爺さんが伝えたいこと

寡黙に生きて来た爺さんが、一つの言葉ででも若い人達の役に立つならば、幸いです。

「見返り」なんて求めない

2021-12-10 17:27:11 | 日記
人の事を思いやって親切にして、相手から「ありがとう」と言われ、貴方は幸福な気分になり、その人から尊敬される…。

人を愛し慈しみさえすれば、相手も喜び、自分も「ああ、良い事が出来た」という達成感に包まれ、安らかな心持ちになれる…。

しかし、世の中はそんなに甘くない。

人に親切にして、心から「ありがとう」と感謝され、お互いに友愛の心が通う様になる好機は、実はあまり無いかも知れない。

人の事を心から思いやっても「ああ、あの人は世話好きだからね」とか「他人の事より、もっと自分の事を考えれば良いのに」と言われてしまう場合もあるだろう。

そんな時に「なんで、あの人はこんなにも無礼なのでしょう。ありがとうと、お礼の一つも言わないんだから」と言う様に、相手の心なさを批判したりしてはいけない。

「仁を好む者」は、つまり相手の慈しみ、思いやって生きる人は「不仁を悪む者を見ず」(冷たく思いやりの無い態度を取る人を、悪まない)である。

そこで、考えてみなくては、ならないだろう。

自分が人から世話を受けたり、思いやって貰ったりした時の事を…。

「ありがとう」という言葉は、ちょっとドアを開けて貰ったとか、席を譲って貰った時には、簡単に言えるものだ。

だが、あまりにも過大な援助を受けると、簡単には「ありがとう」と言えないものだ。

「ありがとう」という言葉だけでは、とても済まないと思ってしまうからだ。

そんな人は「ありがとう」と言わなくても、もっともっと深く感謝しているのだから。