日向ぼっこ残日録

移り気そのままの「残日録」

歌謡曲の中の中国

2005年01月18日 20時12分03秒 | 気まま日記
2005/01/18のち
四馬路(すまろ)はもともとは四頭立ての馬車がすれ違うことの出来る広い通りの意味なんですが、戦後歌謡曲の中に多く歌われるのは、歓楽街の名前です。こんな古い歌をなぜ覚えているんでしょうか。戦後歌謡曲は映画館などの実演(今で言うライヴショウ)やラジオでしか聞けません。レコードは一部の資産家以外は手が出ません。そのため、1つの歌は全国に行き渡るまで、長いものでは10年も歌われました。生まれてもいない私が、覚えているのは不思議ですが。戦前(1945年まで)の上海は、中国の弱体化につけ込んで、英米仏日が強制的に借り上げた租界(治外法権の区画)があり、中国にとっては屈辱の歴史に咲いたあだ花といえるでしょう。今でも当時の街区はライトアップされて、観光客の目に!さて、その四馬路は蘇州河の南側で、現在は福州路と呼ばれています。北側はあの有名な虹口(ほんきゅ)という歓楽街です。二つの歓楽街を結ぶ橋がガーデンブリッジ(中国名 外白渡橋)です。
そこで、「上海ブルース」詞:北村雄三、曲:大久保徳二郎、唄:ディック・ミネ(1939)「涙ぐんでる上海の 夢の四馬路の街の灯 リラの花散る今宵は 君を思い出す 何もいわずに 別れたね 君と僕 ガーデンブリッジ 誰と見る青い月」
「夜霧のブルース」詞:島田磐也、曲:大久保徳二郎、唄:ディック・ミネ(1947)
「青い夜霧に 灯影(ほかげ)が赤い どうせおいらは独り者 夢の四馬路か虹口(ほんきゅ)の街か ああ 波の音にも 血が騒ぐ」(松竹映画、「地獄の顔」主題歌、水島道太郎、木暮実千代(戦後サンヨー婦人として、サンヨー洗濯機などの電気製品のコマーシャルで一世風靡)
「上海帰りのリル」詞:東条寿三郎、曲:渡久地政信、唄:津村謙(1951年。艶のある、絹の歌声といわれた)「船を見つめていた 浜のキャバレーにいた 風の噂はリル 上海帰りのリル 甘く切ない思い出だけを 胸にたぐって探して歩く リル、リル、どこにいるのかリル 誰かリルを知らないか・・・・・夢の四馬路の霧降る中で・・・・」
今年末から来年には、もう一度行ってみたいものだ。