遥かなるピリカヌプリを求めて

ピリカヌプリに行ったので、次は1839!

恵庭岳北尾根ルート

2022年07月28日 | 登山:札幌近郊
恵庭岳の北尾根は雪山シーズンにはよく利用されるルートであるが、夏道のルートも開拓されたと聞いていた。
同じ山の会のメンバがこの北尾根ルートで西峰に行ってきたのを知って、自分もこのルートを登ってみようと思った。

偵察
雪山と違って好き勝手にルート取りができるものでもないので、インターネットで他人の登山記録を確認し、それを頼りに現地に向かった。
閉鎖されていオコタンペ湖道路のゲート近くにある駐車スペースにクルマを止めて10時過ぎに出発し、ゲートから5分ほど歩いた先に斜面に向かう踏み跡があったのでそこから取り付いた。しかしそれは大きな間違いだった。
けもの道と思われる急斜面を笹につかまりながら登った先には登山ルートと思われる痕跡がなく、半信半疑のまま尾根方向に踏み跡頼りに進んでやっとこピンクテープを見つけた。GPSで確認するとそこは自動車道路のすぐ脇だった。これで15分をロスした。
925mポコ付近まではいくつかの尾根を横断するが、ピンクテープの目印がなければたどり着くのは難しいと思う。

952mポコ横を通過するといよいよ最初の急斜面になる。進むにしたがって勾配もきつくなり、途中にはかなり長い区間にザイルが固定されていた。大きな岩石を右側に巻いて最初の急斜面をクリア。その先の2段目の斜面は、笹薮がなくしっかりした立派な踏み跡がつづいていて、まるで鹿の楽園にきたような緩やかな雰囲気を感じる場所だった。

その日は行動停止と決めていた1時になったので、標高1100m付近で行動停止とした。



西峰登頂
それから5日後、今後はピークハントを目的として再び北尾根ルートに挑んだ。2回目もピンクテープ頼りは変わらない。
けもの道を巧みにつなぎいでいるこの北尾根コースを夏の期間はじめて突破した人、笹狩りしてルート整備してくれた人に敬意を表するしかない。
前回行動停止した地点を過ぎ1200m付近からは斜面をトラバースするように稜線直下に向かい、通常の登山ルートとの合流点につく。ここから木を潜りながら80mほど登ると本峰、中峰、西峰が連なる稜線にでる。

本峰は見た目に登れるという感じがしないためパスし中峰で休んでいると男女2人の登山者が西峰方面から降りてきた。この日会った登山者はこの2人組だけで、このふたりも北尾根コースを登ってきていた。
西峰までは結構な細尾根の連続であるが、むき出しの岩稜帯ではないためそれほど恐怖心は感じない。しかし足を目いっぱい広げなければ通過できない個所もあり決して侮れない。残念ながら、当日はガスがかかって支笏湖やオコタンペコを見ることはできなかった。

16時までに自宅に戻らなくてはいけないため、西峰を後にして速やかに下山を開始したが、1000m付近まで降りてきた辺りから雨が降り始めた。その雨は結局下山するため降り続け、登山ルートはぬかるんで滑りやすい状態になっていて、注意しながらも何回かスリップで尻もちをついてしまい、おしりやザックが泥だらけになった。
登山口に戻ってきたときには全身ずぶぬれ状態になっていた。



プチ道迷い
標高850m付近で登山ルートを逸れプチ道迷い状態に陥った。何気なく進んで見慣れた感じの広々とした空間に出たが、先に進むべきピンクテープの目印が見当たらない。周りには踏み跡っぽいところがたくさんあり、いたずらに移動したせいでぱっと見戻るべき先も分からなくなった。すぐさまGPSを手にして強引に藪漕ぎし登山ルートに戻ることはできたが、戻ったところがルートを逸した個所の手前で再び同じ個所を通過したのだが、その際にもうっかり同じ間違いを繰り返しそうになった。
10分にも満たない時間ではあったが、心理的にとても長く感じた。

初回に何も起こらなくて今回道迷いとなった要因としては、雨のため薮の様相が変化していことがあると思うが、加えて先を急ぎ過ぎていたことも要因のひとつだったかもしれない。後からGPSで確認してみるとかなり無駄な動きがあり、この状態を早く脱しようとする心理的な焦りがあったのかなと思われた。

<北尾根コースはおすすめ>
北尾根コースは通常の登山コースに較べて距離や標高差が少なく、また頂稜線にもすんなりと行けるなどのメリットがあり、ピークを目指すにはお勧めのコースである。
急斜面が多く滑りやすいので雨の時は避け、また、道迷いの可能性が高いのでGPSは必携だと思う。なお、クマの糞は見当たらなかった。

藻岩山遊歩道めぐり

2022年07月26日 | 登山:札幌近郊
最近は同居している孫(5歳の男児)の世話で、真っ当な山に登ることから遠ざかっている。
そのため、普段は札幌近郊特に藻岩山を中心にトレーニングを兼ねた山歩きをしている。


