宮崎県の南の鹿児島県との県境にある霧島連山には、天からのエネルギーが降り注ぐと言われている場所がある。
それは高千穂峰である。
高千穂峰は、天孫降臨の地と言われている。
日本神話の最高神である天照大神の孫のニニギノ尊が三種の神器持って降りたのが高千穂峰の頂上なのだ。
つまり、神が初めて天から地上に降り立った場所なのである。
その印として、頂上には「天の逆鉾(さかほこ)」が祀られている。
まさに神の宿る山の霊峰なのだ。
6世紀ころには、山頂にニニギノ尊を祀った霧島神社が造られた。
しかし、大小23の火山からなる霧島連山では噴火が絶えなかった。
霧島神社の社殿もたびたび焼失した為、平安時代に高千穂河原に移された。
それでも、1234(文歴元)年に大噴火でまたもや全焼してしまい、霧島神社は霧島神宮として現在の鹿児島県霧島市内に移転されたのである。
高千穂河原はかつて宮があった事から「古宮址(こぐうし)」と呼ばれる様になった。
それでも高千穂河原が今でも神の宿る場所である事に変わりはない。
毎年11月10日には天孫降臨御神火祭が行われ、ニニギノ尊が天から降りてくる時の道しるべとなった御神火を焚き、山々に太鼓や囃子の音がこだまする。
そして、何度となく霧島神社の社殿を焼き尽くした火山も健在だ。
2011(平成23)年には、火山が爆発的に噴火した時に逃げ込む為の避難壕が高千穂河原に設置され、大自然の脅威がすぐそこにある事を警告している。