般若心経

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2022-02-25 | Weblog

 「解体キングダム」

 私はビルなどの解体工事を見ることが好きです。あの大きな建物をどのように解体するのだろうか、重機を自在に操り、次第に形がなくなっていく様子を見ていると、まるで自分が工事をやっているような気になります。数十メートルはあろうかと思われるアームを伸ばしている油圧ショベルなど見ていると、いつのまにか時間が過ぎていきます。
退職すれば免許を取って実際に工事をやってみたいとまじめに考えていました。
 2月19日NHKで「解体キングダム」が放送されました。この番組は、定期番組ではなく、ときどきビルや大きなガスタンクなどの解体の様子をレポートしています。
今回の放送は長崎県五島列島福江島の風力発電タワーの解体と、東京駅前高さ240mの新築ビル屋上にある工事に使ったタワークレーンの解体工事の様子でした。
風力発電タワーは高さ50m 重さ約100t、通常であれば大型クレーンを使い、上部から解体するところですが、場所は島の強風の場所です、クレーンで吊り下げるには危険がありました。そこで今回採用された方法が、基礎部分を切断し、全体を倒壊させる方法です。基礎コンクリートをダイヤモンドワイヤーソーでコンクリート、アンカーボルトもろともに切断し、計算通り寸分違わず倒壊することができました。
次に解体されたのは東京駅前に新築された高さ240mのビルの屋上に設置されたタワークレーンのジブと呼ばれる腕の部分です。長さ45m重さ10tの大きなものです。これをわずか1日で解体します。ジブを一旦屋上に降ろしたうえ分解し、ビルの8mの隙間に降ろします。
リーダーは37年の職歴を持つとび職。
1時間30分の番組、見ているだけで、緊張しました。

 それはそれとして、退職したら重機の免許をとり、工事現場で働きたいと思っていた私ですが、その希望は退職前にやめました。万が一事故を起こしたらどうなるか、怖くなったのです。重機の操作、高所の作業は、一瞬の判断の遅れが大事故につながります。事故は将来に大きな禍根を残すことになります。禍根を背負ったまま残りの人生を過ごす様子を想像すると恐ろしくなりました。
工事現場の墜落事故による死者は年間二百数十人にのぼるそうです。やめて正解だったと思います。
「仕事にやりがいはある」と言っていた今回のジブ解体のリーダーも、「もし生まれ変わったら同じ仕事をしますか」と問われると「やりたくない」と答えていました。やりがいはあるのでしょうけれど、緊張の連続、神経をすり減らす大変な仕事なのでしょう。
 もっとも私の場合、免許を取ったというだけで、高齢者を作業につかせてくれる会社があるでしょうか、おそらくないでじょう。そこのところは考えていませんでした。ほんとうの夢でした。


 昨日の新聞広告です。
「多くの子供は、建設機械が好きだ。
しかし、大人になって
建設機械のオペレータになる人は多くない・・・・・」
誰も同じなのですね。