藻岩山遊歩道マップ

<凡例>
赤色 公式な登山道および派生する脇道
茶色 しっかりとした遊歩道
灰色 歩道として整備されていない登山ルート

藻岩山には多くの遊歩道があり、それらは以下のとおりに大別できる。
1)公式の登山道とそれに派生した脇道
2)近所の人たちが散歩コースとしている地図には描かれていないしっかりとした遊歩道
3)地理院地図に点線で描かれているがほとんど廃道化したルート
4)藪を漕いで道なき道を行くマニアックなルート

公式の登山道には、慈恵会病院前コース、旭山記念公園コース、スキー場コース、北の沢コースと小林峠コースの5つがあり、慈恵会病院前コースが最もポピュラーで、そのつぎにスキー場コース、旭山記念公園コースの順であり、北の沢コースと小林峠コースは駐車できる場所が限られるため登山者も多くはないが、最も楽に登れるのが北の沢コースで、静かにマイペースで登れるのが小林峠コースである。

自分がよく行くスキー場コースでは登りを尾根伝いの正式ルートで下山路としてウサギ平のゲレンデを下る人は多い。
また、中央に位置するリフトの左側の林間には幌南の森コースがある。ここは、幌南小学校の卒業生が作った登山コースと紹介されているが、急な斜面をジグを切りながら登下する少々ワイルド感のあるコースで、ほとんど利用する人が少ないため静かな登山を望む人にはうってつけのコースだと思う。

5つの公式な登山コースではないが、登山マニアに知られているコースに、軍艦岬コースと割栗岬コースがある。ともに尾根の突端から取り付くコースであるため岬という名称がつけられている。

軍艦岬コースは、ミュンヘン大橋の先にある博善斎場(葬儀屋さん)の脇から藻岩発電所施設に伸びる道を登って右側のメンテ道の先にある鉄塔から尾根伝いに登っていくコースで、踏み跡もなくひたすら藪を漕ぐコースである。激藪ではないがそこそこの体力と気力が必要で、尾根頭付近でスキー場コースと合流するが、その際には付近を歩く登山者を驚かせないようにする配慮が求められる。そこから先はスキー場コースでピークを目指す。

割栗岬コースは、石山通に接する当たりの民家の脇から尾根に取り付く。最初はかなりの急登となるが放送局の設備がある辺りで斜面も緩やかになる。そこから先を尾根伝いにしっかりとした遊歩道を登っていくと送電線の鉄塔を通過し観光自動車道路に突き当たる。夏季は自動車道路の通行が禁止されているため、このコースは冬や春先の自動車道路が閉鎖されている期間限定となる。自動車道路をしばらく歩き途中から尾根にのって進むが、その付近は自動車道路の落石防止用ネットを止めるワイヤがあるため、ワイヤが切れたらどうなるというような不安を感じながらの通過となる。なんのためなのか分からないがメンテ用と思われる道がつけられており、ほとんど藪漕ぎすることはない。途中の自動車道路の通過ではカラスが密集しているところもあり、ひとりでの通過は気持ちが悪い。

ミュンヘン大橋から北の沢方面に送電線が伸びており、その下は保守用の道路が整備されている。その保守用道路を利用することで行動範囲が広がってくる。
スキー場駐車場から下り雪友荘を少し過ぎた辺りの左側に階段がありそこを登ると送電線に鉄塔下にでる。ここから左の尾根側に登るとスキー場コースと合流する。この道は短縮コースと呼ばれているが、わざわざ駐車場が下ってここを行くのは短縮どころか遠回りになると思うのだが。ここから真っすぐ尾根を乗り越えるように進むと沢の渡渉となる。水はほとんど流れていないが、その先の斜面は泥壁の急斜面になっていて、ワイヤに括りつけられた階段が設置されている。ここを乗り越えていくとやがて送電線の鉄塔下にくる。その間は保守用の道となっているものの、ほとんど利用されている感じはない。以前この付近でストックを拾ったが、その取っ手部分は何かにかじられたような跡が残っていた。この鉄塔からけもの道風の尾根伝いに進んで約15分ほどでスキー場コースに合流する。
鉄塔下から尾根を乗り越えるとその方向には保守用の道が続いており、やがて藻岩発電所の設備の行き当たる。

スキー場駐車場から南西側にある鉄塔を通過して保守道を進んでいくと尾根上の鉄塔下で割栗岬コースと交差する。そこを乗り越えていくと左右に遊歩道が伸びている。左側に行くと割栗岬コースの途中に合流する。また左側にいくと北の沢側の斜面を住宅地に接近しながらトラバースし、やがて北の沢スキー場のゲレンデにでる。このスキー場の斜面は春先にはワラビ畑となり、多くの人が山菜取りに集まってくる。


