爺さんが伝えたいこと

寡黙に生きて来た爺さんが、一つの言葉ででも若い人達の役に立つならば、幸いです。

かつて鞍馬山には魔王が

2021-07-29 20:42:24 | 日記
京都の中心街から北へ上がっていくと、京の奥座敷と呼ばれる静かな場所がある。

鞍馬山は、そこを流れる二つの川に挟まれてそびえる標高584mの山だ。

今でも山岳信仰の地として崇められている鞍馬山には、その霊力に導かれて昔から多くの修行者が訪れている。

山の精霊である天狗もこの山に棲み、のちに源義経と名乗る牛若丸も、この霊気漂う山の中で精神を磨いたのだ。

鞍馬山のご本尊は千手観世音菩薩と毘沙門天、護法魔王尊で、これら三身を一体として「尊天」と呼んでいる。

この中でも最もパワーが強いとされる護法魔王尊は人類を救う為に、650万年に遥か金星から鞍馬山に降り立ったと伝えられている。

その姿は16歳のまま年を取らない永遠の存在であり、天狗の総帥とも言われている。

その護法魔王尊が降り立ったという場所が鞍馬寺にある。

寺の本堂金堂から杉木立の道を歩き、行く手を阻む様に木の根が道全体を覆う「木の根道」を抜けた所に奥の院があり、そこが護法魔王尊が降り立った魔王殿だ。

ここは鞍馬山の一番の聖地である。

どこにいても霊気を感じる事ができる鞍馬山の中でも、一層エネルギーに満ちていると言われるのはその為だ。

大地の霊王である護法魔王尊から発せられる、宇宙のエネルギーを感じる事ができる場所が、古都京都の山奥に存在しているというギャップも、人々を鞍馬山に誘う理由なのかも知れない。





羽田空港の一角に鳥居

2021-07-29 08:45:59 | 日記
東京都大田区の海老取川の河口付近に一つの鳥居が立っている。

しかし、その近辺には神社の境内も、ご神体となる山や森もない。

ここは羽田空港の一角なのだ。

そこには鳥居だけがぽつんと佇んでいるのは、何とも不思議な光景である。

これは、かつてこの場所にあった穴守稲荷神社の大鳥居だ。

海に近いこの辺りでは、度々水害に悩まされていた。

だが、穴守稲荷を祀ったところ、水害がぴたりと収まったのだという。

それ以来、地元の人々はもとより、遠くからも参拝客が詰め掛ける、人気の神社となった。

京浜急行が支線を延ばしたのは、穴守稲荷神社への客を運ぶのが、目的だったほどだ。

ところが戦後に神社の隣にあった空港が、日本を占領統治したGHQに接収され、敷地の拡張の為に神社も強制退去を命じられた。

しかし、大鳥居だけは残された。

じつは、この鳥居は祟るという伝説を持っているのである。
GHQが鳥居を取り壊そうとすると、作業員が死傷する事故が起きたり、関係者が原因不明の病気になるなど、不幸な出来事が立て続けに起きた。

その為に鳥居を壊す事を諦めざるを得なかったのだ。

その後も何度か鳥居を撤去する話が出たものの、その度に航空機事故が発生している。

こうした奇妙な一致は穴守稲荷様の祟りとしか思えないと、人々は噂したのである。

祟りを恐れて手が出せなかった大鳥居だが、1999(平成11)年に旧ターミナルビルの前から現在の場所に移された。

幸い移転は無事に完了し、今も伝説の大鳥居として空港の敷地内に残っている。