ペテガリ岳の予備日としてとっていた休日を利用して、藻岩山の桃岩探しに行ってきた。
雪友荘の少し手前の階段のある斜面を登るとすぐに送電線の鉄塔下に着く。ここから左の尾根を辿るとスキー場ルートに合流するが、今回はさらに送電線の下の作業道らしきところを真っ直ぐに進んでいく。笹は刈られて結構人が歩いた形跡はあるが、決して登山道ではない。沢をひとつ渡って次の尾根にある二つ目の鉄塔に到着する。

(沢を渡るところに縄ばしごがかけられている)
U野さんからは、ここから尾根を登って登山道に合流する途中に桃岩があると聞いていた。鉄塔の回りにはつる草が密集して、とても進むことができる状況でなかったので笹密度の低い少し下がった箇所からトラバース気味に尾根に出た。背よりも低い笹の藪漕ぎにそれほど苦労せずに進むことができたが、桃岩らしきものを見つけることなくあっさりと登山道に合流してしまい、今回の桃岩探しは空振りに終わった。

(尾根を登っていきます、桃岩はどこだ)
7月にはその先の尾根を登ってみたが桃岩はなかった。いったいどこに桃岩はあるのだろうか。仕切り直しである。

遅い夏休みをとって会のメンバ3名とペテガリ岳に行ってきた。この山に登るためにはペテカリ山荘への山越え移動を含めると3日がかりのハードな山行となる。

(出発前の様子、この時はみんな元気)
一日目 曇り時々雨
初日は、神威山荘手前の林道脇にクルマを駐車し、沢を遡行して一山越える。ガイドブックでは沢靴を勧めているが、川幅も狭いため登山靴で問題ない。標高を上げて行くに従って水の流れもなくなり、最後は笹に掴まりながら滑りやすい土の急斜面を登りきると標高660のコルにでる。コルを越えた反対側の下りは、ちょろちょろ流れる沢を終始笹を掻き分けての前進となるが、ポイントポイントにピンクのテープがつけられ迷うようなことはない。沢を抜けた後の約5キロの林道を歩いて、午後3時過ぎにやっとペテカリ山荘に到着した。2階の片隅に場所を確保し荷物整理をしていると、雨の中ペテガリ岳から下山してきた登山者で、当日の山荘滞在者は20名ほどになった。初日はMさんの作った豚汁とアルコールで翌日に控える長時間山行への前祝をして7時過ぎには床に入った。

(トイレと炊事場には電気が点き、夜でも安心して利用できます)
二日目 曇り時々雨
翌朝、下山する10名ほどのツアーパーティ(ノマド、登山者はほとんど道外)を見送って、5時に山荘前の登山口を出発した。空は厚い雲で覆われていたが、8月末の割には蒸し暑い陽気で標高差600メートルの1050Pにたどり着いた時にはバテバテ、口を利くのも大儀な状態となっていた。さらに何箇所かのピークを越えた中間点1293Pでの私の疲れた様子を見かねたメンバが、エナジージェルという飲み物?を勧めてくれた。バリウムのようなドロドロしたもので決して美味しくはないのだが、確かに効果はあった。

(1050Pからわずかに眺めることができた1839峰)
1301Pを100メートルほど下ってからの標高差500メートルの最後の急斜面、2回ほどニセピークに裏切られながら登りきった先に遥かなるペテガリ岳があった。残念ながら雲が覆っていて1839峰やヤオロマップ岳などの山座同定はできなかったが、ペテガリ岳に登ったという満足感でいっぱいだった。暗くならないうちに戻るため、30分にも満たない滞在ですぐに下山を開始した。

(何度も騙されての最後の登り)

(やっとこの看板に出会うことができました、だいぶ色あせています)
帰りも何箇所かの登り返しを繰り返しながら、長い長い行程を辛抱強く歩きペテカリ山荘に到着したのは薄暗くなりかけた17時過ぎ、足も限界に近いところまできていた。当日の夜は、ペテガリ岳登頂を祝って9時頃まで宴会をしたが、...
空腹状態でかなりの酒を飲んだことが原因だったのだろう、シュラフに入ってから胃がムカムカしてきたので、途中で起きて喉に指を突っ込み強制的に胃の未消化物を嘔吐した。胃もなんとか落ち着いたのでシュラフに入って寝ようとしていた矢先、今度は突然山荘がガタガタ揺れ出した。山荘が倒壊するのでは思うほどの揺れ(後で聞くと震度5)は10秒以上続いたが、M松さんの”大丈夫、大丈夫”という声でパニックにならずに済んだ。まあ、いろいろあった夜だった。

(最終日の雨上がりの朝、ペテカリ山荘に別れを告げるTリーダ)
三日目 曇りのち雨
次の日の朝、地震で林道が崩壊している可能性を心配して、釣り目的の4人組が急いで荷物を片付けて出発していった。我々も6時半に山荘を後にした。林道を過ぎた先の沢ではピンクのテープに頼り過ぎて、二股に分かれるところで間違った方向に進んでしまった。間違った先には人が歩いた新しい足跡が残されていて、それに引きずられてしまったのだが、コンパスを切って進んでいれば誤ることはなかったミスである。途中から雨が降ってきたが、もう最後なので濡れながら歩いて10時過ぎにクルマ止めにやっと到着した。

