遥かなるピリカヌプリを求めて

ピリカヌプリに行ったので、次は1839!

GPSフィールドテスト(藤野富士)

2014年01月27日 | 登山:札幌近郊

平成26年1月26日(日) 藤野富士でGPSをテストする

自分の目下のテーマはGPSの有効利用。GPSには以下の機能があって、機種によってできることが限られてくる。
(1)現在位置の緯度経度表示
(2)現在位置の高度表示
(3)方位表示
(4)指定された位置へのナビ(コンパス)表示
(5)ルートによるナビ(コンパス)表示
(6)軌跡によるナビ(コンパス)表示
(7)地図上への現在位置及び軌跡表示
(8)ログ(軌跡、通過時刻、高度)の取得
※日の出の時刻が分るとかいうのは省略
ちなみに自分が持っている機種はガーミン製のオレゴン550、上記のすべての機能を具備している。

       
任意の点でナビ表示    ナビ(コンパス)表示    地図上でナビ表示

GPSを持っているといってもどのように使っているのかは千差万別、自分が知っている範囲では緯度経度から地図上で現在位置を確認する使い方がほとんど。次に多いのが地図上で現在位置を確認するというもの。予めルートを登録しておいて、そのルートに沿ったナビ表示を確認するという人は少数派。

緯度経度から地図上で現在位置を確認する方法は、パーティメンバ間で情報を共有できるところはよいが、まどろっこしいところが難点で吹雪の中での使用は実用的でない。地図上で現在位置を確認する方法は、直感的に確認できる点で優れているが、画面が狭すぎるとか地図が分かり難いとかで地図表示できる機種を持っている人でも有効に活用している人は少ないように思える。高度から生成したような等高線は国土地理院の地形図に較べると確かに分かり難い。ルートを登録しておいて、その情報に基づいて進むべき方向表示を行う使い方は、視認性にも優れてもっとも有効な使い方と思うが、ルートから大きく外れてしまうと進むべき次のポイントの判断が必ずしも人間が考えるポイントと異なってくる場合があり、一概に信用することがためらわれる。

GPSを利用するにしても予め予定ルートを確認しておくこと、地形図を携帯することは必須である。それを前提にしてGPSの有効活用のフィールドテストをするために藤野富士に行ってきた。今回は、GPSをコンパス代わりに使う方法を実践してきた。というのはどういうことかというと、現在位置を確認し次に向かうポイントを登録し、その点を目標として方位表示させる。この段階ではコンパスとまったく同じ使い方になるが、コンパスよりも優れている点は、移動の都度目指す地点との距離や位置関係が確認できることである。そのポイントに近づいたところで次のポイントを登録して進む。それを山頂まで繰り返す。事前にポイントを登録しておくということもよいかもしれないが、状況に応じて次に向かう位置を登録することができる点がこの方法の特徴となる。そして下山は、往路で登録したポイントをターゲットにして同じ方法で戻る。

この方法は、まさにGPSをコンパス代わりに使うという方法で、コンパスしか持たない人とも歩調(コンパス合わせ)を合わせることができる点がよい。自分の機種では、地図表示上に小さなコンパスを表示する機能もあって、方位と位置関係を一度に確認できるのも実にうれしい。さらに分かり易い地図表示とするため、カシミールで地形図を切り出してGPSに格納して使っている。普段慣れ親しんだ地形図がGPSに表示されているため、さらに視認性が高まる。

     
TOPO10表示         地形図表示         イドンナップ地図表示

そんな準備をして出かけたのが標高651mの藤野富士。過去にスノーシューで2回登ったことがあるが今回はスキーで挑戦。スキー操作が未熟な自分としてはスノーシューに較べると格段に緊張感がある。コースも直登ではなく登山道らしき表示に沿って左側に巻いたコースとした。


出だしの無駄な動きで10分ロス

管理事務所に入山を届けて墓地の端の駐車スペースに車を移動、冬でもお墓参りする人がいるのかしっかりと除雪されている。10時ごろに出発、先週のものなのかスノーシューの取り付き跡があったのでそこから林の中に入っていく。スノーシュー跡が自分が予定したコースと同じだったので、結局山頂までほとんどラッセルなしで楽をさせてもらった。



