爺さんが伝えたいこと

寡黙に生きて来た爺さんが、一つの言葉ででも若い人達の役に立つならば、幸いです。

「競争」から降りてみる

2021-12-15 20:03:15 | 日記
人は生きている限り、何らかの形で競争をしている。

学校では、成績を競いあった。

友情を失って、合格するか否かで、受験の勝負をした。

会社へ入るにも、地獄の争い。

入ってからは、もっとむごく厳しい競争がある。

財産と地位でも、負けたくはなかった。

一生をいつでも競争で悩み、勝負で苦しみ、楽な時はいささかも無かったと、多くの現代人がつぶやく。

孔子は「吾が道は一、以て之を貫く」と、喝破する。

自分が一生を通して行った事は、たった一つであると。

ではその一つとは何か。

曾子(そうし)というお弟子さんは、こう言っている。

「孔子先生が、常に一貫して行っていた事は、忠(人と誠実に付き合う)と恕(じょ・人を思いやる)であった」…と。

自分が富んで豊かな時も、貧のどん底にある時も、貴い地位にいる時も、無位になってしまった時も「忠恕(ちゅうじょ)」のまごころ一つで生き抜く。

競争、競争で打ち勝った人は、四十代を過ぎた頃から、短気になる人が多い。

競走に勝ってきた人は「オレは正しい」という観念が強い。

もう一つ、相手はほとんど自分の敵だと、思ってしまっている。

三十代は体力も能力も優れているから、いわゆる大人の対応をして生きられる。

四十代、五十代になると、急に体が動かなくなったり、忘れっぽっくなったりして、思わぬ失敗をする。

若いうちから、いつも人を思いやって、誠実に仲良く友とつき合う修練をしていないと、そんな時に自分を制御できずにキレる。