、全員の名前を読み上げることさえ難しくなる。だが、正確さを期すなら全員の名前を示すべき。事前取材でつかんだ強弱の見立てに合わせ、勝手に不必要と判断した候補者を外してしまうことは、大手メディアの驕りに過ぎない。
問題はまだある。名前を省かれた候補者側にしてみれば、存在を否定されたも同然。調査の電話を受けた有権者に予断を与えたことも予想され、選挙妨害と言われてもおかしくない格好だ。
日経・読売は取材拒否
情勢調査で一部の候補者を省いたのは、日経、読売両紙の指示によるものなのか、あるいは日経リサーチかトランスコスモスの判断だったのか――事実関係を確認するため日経、読売に取材したが、両紙の広報担当は事実上の取材拒否。この点については明日の配信記事で詳述するが、両紙とも自分たちの報道に浮上した疑念に、きちんと向き合おうとしていない。
日経、読売の選挙情勢調査におけるサンプル数は約27,000。有権者の0.027%に過ぎない回答者から得た数字を基に、両紙が選挙戦の行方を左右するような記事を垂れ流したのは事実だ。記事の裏付けとなった数字が自分たちの都合に合わせたものだったすれば、捏造記事による世論誘導ととられても仕方があるまい。
http://hunter-investigate.jp/news/2016/07/post-902.htmlより転載
疑惑の選挙情勢調査 日経、読売が取材拒否
2016年7月 5日 09:40
参院選の序盤情勢をさぐるため日経、読売両紙が実施した選挙情勢調査は、無所属や諸派の候補者名を省いて投票先を聞き出すという、不適切な方法によるものだった。
事前の見立てで不必要と判断した候補者の名前を外したと見られるが、調査結果を基にした「自公優勢」の記事が選挙戦の流れを作ったのは事実。捏造記事による世論誘導が疑われる事態だ。
事実関係を確認するため日経、読売に取材したところ、報道機関とは思えぬ両紙の隠蔽姿勢が浮き彫りとなった。
「記事がすべて」で取材拒否
調査主体は日経、読売両紙。実際の調査業務を受託したのは日経のグループ企業「日経リサーチ」で、同社は実務を「トランスコスモス」という企業に丸投げしていた。この流れの中のどこかで、一部の候補者を省くように指示が出されている。日経、読売が指示した調査手法なのか、調査実務を請負った会社の単なる“手抜き”なのか――。調査結果を基にした記事を公表したのが新聞社である以上、日経や読売には、疑問に答える義務があるはずだ。
初めに取材を申し入れたのは日本経済新聞社。窓口として指定された広報室に趣旨を説明したところ、質問の内容を文書で送付するよう求められた。早速調査実態などについて文書で確認を求めたところ、同社広報室は口頭で「記事に書いてあることがすべて。日経リサーチに聞け」。相手には文書を送れと言っておきながら、自分の方は電話一本で取材拒否。傲慢な対応ぶりには呆れるしかない。
やむなく日経リサーチに取材したが、同社世論調査部は「委託先のリストを基に調査を行っているので、我々が判断していることではない」――。日経、読売の指示を認めた形だが、「取材ということなら、しかるべき立場の者に相談してから」というので翌日連絡をもらうことになった。次の日、同社担当常務による回答は「昨日応対した者が何を話したのかは別にして、契約で守秘義務が謳ってあるので、何もお答えできない」というものだった。
再度日経新聞に取材の申入れを行ったが、前回同様「記事がすべて」と言うばかり。自社の記事に生じた疑念にまともに向き合おうともしない。経済分析が得意の日経が、説明ができないような杜撰な調査を基に記事を書いていたとは驚きである。
一方の読売新聞社。さすがに取材慣れしているようで「きちんと文書で回答するため、取材も文書で」。同社広報部あてに、事実関係を調べる意思があるかどうかFAX文書で尋ねたところ、次の回答文書が送られてきた。

日経と示し合わせたかのように「記事がすべて」の一行回答。事実上の取材拒否だ。日経と読売、ともに日本を代表するメディアだが、杜撰な調査に関する合理的な説明ができない。「公器」を自任する以上、公表した記事に責任を持つのは当然だろうが、それさえ放棄するということだ。記事への疑念が生じているのに、「記事がすべて」というふざけた態度。一般社会では、到底通用しないものだろう。大手メディアの傲慢はいまに始まったことではないが、ここまで酷いとは思わなかった。
問われる「報道」の資格
舛添前東京都知事が辞任に至る過程では、大手メディアの大半が「説明責任を果たせ」「説明になっていない」「いつ辞めるのか」と責め立てた。舛添氏への取材だけでなく、まともに答えない相手を居丈高な姿勢で追及するのが大手メディアの取材手法だ。質問をはぐらかしたりすれば「答えになってない」としつこく問いただすのが通例だろう。それが、記事への疑義を指摘されているというのに「記事がすべて」と木で鼻をくくるような回答。日経、読売、ともに「報道機関」としての資格はあるまい。取材を仕事にしている報道機関が、取材を受けて回答を拒否するという矛盾した状況となっている。
今月3日からきょうまでの3日間、トランスコスモスのコールセンターでは、日経リサーチから委託された2度目の選挙情勢調査が行われている。読み上げる候補者の中から、無所属や諸派の候補者名が省かれているのは言うまでもない。