お金があれば、欲しいものが買える。
欲しいものが買えれば、ああ嬉しい…と思う。
この「ああ、嬉しい」という気持ちが有れば有るほど、人生は幸福なのだ。
地位が上がれば、だんだん自分に自信が持てる様になる。
自信が持てると、毎日の生活に活気が出てくる。
活気が出てくると、仕事は充実してくる。
孔子は、「富と尊きとは、是れ人の欲する所なり」と、言っている。
もし、富を求める心、豊かさを求める心が無くなったら、二・三日でこの世の中は活気を失い、死んだ様になってしまうだろう。
人に、ああしたい、こうしたい、ああなりたい、こうなりたい、という欲望があるから、人生が、どんどん幸福になって行くのだ。
欲望が悪いとするのは、頭から人生の幸福を否定するものだ。
禅僧の道元(1200~53)の言葉に「多欲の人は、多く利を求むるが故に、苦悩も亦多し」とある。
経済的な豊かさを求める事は、決して悪い事ではない。
仕事を頑張って、その頑張った事への報酬を貰う。
こんなに嬉しい事はないのだ。
道元は、多欲がいけないのだ、という。
もっと、もっとと際限なく富貴を求めると、それにつれて、必ず苦しみと悩みが増加する。
苦悩が増えるどころか、風船をふくらませすぎたように、人生がパチンと消える。
とにかく、注意しなくてはならないのは、欲望にキリがない、という点だ。
自分の力以上の欲望を満たそうと、見栄を張り続ける人間には、幸福はない。