札幌岳豊滝コース

2019年06月02日 | 登山:札幌近郊
令和元年6月2日(日)晴れ 札幌岳豊滝コース

冷水コースから登ってくるパーティと合流することを考えて、豊滝コースから札幌岳を目指した。メンバはSさんと私。
林道ゲートで準備しようとしていた時に車が2台到着、運転席から顔を出したのがエバさんだった。今や有名人となっている”にお”(ナガイ)さんの登山道整備隊で、稜線上は藪がひどいので注意するようにとご指導を受けた。
登山道整備隊と一緒にゲートを通過したが、途中ぬかるんでいるところの通過が厳しそうだったので、我々だけゲートまで引返し再スタートした。

 

豊滝コースも久しぶりであったが、雪渓もほとんど消えかけ、多少の笹被りはあったものの通過には支障はなかった。
山頂でしばらく待っていると冷水コースからの11名が到着、大勢で和気あいあいの時間を過ごした。

  

11時過ぎにみんなと別れを告げて豊滝コースを下山、途中登山道整備隊の面々と行き会い、稜線上の様子を伝えた。
そして更に、単独登山者とあいさつ程度ですれ違ったが、実はネット上の知り合い(アウトドアマンズ貴さん)だったことを後で気づいた。

今日は、いろんな人に出会った不思議な日だった。

夏山到来、阿部山藪漕ぎ登山

2019年05月11日 | 登山:札幌近郊
2019年5月6日 阿部山 夏道ルート
10連休最後の日、今期初の夏山登山をしてきた。行ったところは、ちょっとしょぼいが阿部山。自分的には大好きな山である。まずは小手調べとして夏道ルートを登下してきた。

   


2019年5月11日 阿部山 尾根ルート 〔ヤマレコ
性懲りもなくふたたび阿部山。しかし今回は平和霊園側からの尾根ルート、夏道はないので藪漕ぎである。
ひとり藪漕ぎ登山のリスクは何といってもヒグマの出現。そのため、昨年新調したクマスプレーを持参するが、気休めみたいなもので不安は解消しない。
送電線のところから尾根に取り付き、藪の薄いところを選んで進んでいく。斜面の傾斜も急斜面というほどではなく、比較的あっさりと尾根の頭付近に到着する。
ここから稜線上を行く。前回の印象ではしっかりと踏み跡があったと記憶していたが、そんな期待は裏切られ、それなりの藪漕ぎがピークまで続いた。
ピークでかなりの時間ゆっくりと過ごして夏道で下山した。夏道を少し行くと前回は気づかなかったアイヌネギを発見、ザックを降ろし袋一杯にネギを収穫した。また、途中道を塞ぐ倒木をノコで切ったりして登山道整備の真似事もしてきた。

    

上手稲 (札幌150峰)

2018年10月02日 | 登山:札幌近郊
平成30年9月23日(日)上手稲

札幌150峰の「上手稲」に行ってきた。場所は、手稲山と迷沢山との間の西区と南区の区境の稜線から西野側に張り出している標高836mのピーク、三角点ではない。
登山のアプローチとしては雪山で西野側から迷沢山に行く途中の稜線からのルートが想定されるが、かなり急な斜面の下りで二の足を踏むという。


(ヤマレコへジャンプ)

今回我々は、手稲発寒川の途中から枝沢を使って藪漕ぎで上手稲をめざした。
自分は参加していなかったが、1ケ月前に会の仲間が枝沢からチャレンジし大滝に阻まれて撤退している。なので、今回は別の枝沢を使ってチャレンジした。

発寒川の二股から約200mほど進んだ標高520m地点に流れ込む枝沢に入った。沢はそれなりの傾斜があったが、足の置き場がしっかりしていた。帰りは懸垂下降が必要かと思われる滝を登りきると比較的平たんな場所に出る。ここからのルート取りはいろんな選択肢があったが、多数決でコルにつづく沢形を選び、比較的苦労することもなくコルまででることができた。


(最後の滝を正面突破)

いよいよここから藪漕ぎ。比較的緩やかな藪尾根をピークはどこだと云いながら30分ほど藪漕ぎし、GPSで位置を確認し付近の木にピンクテープをつけた。
もの好きな人もいるので断言はできないが、三角点もないこのピークに誰かが来たと思わせる痕跡はなかった。

地図を見ながら下山ルートを検討する。登ってきた沢を戻るか別の沢で降りるか、また、沢までどの方向に下降するか、ピークで鳩首協議。
その結果ひとつ先の沢に降りることとし、登ってきたルートと反対の方角に下った。笹や枝木に掴まりながら急斜面を下り約15分ほどで無事に水の流れる沢に着水した。


(安全のため懸垂下降)

後は本流まで大きな滝が現れないことを願いながら沢を下る。懸垂下降が1ケ所あったが、他に苦労するところもなく本流に合流した。
どちらかのというと、その後の本流でのいくつかのトラバースの方がヒヤヒヤした。

今年になって、小札幌と上手稲を達成し、M子さんの札幌150峰チャレンジも残りが少なくなってきた。次は鞍馬越808峰らしい。