般若心経

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2020-05-28 | Weblog

 戻り鐘

 ひと昔前の話になりますが、お遍路を始めたとき先達さんから「戻り鐘は絶対に打つな」と教わりました。「戻り鐘」とはお寺にお参りしたのち帰り際に鐘を撞くことです。お寺によっては厳しく咎められ、お参りし直してこいと云われることがあると話されていました。
 なぜ戻り鐘を打ってはだめなのか。
その昔、都に戦や疫病が起こり亡くなる人が続出した。路傍に放置された死体はお寺に運び込まれ、お寺に数がたまるとまとめて埋葬のため荷車に載せられて運び出された。そのときの合図にお寺の鐘を打ち鳴らした。ということから、お寺から出るときの鐘は、これから死体がお寺を出ますよ、これからお寺を出るのは死者ですよという合図になり、縁起が悪いこととされてきた。とその先達さんは話されていました。
現代でもお葬式の出棺のとき、霊柩車がホーンを鳴らすのはそのなごりだそうです。
 なぜこの話を思い出したのかといいますと、昨日NHKの「にっぽん縦断 こころ旅」のビデオを見たからです。「にっぽん縦断 こころ旅」は火野正平さんが自転車に乗って日本全国を巡る番組です。ビデオに撮りためたものを見ており、昨日見たのは2019年11月12日 広島県三次市の旅の話でした。目的地への途中、たまたま正願寺というお寺に立ち寄りました。そのとき鐘楼の柱に「入り鐘(金)を打て 出鐘(金)は打つな」と張り紙が貼っていたのです。



鐘の字に(金)が付されているということは、鐘とお金をかけて入金はいいが出金は控えろ、お金は大切に使えと諭し、あわせて戻り鐘を避けるように教えているのではないかと思った次第です。

なお、正願寺は元アメリカ大統領ジミー・カーターさんゆかりのお寺だそうです。
平和のシンボルとなった正願寺の梵鐘

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