遥かなるピリカヌプリを求めて

ピリカヌプリに行ったので、次は1839!

登山死亡事故

2017年06月28日 | あれこれ
交通事故で人が亡くなることは日常茶飯事なこと、身近な人でないかぎり記憶にも残らない。
登山事故も同様、新聞に報道される事故にその時は興味を引くものの、直ぐに記憶から消えていく。

先週末、定山渓天狗岳で死亡事故が発生した。しかしそれは直ぐに記憶からなくなるものではなかった。
亡くなられた登山者が、翌日に沢山行でご一緒する予定のCさんだったから。

夏道登山であるもにかかわらずなぜ滑落したのか、なぜ狭い岩場を登らなくてはいけなかったのか、
多くの疑問が解消されるのはいつのことだろう。

数日前にお会いしたときの笑顔、お通夜で拝見した写真のなかの笑顔、心からご冥福をお祈り申し上げます。

中岳線林道で京極まで行ってきた

2015年11月07日 | あれこれ
平成27年11月7日(土)中岳線林道で京極まで

週末は家族サービスでニセコの温泉に向かった。
途中で急に思い立って、10月末の夏山納め(観楓会のようなもの)の際に降雪のため中止となった喜茂別岳登山口を確認するため中岳線林道に寄った。
林道入口から10分程度で車が1台駐車していた登山口を発見したので、さて戻ろうかとしたところ、うちの愚妻、「あら、もっといけるんじゃないの」と云う。

それならと先に進んだ。この道は京極まで続いているということを言うと、うちの愚妻、「だったら行きましょうよ」と云う。
地図上でつながっているというだけで、ほんとに通じているのか分からないというと、「舗装されていて、立派な標識まであるじゃない、行けないわけないわよ」と云う。

こんな会話を交わしながら、だめなら戻ればいいと意を決して先に進んだ。途中で道路が行き止まりだったらとか、崩れていたらとか、入り組んだ林道で迷ったらとか、林道出口でゲートに鍵がかかっていたらだとか、心配事はたくさんあった。

かれこれ30分以上は走っただろうか、標高を下げるにしたがって畑が現れ、人家が現れ、道路の幅が広がり、いつのまにか京極までたどり着くことができた。緊張し大冒険をした気分だった。因みに、林道名の中岳は無意根山の隣の中岳ではなく、京極と喜茂別岳の中間部にある小ピークである。
心身の疲れを五色温泉で癒しての帰りみち、うちの愚妻、「羊蹄山はどこまで車で行けるの」とのたまう。


(喜茂別岳登山口までの距離の数倍は走っている、地図も持たずに、結果オーライだからよかったものの...)

北海道林道保存会」によると、この林道は喜茂別町と京極町との連絡道路なのだそうだ。
林道を走るのは怖いが、ここの林道はよく整備されている。今回は8km付近の分岐を左に進んだが、次回は直進してみたい。

原因究明 備忘録

2014年03月27日 | あれこれ

昨年、自分が所属している山岳会が遭難事故を起こし、低体温症でひとりが亡くなった。再発防止やご遺族への説明責任のため、会の責務として何度も会合を重ね、やっと報告書としての形が見えてきた。

事故は複数の要因が絡まり連鎖して起こっている。計画の甘さ、行動のミス、判断のミス、その結果としての滑落、装備の破損、救助要請の遅れ、低体温症発見の遅れ、パーティーの連携、メンバーの力量など検証すべき点は多い。 悪天のなかでいくつかのミスが重なり、気づかぬうちに後戻りできなくなっていた。

何を言ってもパーティーの行動が事故を起こしたことは厳然たる事実、山行メンバーはもちろん、会に所属する我々もそれを重く受け止めて、今後の教訓としなければならない。


電王戦のゆくえ

2013年04月15日 | あれこれ
屏風岳で悪戦苦闘しているころ、東京六本木のニコファーレでは電王戦第4局として、塚田泰明九段と将棋ソフトPuella αとの対局が行われていた。

