バスのなかで
8月14日の鎌倉円覚寺管長横田南稜老師のブログ「管長のページ」は「はじめ塾 夏の合宿 其の一」でした。はじめ塾は神奈川県小田原市にある教育家の和田重正さんが開設された寄宿生活を行っている塾です。
このブログの中に2022年初めて塾を訪ねた時のリンクがあります。そのとき横田老師は坂村真民の詩「バスのなかで」を朗読しています。
この「バスのなかで」は2年前、成羽美術館で開催された「詩人 坂村真民の世界」で展示されていました。
いい詩だなあと記憶にありましたので探してみると写真に撮っていました。
(写真撮影は許可されていました)
バスのなかで
この地球は
一万年後
どうなるかわからない
いや明日
どうなるかわからない
そのような思いで
こみあうバスに乗っていると
一人の少女が
きれいな花を
自分よりも大事そうに
高々とさしあげて
乗り込んできた
その時
わたしは思った
ああこれでよいのだ
たとい明日この地球がどうなろうと
このような愛こそ
人の世の美しさなのだ
たとえ核戦争で
この地球が破壊されようと
そのぎりぎりの時まで
こうした愛を
失わずにゆこうと
涙ぐましいまで
清められるものを感じた
いい匂いを放つ
まっ白い花であった
真民は少女がこれから花を届けるであろう相手への愛を詠っているのだろうと思いますが、私は花を大事そうに高々とさしあげている少女の姿に感動しました。少女は混み合うバスに不満は全く持っていなく、ただただ届ける相手への花を大事にしようという一途な思いだけなのでしょう。一生懸命になって花を守っています。
なにごとにでも一生懸命になっている姿が私は好きです。
無心に働く人の輝き
畑の草を一本一本抜いている人、道路工事をしている人、工場で機械と一緒になって働いている人、病院、施設で働いている人、勉強している人、スポーツ、部活に励んでいる人・・・・・世の中のすべての人です。
一生懸命になって損得を抜きにして無心に働く姿が私は好きです。