爺さんが伝えたいこと

寡黙に生きて来た爺さんが、一つの言葉ででも若い人達の役に立つならば、幸いです。

期待を押し付けない

2021-12-24 17:06:03 | 日記
「お父さん、お母さんが、好きですか」と、中学生に聞いてみた。

「好きな人は、手を上げて…」と言っても、七十人程のうち、僅か二・三人しか手が上がらない。

「何故、お父さん、お母さんが嫌いなんだ」と、手前に座っている人に聞いてみた。

「うるさいから」「あれしなさい、これしなさいと面倒な事ばかり言うから」「勉強しろってばかり言って、しないと怒るから」「勉強が出来ないと冷たくかれるから…」

今日の様な過酷な時代を生き抜くには「勉強が大事だ」と思う気持ちは良く分かる。

が、あまりその事を優先すると、子供との感情に食い違いが生まれ、ギクシャクする事になる。

「之に事うるに礼を以てす」

もし、幸福で楽しい親子関係を作りたいなら、ごく小さい内から「ありがとう」「おかげさまで」「ごめんなさい」「おはようございます」「お休みなさい」と、身近な礼の作法を、しっかりとしつける事が肝心だ。

「両親をありがたいと思う人」と聞いたら、ほとんどの子供がさっと手を上げた。

みんな良い子なのだ。

日本人の素晴らしさは、人に多くの事を期待せず、人をひたすら信じ、温かい心で見守ってやる事であった。

「まあ、今は大した事は出来ないが、彼はゆくゆくは良い仕事をするよ」と、人を育てるにも、長い目で見守ってやったのだ。

チェックも悪い事ではないだろうが、毎日まいにち弱点と欠点ばかり指摘されていたのでは、二十四時間休む時がなく、人生に疲れはててしまうだろう。