「金剛の塔」
図書館の新刊書棚に並んでいましたので、借りてみました。

大坂四天王寺五重塔建立にともなう話、異なる時代の七話からなります。
仏教とともに百済から海を渡って招かれた造寺工と呼ばれた宮大工たち、彼らが持つ技術をもとに地震に強く日本の風土にあった五重塔を建立する。
有史以来、地震により倒壊した五重塔はない。そのカギは心柱にある。心柱は インド、中国、朝鮮にはない構造であり、その技術は現代の高層建築にも、またスカイツリーにも受け継がれている。
造寺工3人のうちのひとり金剛重光は聖徳太子の命を受け四天王寺五重塔の建立に携わる。金剛一族は塔完成後もその地浪速にとどまり、千数百年を経た現代においても金剛組という世界最古の企業として、また社寺建築の日本トップクラスの企業として活躍している。
四天王寺の五重塔は戦火、雷により今までに七度焼失している。その都度金剛組により再建されてきた。金剛組には飛鳥時代から受け継がれ、積み重ねてきた流儀、技術がある。
題名の「金剛の塔」の金剛は金剛重光、金剛組の金剛であると思うが、彼らが培ってきた光輝く技術、ダイヤモンドの金剛でもあると感じました。