ポイントポイントで次なる位置を登録しながら進んでいく。ちょっと面倒くさいがコンパスを使う場合でも行うべきことなので、とにかく慣れることだ。そのポイントに近づく(10m以内)とGPSは音で知らせてくれる。林道っぽいところをのんびりと登る、30分くらい経過したところで半分近くまで進んだので、1時間もかからずに着いてしまうのではないかと思ったが、そうは甘くはなく、Co530の尾根への取り付く付近から急に傾斜がきつくなり、スノーシュー跡を辿ることが難しくなって何度かキックターンしながら、木に掴まりながらこれも修行と思って頑張る。そして登り始めてから1時間強で山頂に着いたときには汗だくになっていた。過去の直登コースでは2時間くらいかかっていたので、それから較べるとはるかに楽なコースである。下りは途中までシールで下降し、林道っぽいところにでてシールを外してあっという間に下山した。



ちょっと気になることがあった。焼山で見かけた表示と同じような表示板が各所に付けられていた。いろいろ意見があろうが、登山の楽しみのひとつが損なわれているようにも感じるので、自分的には有りがた迷惑である。

GPSの利用についてはいろいろな意見がある。完全ホワイトアウト時に唯一の現在位置の確認手段であるという点は否定しがたい事実であるが、そんな場合には動かないで様子を見ることが先人たちの知恵、否定派の人たちの言い分には地図、コンパスを利用するという最も基本的な技術が疎かになることの危惧がある。もちろん、電池切れや故障、電波障害などのリスクもある。

最近の或るできごとでGPSに対する意識が変化しつつある。GPSを最後の砦とするのではなく、コンパスを最後の砦とするという考え方にである。そうすることで、電池切れもチェックできるし、普段の利用によりいざという時に使えないということが少なくなる。そんな思いで秀岳荘のGPS講習会にも参加しヒントももらった。GPS有効利用について研究中である。


奥手稲山(星置川林道コース)

2014年01月20日 | 登山:札幌近郊

奥手稲山(星置川林道コース) 晴れのち雪 

実に2ケ月ぶりの登山だった。天気予報では雪が降るとあったが一部青空も広がる絶好の登山日和に恵まれ、8:50に手稲金山砕石場からスタートして林道を進む。林道には先行者のスノーシューの跡があり、このおかげで随分と楽させていただいた。


途中林道がつづら折りになっている箇所ではショートカットするが、体が林道の斜度に慣れてしまったからなのか、久しぶりだからなのか、ちょっと傾斜がきつくなるだけで体力を大きく消耗した。Co600付近からは奥手稲に向かってほぼ直線の道が続き、Co800付近を右折するといきなり目の前に奥手稲山が現れる。



奥手稲山を前にして、林道から尾根に取りつく地点を探りながら進むも、スノーシュー跡に引っ張られ過ぎて、スキーではちょっと厳しい急斜面の登りとなってしまった。尾根に乗ったあとは山頂までさほどの傾斜でもなく樹木の間を抜けながら山頂に到着した。

我々がちょうど登頂したとき、反対側の奥手稲小屋方面から登ってきた単独の外国人の方が到着した。その人はすぐにシールを剥がして登ってきた方向に下山していった。山頂到着が13時30分でかなり遅い時間ではあったが、速攻でツエルトを出して15分ほど休憩した。ツエルトの中は暖かいが、下山準備でシールを剥がしたりツエルトの片付けをインナー手袋だけで行っていると手が猛烈に冷えてきてシャベルを畳むことも不自由になってしまった。その時の気温はマイナス10度。ちょっと気を許すととんでもないことになる。


下山は北側の尾根を下っていくが、前日のものと思われるスキーの跡が残されていて途中から奥手稲の沢方面へ下っていた。出だしは方向的に近いので、悪天の場合には注意を要するだろう。

まったく華麗でないスキーさばきで林道まででた後は、ひたすらなだらかな林道を滑り降りるが、林道が広いので危険を感じるもなく、登りに4時間もかかっていたところを1時間あまりであっという間で滑り降り、15:00に登山口に到着した。春先の雪が締まった時期だとスピードが出過ぎて、自分の力量ではコントロールが難しいかもしれない。

登りに約4時間半、下りはスキーで1時間強、トータルで約6時間を要した。先行者のトレースがなければラッセルの分もう少し時間もかかっていたかもしれない。奥手稲山(星置川コース)は思った以上にキツイ山だった。


〔コースタイム〕 総距離16km、標高差800m
8:50 採石場出発
9:30 Co230林道分岐
12:45 尾根取付き
13:15 奥手稲山着
13:50 奥手稲山発
15:10 採石場着