今回の勝敗は引き分け(持将棋)、形勢的には塚田九段の負将棋といわれている。対局後のインタビューで涙を流していた姿が印象に残る。棋士同士の戦いと違って背中にどえらく重たいものを背負って戦っている様子が痛いほど伝わってくる。残念ながら、今回の結果で人間チームの勝ちはなくなった。

人間がコンピュータに負けるのは残念なことだが、だからといって将棋棋士の強さやすごさに変わりはない。その領域にたどりつく人間はほんの一握りの選ばれた者だ。他の領域ではすでにマシンが人間を上回っている。バイクと人間が勝負しようなどとは誰も思わない。コンピュータには膨大な棋譜と優劣判断のルールが記憶され、それを高性能CPUで検索し、計算して最善手を求める。まるでたくさんの助っ人に囲まれて答えを導いてるようなものだ。対して人間側は、自分の脳に記憶された情報量と自分の頭だけでとても孤独な作業を強いられる。トイレタイムにも行かなくてはいけないし、体調不良や気持ちの動揺もある。そういうものをコントロールできる者が本当に強いということになるのだろうけれど。

限られた時間のなかで駒を進めるためには、読みの深さをコントロールして制限時間内に求まる答えを最善手とする。それが、ハードウェアの性能アップに伴い、更に深く手を読むことができるようになった。また、ソフトウェアの処理方法(アルゴリズム)も進化している。これからもコンピュータ能力はもっとアップすることを考えると、完全に人間を超えることは必死であると思われる。

将棋ソフトなるものが世の中に現れて約30年、あるソフト開発者が将来は名人を負かすことができると言っていたことがおとぎ話のように聞こえたあの頃から、箸にも棒にもかからなかった将棋ソフトをここまで強くした多くの将棋ソフト開発者を称えたい。

今から次週の土曜日が楽しみだ。


また将棋ソフトが勝った

2013年04月07日 | あれこれ
先々週から電王戦というイベントで将棋ソフトとプロ棋士との5番勝負が行われている。これまで2組が戦って、将棋ソフトの1勝1敗。先週は、公式な場ではじめて現役プロ棋士が敗れたということで話題になり、ニコニコ動画で観戦していた多くの人が感動したという感想を寄せていた。

そして本日3戦目、船江恒平五段が180手の超える長い戦いの末、将棋ソフトツツナカに敗れてしまった。その一部始終をニコニコ動画で観戦したが、解説者を含めもう負けられないという重い雰囲気が番組全体を満たしていた。勝負は、序盤船江五段が優勢に戦かっていたが、中盤にツツナカに責められ瀬戸際まで追い詰められた。その後、その攻めをしのいで形勢逆転したが、終盤攻めあぐねているうちに再びツツナカにじわじわと攻められ、最後は秒読みに追い込まれ力尽きた。ターミネータと戦っているといった感じを受けた。

パソコンが世の中で出始めた頃から将棋ソフトの歴史が始まる。ニ分岐探索やアルファベータ枝刈法といったアルゴリズムで有利な手を導き出すのだが、最初の頃の有利判断は駒得だった。その後どんな場面が有利なのかは、将棋をやっているものでなくては分からないと云われ、当時の将棋ソフト作者はいずれも有段者だった。しかし、最近は過去のプロ棋士の膨大な棋譜をデータベース化して検索し有利な場面を導きだす方法が採られ、必ずしも将棋が強い作者が実力のなるソフトを生み出すということは当てはまらないとのこと。これは、パソコンの性能がけた違いに向上したことも深く関係しているのであろう。

ニコニコ動画で勝負を観戦していたが、言い得ぬ緊張感のなかで行われた勝負に時間を忘れて引き込まれた。その集中力に改めてプロ棋士のすごさを感じ、気づいたら敗者の船江五段にエールを送っていた。

かつての作者の実力が表現されていた将棋ソフトは、今や作者を超えてどんどん強くなっている。将棋ソフトはこれからももっと強くなるだろう。そして人間と将棋ソフトの戦いはどうなっていくのか。来週は塚田九段が登場する。