「お寺を建てる!」
(露の団姫《つゆのまるこ》著 2021/12/8 春秋社 p.211)
令和三年七月七日、兵庫県尼崎市に不軽山《ふぎょうさん》道心寺が開山しました。
建立したのは天台宗の僧侶であり、落語家でもある露の団姫さん。
お寺は世襲によって継がれることが多い中、団姫さんは新しくお寺を建てる決意をしました。本書では資金の準備、敷地建物の選定、ご本尊さまのお迎えなど開山に至る経緯、これからの計画を紹介しています。
団姫さんは中学生の頃、宗教に目覚め、お釈迦様、法華経の教えを知ります。夢は「いつかお寺を建てたい」、一方落語家になる夢もあわせて、仏教、落語 両道の修行に入ります。
順調かにみえたお寺の建設に想定外のコロナショック、収入がほんどなくなります。
目次から
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第一話 マタニティーブルー!
第二話 いつかお寺を建てたい!
第三話 僧と決まればまずは貯金!
第四話 お寺を建てる条件
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第十話 ローンの壁
第十一話 売り主さんはクリスチャン⁉
第十二話 ご本尊を決める
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第廿三話 お寺に住まない「住」職
第廿四話 開山式
第廿五話 これからの道心寺
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これから先、私はまだまだ勉強しなければいけないことだらけですし、沢山の経験を積む必要があります。また、順調なことばかりではないでしょう。
お寺は住職だけで育てていくものではありません。きっと、これから沢山の人とのご縁が、道心寺を「お寺」にしていくでしょう。
仏様からお預かりした道心寺で、一人でも多くの人の苦しみを抜きたい。
それが、仏様から生かされていることを知った私の住職としての「一隅を照らす」です。(第廿五話)
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余談ですが、
寺院は特定の宗派に属する寺院と、宗派に属しない単立寺院があります。道心寺は天台宗に帰属するお寺として設立されました。宗派に帰属するお寺は、その土地や建物、すべてが宗派に属することになるため、道心寺のように私財を投げ打って建てたとしてもそのすべてを天台宗に寄付することになります。
なぜ単立寺院にしなかったのか、団姫さんは「まだこれから師僧や宗派の組織による勉強会、研修会を通じて多くの教えをいただく必要があるため」と述べられています。(第廿三話)
余談の余談ですが、
天台宗の僧侶である瀬戸内寂聴さんが建てられた寂庵は天台宗の寺院ではなく、宗派に属しない単立寺院です。(寂聴法話集)
長野 善光寺、大阪 四天王寺も単立寺院です。
詳しくは文化庁のホームページをご覧ください。(お時間があれば)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/shukyohojin/gaiyo.html