火の国の熊本を代表する景勝地と言えば、雄大な山並みが広がる阿蘇山だ。
その山の麓にある南阿蘇村には、平成になって新しい神社が造営された。
厄祓い、開運祈願のパワースポットと言われる宝来宝来(ほぎほぎ)神社だ。
この神社のご神体は、大きな岩である。
じつはこれこそが、神社が造られる事になったきっかけの岩なのだ。
それは2004(平成16)年の春に、リストラされてお金に困っていた重機の運転手が、ヘリポートを造る為の土地造成を請け負った。
しかし、工事中に大きな岩が重機に当たり、動かなくなってしまった。
仕方なく修理し、再度岩を壊そうとしたら、今度は原因不明の故障で重機が使えなくなってしまったというのだ。
その夜、運転手の夢枕にその岩が現れ、「どうして私を壊そうとするのか」と言ったという。
運転手が「生活するのにお金がいる」と答えると、「それなら宝くじを買い、その当選金の一部で私を掘り出してほしい」と言ったというのだ。
運転手が半信半疑で宝くじを買ってみると、確かに生活するのに困らない程の金額が当たった。
そこで、その話を聞いた友人も、岩を拝んで宝くじを買ったところ高額当選したという。
以来、この岩は「当選岩」と呼ばれる様になり、岩を訪れて宝くじを当てた人の寄付によって、神社が建立されるに至ったのだ。
歴史の浅い神社だけに、興味本位で訪れる人も少なくないが、実際に参拝して3億円の宝くじに当選した人がいるという事実もある。
宝くじを買う前に訪れてみたい場所である。