(長い林道を歩いている途中、鹿の親子が見送ってくれました)
帰りの林道には地震の影響と思われる岩石が方々に転がっていたが、なんとか通過することはでき、途中の三石温泉で3日分の汗の垢を流して帰宅した。本当に長い長い、あっという間の3日間であった。
平成24年8月19日(日) 大二股山
札幌50山にカウントされている大二股山に、結果的に楽して登ってきた。
最近知ったのだが札幌50山は、札幌の文化を遺産として残すための事業として刊行された<さっぽろ文庫>の48巻目「札幌の山々」がその元となっているとのこと。本の中で大二股山のことを、”豊平川本流とその大きな支流漁入沢とにはさまれた、ピークというにはあまりにささやかな隆起”と紹介している。そのとおりで、近くに行ってもついぞピークを視認することができない山だった。
(大二股山東側の地図にない林道に少し入って山頂を目指す)
国道沿いの林道ゲートから4~5時間の林道歩きを覚悟して、Uさんとふたりで中山峠方面に向けて出発した。定山渓トンネルのちょっと先にある林道入口に到着し、ゲートを確認すると驚いたことに鍵が掛けられていなかった...。後ろめたい気持ちと林道に閉じ込められるリスクはあったが、片道4~5時間の大幅短縮の魅力には勝てず、クルマで入ることとした。何ヵ所かの分岐箇所を地図で確認しながら30分強で大二股山のすぐ近くまで到達した。
(藪をつき進むUさん)
大二股山には登山道がないので最後は藪こぎとなる。傾斜が少なく最短箇所となるところを探り、朝露対策の上下雨具姿で藪の中に突入し、30分ほどで山頂付近に到着した。視認できないピークをGPSで確認しながら、ふと頭上を見上げると木の上に比較的新しい立派な山名標識が括りつけられていた。
(すごく立派な山名標識です)
返りは最短距離をと進んだが、知らず知らずに方向がずれ、とんでもない方向へ下山してしまい、クルマの駐車地点に戻るのに登り以上の時間がかかってしまった。それでも、総行動時間は1時間強。山に登った達成感は、かけた労力の量に比例する、藻岩山に登ったよりも達成感の薄い山行だった。あと、藪漕ぎするときにはスパッツ必携を実感した。
思いがけず時間が余ったので、定山渓温泉の湯の花で朝風呂を楽しんで帰宅した。
〔コースタイム〕
林道入口 6:45
大二股山車止め 7:15
登り開始 7:30
大二股山 8:00
車止め 8:40
3回目となる沢登りは白水川に行ってきた。とはいっても、無意根山まででなく、林道合流地点まで。
Nさんと道路情報館で待合わせし、宝来小屋付近にクルマをデポするため無意根山薄別コースの林道に向かった。最近、薄別コースの林道は登山者に開放され、森林管理事務所に問合せるとダイヤルキーの番号を教えてくれる。しかし、残念ながら宝来小屋のかなり手前に別のゲートがあり、クルマで入れるのはそこまでであった。しかし、クルマの最終進入地点には大きな駐車スペースが確保され、ちょうど無意根山に向けて単独登山者が出発していった。

我々はクルマをデポして再び国道に戻り、白水橋付近から入渓した。通常もっと林道を進んで砂防ダム付近から入渓するのが普通らしい。砂防ダムまでは滝もなく退屈な河原歩きが続いたが、途中”へつり”の練習をしながら腰まで水に浸かって遡行した。2箇所の砂防ダムを超えると河原の石に先行者と思しき足跡が現れ、しばらくして男性4人のパーティに追いつきあいさつを交わした。4人ともヘルメットをしていなかったが、白水川には何度も訪れているようであった。

(ナメ床がつづく)
途中、何箇所かの二股があり、その都度地図で方向を確認しながら進んでいると、白水川の核心部であるゴルジュに到着した。泳いで滝横の岩壁を登るか、左岸に垂れ下がるロープをよじ登るか二者選択、前日ザックの底に穴を空けて備えをしていたが、なるべく濡れたくなかったので、ロープを選択しゴボウ登りでゴルジュを越えた。

(ゴルジュです、さてどうしようか)
ゴルジュの先には大滝がある。インターネットなどで見ると怖そうに見えたところであったが、ナメ滝状の岩盤はグリップが効いてそんなに苦労することもなく通過することができた。そして大きな土管をくぐり抜け林道と合流する最終地点に無事に到着した。白水川は、ナメ床が何箇所もありきれいな水が流れていて、とても気持ちよく遡行することができた。また、ゴルジュを除いてはさほど難しい箇所もなく、終始リラックスして気持ちよく遡行することができた。

(ナメ滝状の大滝、滝はゴルジュとここの2箇所だけ)
最後は、ほとんど廃道化している林道を歩いてクルマのデポ地点まで戻った。途中、宝来小屋の付近で無意根山から下山してきた朝に出合った登山者と再会した。昨日の雨で登山道が荒れていて何度もしりもちをついたそうだ。

(周りの土が流されて、土管だけが残る、過去にこんなところまで土管を運んだんだ)
〔コースタイム〕
白水橋 7:00
砂防ダム 9:00
ゴルジュ 10:40
林道合流 11:25
宝来小屋 13:05
デポ地点 13:30
今回こんな道具を買いました。高巻き用のピッケルです。某ホームセンターで買いました。ピックマトックよりもおしゃれなデザインです。
