
憲法前文は、国際社会の「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去」する努力が重要であること、そして日本一国だけではなく「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」との観点から、「自国のことのみに専念し他国を無視してはならない」と、国際主義の立場を明記している。
その上で、第9条第1項で、わが国は「国際紛争を解決する手段として」の「戦争と、武力による威嚇又は武力行使は、永久にこれを放棄する」と謳い、第2項で「戦力の不保持と国の交戦権の否定」を宣言している。
憲法のこうした平和主義は、幾多の戦争、とりわけ2度の世界大戦の甚大な犠牲と深刻な反省に基づいて「自衛目的を除く加盟国の武力行使の全面的に禁止」に到達した1945年の国連憲章をさらに一歩進めたものである。すなわち、「平和的生存権」を重要な人権と銘記した上で、戦争違法化の原則を積極的に活かし、第9条第2項で「戦力の不保持」を定めたのであり、これは憲法制定時の国民の総意であった。
「戦争のできる国へ」の策動は歴史への反逆と言わねばならない。
(2013年4月9日 社民党 幹事長 又市征治)<20>