爺さんが伝えたいこと

寡黙に生きて来た爺さんが、一つの言葉ででも若い人達の役に立つならば、幸いです。

浮いている鳥居

2021-07-10 22:58:14 | 日記
新潟県にある弥彦(いやひこ)神社の鳥居には、一つのミステリーが存在する。

鳥居の両側の太い親柱が宙に浮いているのだ。

弥彦神社は、霊山として信仰されてきた弥彦山の麓にある。

地元の人からは「おやひこさま」の愛称で親しまれてきた。

建立は第10代・崇神(すじん)天皇の御代とも言われる。

祀られているのは天照大神の曽孫にあたる天香山命(あめのかごやまのみこと)で、越後地方で最も格の高い一の宮である。

その境内に入る為にくぐる大きな鳥居の親柱と地面の間には、確かに6cmほどの隙間が開いている。

じつは、それにはれっきとした由来があるのだ。

昔、津軽藩主が船旅で嵐に遇い、弥彦の神様に「助かったらこの船の帆柱を鳥居として奉納します」と願ったところ嵐が止んだという。

しかし、鳥居の奉納を忘れていたところ、夜な夜な火の玉が飛び回り始めのだ。

あわてて鳥居を鳥居を奉納すると、火の玉は現れなくなった。

そこで、奉納した鳥居の柱が浸水などで万が一にも腐らない様に、宙に浮かせて設置してあるのだ。

この時飛び回っていた火の玉も「火の玉石」として境内に残っている。

願い事をしながらこの石を持ち上げてみて、重く感じて持ち上げられなければ叶わず、軽く感じて持ち上げれれば願い事は叶うという。

宙に浮いている様に見える親柱の両側には補強の柱が立っている。

現在は中心に入れられた鉄芯も、親柱をしっかりと支えている。

長い年月を経て守られてきた鳥居の不思議な姿には、神様との約束は決して破ってはならないという、一種の戒めが込められているのかも知れない。




裁判をして神社が独立

2021-07-10 15:00:18 | 日記
石川県羽昨(はくい)市にある気多(けた)大社は、「万葉集」に登場するほど古い歴史を持つ神社だ。

朝廷からも篤く信仰されており、かつての能登国(現在の石川県能登半島)でトップの地位に立つ神社だった。

祭神は大国主命(おおくにぬしのみこと)で数々の困難を乗り越えて、意中の女性と結婚したというエピソードを持つため、恋が叶うと若い女性にも人気が高い。

本殿の後ろの広大な原生林は「入らずの森」と呼ばれる神域で、古代から立ち入りが禁じられている。

現在でも年に一度、宮司が神事を行う為に入るだけである。

清らかな気に満ちた聖域、それが気多大社本来の姿だ。

しかし、そんなイメージとはかけ離れた騒動に巻き込まれた事がある。

神社本庁から離脱しようとして、裁判沙汰になったのだ。

神社本庁とは全国の神社が互いに助け合うための、取りまとめ役の様な団体である。

騒動は気多大社が規則の変更を申し出た事から始まった。

石川県知事はこれを認めたものの、神社本庁が認証を取り消したのだ。

その上、宮司を免職にして、自分たちが決めた新しい宮司を送り込んできたのだ。

こうした神社本庁の強引なやり方をみた気多大社は、離脱を決意したのである。

裁判は一審が気多大社側の勝訴、二審は神社本庁側が勝訴するという二転三転の展開で、とうとう最高裁にまでもつれ込んだ。

結局、最高裁では気多大社の言い分が認められた。

神社にはあまり似つかわしくない独立闘争という問題は、5年の歳月を経て、ようやく決着が着いたのである。