自分の事ばかりを考えていた人が、他人の事を深く思いやれる様になると、いっぺんに生活態度が、明るく変わってくる。
夫が自分が働いて得たお金は、無駄なくコツコツと貯めたいのに、妻がチョコチョコ出掛けて行っては、洋服や化粧品を買ってくる。
「お前また、こんなものを買ってきたのか、ムダ遣いはよせツ」
「これくらい、いいでしょう。バーゲンセールでとても安かったんだからツ」とたんに二人の間が、ギクシャクしてくる。
子供を産んで育てる。
楽しい事もあろうが、苦労も多い。
日に三度の食事を作る。
掃除、洗濯もする。
保育園のお母さんたちとも、付き合わなくてはならない。
その上にパートにも出掛ける。
いつも大変な気苦労もしているのだから、たまには気晴らしのショッピングもしないとね…と思えば「ヘーツ、こんなに素敵な洋服が、こんなに安く買えて、良かったね」となる。
「大徳は閑をこえず」
大徳とは、天地自然の大きな仁(おもいやり)の心を持って、人を慈しんで生活する事をいう。
大徳の人は、どんな時でも人を思いやって生きるという根本を踏み外さないから、日常生活での応対に失敗する事はない。
理屈ばかりこねて、一人よがりになってしまう人は、歳をとると認知症になりやすい。
ところが、その人が妻や子やお孫さんに、笑顔で優しく語りかけ、人の為に行動し始めると、ボケが治るという。